松本の光学講座 2024;復習8 How to estimate the principal points /主点位置の推定方法

 主点の意味を理解したり、その位置を推定するのには、平行平板の振る舞いを見るのが有効です。
一番上が平行平板を通る光線です。前面と後面が全て平行なので、入射光線は食い違いながらも平行に射出します。赤い点が物側主点、青い点が像側主点になるのは、全て共通です。
 次に平凸(凸平)レンズを考えてみます。前面の頂点の接平面と後面は平行なので、上の平行平板と同様に考察できます。
 最後に、メニスカスレンズを考えてみます。
  どこかに平行平板が隠れていないか?ということです。1-C1 と 2-C2が平行になるような光線が必ずあるはずで、それを図示したのが、一番下の図です。(C1,C2はそれぞれ、前面、後面の球心です。)1-C1 と 2-C2が平行ということは、1と2の接平面同士も平行ということになり、平行平板と全く同じように光線が振舞うことが明らかです。


 赤い線と青い線は、それぞれ、物側主面と像側主面であり、物側主面に高さhに向けて入射する光線は、像側主面の同じ高さhから射出することが分かっています。
 この2面のことを、「横倍率=+1 の共役面」と言います。倍率というと、どうしても、実際の物と像の結像を類推してしまうと思いますが、単凸レンズによる物と像が同じ大きさになる場合は、倍率=1ではなく、-1(倒立)になり、横倍率=+1 倍になる主面同士の関係とは異なります。
 厳密には、図は節点(角倍率=+1となる共役点)の説明なのですが、空気中のレンズでは、主点と節点が同じになるので、節点でご説明した次第です。