松本の光学講座;2004-5/ 物点と像点

 4回までの講座について、理解いただいた方がほぼ皆無なのは何故だろう?
どうやら、基礎の基礎、物(ぶつ)と像(ぞう)の意味が分かっておられないのでは?と思う。
 もしかしたら、これが突破口になるような気がする。
 一番シンプルな光学系である、平面鏡をモデルにする。
 XZ平面が鏡面とする。左の図を見てください。
実物点Pから発した光線は全てXZ平面に対して対称な点であるP’から出射したようにXZ平面で反射する。作図していない、どの光線も同様に振舞う。一般に、光路図では、せいぜい1本か2本の光線しか描かないので、誤解している方が多いと思う。図は便宜上Y軸の正領域の一点に物点を置いたが、XZ平面より上の物空間にあるどの点も、Y座標の符合が反転するだけで、X,Z座標の値は変化しない。

 次に、右の図を見ていただきたい。
物と像は逆にもなる、つまり共役だということを示しています。
自然界では滅多にないが、Pに向かって収斂する光束は全てP’に実像を結ぶ。
Pを虚物点と言う。虚像点P’も、虚物点Pも手で触ることは出来ないが、それぞれが立派な点である。