私がいつ目をつぶっても困らないように、像回転の調整について、再度まとめてみました。
EMSの取り扱い業者さんや、10年、20年戦士のEMS-BINOユーザーの方には、理解しておいていただきたかった内容です。当サイトのサポートコーナーにも類似記事を掲載していますが、改めての投稿です。
例として取り上げた、Situation-1 は、右のEMSの対空角度が<90度の方向にずれていて、左のEMSのそれが>90度の方向にずれている状態です。左右のEMSの第2ユニットの接続角位置が、右は時計回りで、左も同量だけ時計回りにずれていると、像については、ユーザーさんは全くずれている自覚はありません。相対的な誤差が無いからです。図は極端に図示していますが、仮に、いつも見ている鉄塔が左右共1度同じ方向に傾斜していても、何らの支障もありませんから。
そうしたご相談を受けることは比較的多く、都度ご説明するのですが、「現状で像の(相対的な)倒れが無いのだから、接続角をいじれば、像が倒れてしまう。左右の像を平行にすると、接眼部がねじれる!」と、理解される方も少なくないようです。
古い手描きの説明イラストをご紹介します。↑
EMSの第2ユニットを90度対空から直視の状態まで回転させた時の像回転をご説明した図です。
図からお分かりのように、対空角度を90度→0度と回転させる間に、左右の像は互いに鏡対称的に外回りで180度回転します。(単純な倍角の線形関係ではありません。左右の第2ユニットも時計回り、反時計回りに回す。)
これが、左右のスリーブの平行を完璧にキープしたまま、左右の像の相対的な回転が修正できるという、特筆すべきEMSの特長を表しているのです。
再度、今回の実例に則してご説明しますと、
右のEMSは対空角度が<90度なので、第2ユニットを少し反時計回りに回す必要があります。
当然、像も同方向に回転しますから、一時的に相対的な像回転を生じます。
次に、左のEMSは対空角度が>90度なので、こちらも少し反時計回りに回す必要があります。
この時像は反時計回りに回転します。同じ方向に第2ユニットを回転させて修正するので、ねじれの修正をしても、相対的な像回転は防ぐことが出来るわけです。
目からウロコが落ちた!と思われたら、ご一報いただけると幸いです。^^