While straightening up the storage of my shop, the old Strain Scope happened to come out. I made it all by myself with crude tools more than 40-years ago.
店内のロッカーを整理していたら、40年以上前に自作していた歪検査計が出て来た。まだ(多分)20歳代だった自分が、ろくな工具もなしに自作したもので、とても廃棄する気になれず、汚れを落として使用してみた。
なぜ長年お蔵入りになっていたか? ですが、それはメガネレンズの変遷と関係があります。当時はメガネレンズはガラスが主流(と言うより、プラスチックレンズはほとんど普及していなかった)で、かつ、セル枠主流からメタルフレームが主流に置き換わろうとしている時期でした。
一般の方は、レンズはタイトにフレームに入れられ、決して落ちないことにしか関心がないと思いますが、本来は、ガタがない程度にゆったりフレームにはめられ、むしろ、乱暴に扱えば外れる程度が良いのです。メタルフレームのネジを締める部分は特に局所的にレンズにストレスをかけやすく、要注意なのです。
お客さんには全く見えないどころか、レンズがやや外れやすくなることもあり得る配慮なわけで、割の合わない努力ではありましたが、メガネ技術者としての心意気が、そこにはありました。
レンズの99%以上がプラスチックレンズになると、歪は現実的に防ぎようがなく、次第に歪み検査計も用がなくなりました。
動画は、試しに、ツーポ(縁無し)フレームのメガネを調べたものですが、ご覧のように、ピンの部分は盛大に歪が生じています。 メガネは小口径の光学系(明視時は大方3ミリ以下で、暗視時でも7ミリ以下)なので、実害はないわけです。割れにくい素材(N=1.67)が出来たことも、歪計が要らなくなった要因の一つですが。