松本の光学講座 2024;応用編-3/Spherical Aberration/Just Playing/ 球面収差の実感(お遊び)

 せっかく用意したモデルなので、同じレンズで球面収差のシミュレーションをしてみました。
上は、前回の厚肉レンズ(18.0D)で、下はそのレンズを中央で分割して凸面を対面させた物。
 上下とも、高さ20mmの光軸に平行な入射光線。凸面対面密着で配置すると合成パワーが 20.0Dと、上のモデルよりも1割強強くなります。収差量の評価は、厳密には同じ焦点距離で比較すべきところですが、傾向を掴むには、そのままで十分です。下の方が、劇的に球面収差が改善していることが分かりますね。( F は近軸焦点
 直感的な解釈としては、
1. 合成パワーはレンズ間隔が開くほど弱くなる。
2. 凸レンズの球面収差は、光軸から遠いほど度が強くなるわけだから、上に行くほどレンズ間隔を開けば緩和することになる。
  ・・・ということで、説明が付きますね。^^