松本の光学講座;2024-3/ 傾角と距離の一般化

 前回の近軸追跡に於ける行列の応用は、空気中の薄レンズ(厚みを無視できる)に限らず、一般的な光学系に応用できます。
上図(敢えて解説を省いた)から直感的にご理解いただけると思いますが、厚いレンズも、両端の薄い平凸(もしくは平凹)レンズの間を、屈折率Nの平行平板で満たしたものと考えられます。
 そして、傾角成分αについて、新たにNα=α、厚み=T/N を定義すれば、空気中の薄レンズのシステムと全く等価なものとして扱うことが出来るのです。(厚さTの平行平板(屈折率N)は、T/Nの空間と等価)
屈折率N中の傾角はN倍、移行距離は1/N倍しておけば良いということです。