8cmF15-BINO in the making

BINO作りの最初に何をするか? ですが、まずは現状把握です。
(想定したシステムで)ピントが出ない!とパニックになって、思考停止してしまう方があまりに多いと見受けます。
 まずは、確実にピントが合うシステムを鏡筒にセットしてみて、現状を把握するのが最初です。
そして、最終的なシステムの光路長との誤差から、鏡筒の切断量等を決めるわけです。
 本例だと、EMS-UMB相当で、フォーカスの余裕=12mmでしたので、鏡筒のバックフォーカス=136mm+12mm=148mmで、販売店さんの公称値の145mmがかなり信頼が置ける数値だと分かりました。
 今回のセットアップでの理想(最小限)のD=194mmなので、目幅60mm(一応の最小目幅)でのEMSの必要光路長=(194-60)/2 X √2 +20+ 20 + 58 ≒193mm、ということになります。 必要光路長がDに近い数値になることは、以前から何度もご指摘してまいりましたが、今回もあまりに近い数値で、自ら苦笑してしまいました。
 ただし、これは、余裕を全く見ていない数値ですから、いくらかの余裕を確保しないといけません。
27mmの余裕を見ると、193+27=220mmのバックフォーカスを確保すれば良いことになります。
 従って、鏡筒のカット量=220-148=72mm  ということになります。
  何だ!、意外に短いなあ!、たった7㎝の短縮か?F値換算の “1” にも満たない!
  まあ、逆に言えば、GoTo架台を左右鏡筒の間に収納してしまう考えが、意外に無謀なものではなかったということの傍証であり、喜ばしいこととも言えます。EMS-ULも極端に長くなることはなく、標準のヘリコイド仕様のセットアップに対して、ヘリコイドの両端に12mmのスペーサーを配置(左右合計で4個のスペーサー)することで、D=194mmに最適化します。
 私の頭の中には、明瞭な完成図がすでに描けていますが、やはり鏡筒が2本載った所をお見せしないことには、皆さんは納得されないと思うので、最後までやってみますね。
 今回は、原理の検証なので、性能なんで糞食らえです。アポに拘らずに、アクロにしたものそのためです。この方法で、BINOが実現するのか?というのが最大のテーマです。テストに使用する架台が脆弱なのは百も承知です。(これが成功すれば、要求基準に合わせて、鏡筒や架台をグレードアップすれば良いだけの話です。ただ、(マニアの性癖ですが)アラを探すよりも、機材に合った使い方をすることで、それなりに楽しめるものだということも言えるのですよ。)