松本の光学講座;2024-11 / 主点位置の算出

主点(主面)位置を図のように仮に設定します。実際の位置とは関係ありません。E,Fの算出後の正負で最終的に位置が決まります。この図に基いてH1,H2を基準にしたシステムマトリックスを考えると、以下のようになります。

中央の行列は、L1~Lnまでのシステムマトリックスです。各要素を特定していないので、具体的な数値は決まりませんが、上のように、反時計回りにABCDとしておきます。右上の成分Aが常にシステムのパワーとなっていることは以前にご説明した通りです。さらに、BD-AC=1であることは、全ての要素行列で共通です。

計算結果です。↑

ところで、一般的に、物平面と像平面を基点にしたシステムマトリックス(物像マトリックス)は、上の一般式になることが分かっています。Mは横倍率です。h’=Mhが成り立つためには、左下の成分は常に0になりますし、行列式の値は常に1ですから、対角成分=1/Mになるわけです。

H1とH2は、横倍率=+1になる物像平面ですから、M=1 を代入すれば、主点位置である E,F が算出できることになります。

B-AE=D-AF=1 から、
E=(B-1)/A ; F=(D-1)/A   となるわけです。

(AEF-BF+C-DE=0)