MAINTENANCE OF THE EMS MIRRORS / EMSミラーのメンテナンス

From top…..;

0. You can use blower spray to blow the dusts off on the mirror. But be careful not to blow the liquid of the spray on the mirrors.

通常の清掃には、エアーダスターをご使用ください。ただし、スプレー缶内の液がミラーにかからないように ご注意ください。 使い始めのスプレーや、缶を斜めにしたりすると、液が出やすいのでご注意ください。 また細い先ノズルがエアーと一緒に抜けて吹き飛ぶことがありますので、事前にその部分はセロテープで補強しておいてください。

1. When you mistakingly blow the liquid on the mirror, or you find the mirrors dirty after long period of time; wipe the mirror with tissue paper soaked in absolute ethanol.

スプレーの液を誤ってミラーにかけてしまった時や、長期間のご使用で、スプレーでは落ちない汚れが付着しましたら、 無水エタノールで浸したティッシュペーパーで拭いてください。無水エタノールは薬局で500mlが¥1,000少々で売っています。無水でないといけません。(素早く乾燥する必要があるため、エーテルを混合するとさらに良いが、エーテルは署名捺印が要り、注文となるでしょう。無水エタノールで十分です。)

2. Of course, you should take off the sleeve and the filter to access the second mirror.

当然ながら、第2ミラーにアクセスするために、まずはスリーブやフィルターを撤去してください。

3.and 4. If you don’t want to take the barrel off, you should at least unscrew off the entrance aperture. You need not a special tool to do it. You have only to hook your fingers to unscrew the aperture. When it is too tight to unscrew, you can use rubber sheet or something to protect your finger.

バレルの分解が億劫な方は、遮光環だけでも外してください。遮光環を外すのには特殊な工具は要りません。 ただ指をひっかけて矢印の方向(右ネジが緩む方向)に強くねじるだけです。 固くて緩まない場合は、ゴムシート等で 指を保護して行ってください。(必ず緩みます。)(左手にデジカメを持って撮影に苦労していたら、遮光環が裏返し になっていました。^^;)

5. Then soak the tisse paper in the absolute ethanol.

テッシュペーパーに無水エタノールを少し滲み込ませます。 別にこの容器を準備する必要はありません。

6. Don’t save on the paper. Never wipe more than one stroke. You should dispose the paper in each stroke. Of course, when you see any dust on the mirror, you should blow off the dust in advance of wiping.

But, you don’t have to be too nervous of hurting the mirror as long as the tissue paper is wet and new. The mirror surface has enough durability in wet-wiping because it is dielectlic over coated on the silver coatings.

この時、決してティッシュペーパーをケチらないこと。^^; 1ストローク拭いたら必ず捨てて、もう一回拭きたい場合は、新たなティッシュペーパーで同じことを繰り返してください。同じティッシュでの2度拭きは禁止です。

ただ、拭くこと(あくまで濡れ拭き)に関して、必要以上に神経質になる必要はありません。 EMSのミラーは、銀コートの上を誘電体膜で保護していますので、ここに書いたメンテくらいでミラー面が傷むことはありません。 むしろ、汚れを放置する方が有害であり、またせっかくの銀ミラーの性能が目一杯に発揮されません。

”目からウロコ”のEMS-BINOの光軸調整講座

これからEMS-BINOのユーザーになられる方には必見の項目です。

  EMS-BINO完成品は、出荷前に十分に調整してお送りしています。(EMSの光軸は輸送の振動くらいでは狂いません。) にもかかわらず、像の盛大な倒れを訴える方が 非常に多くいらっしゃいます。 これは明らかに寄り眼調整が原因しています。
(まれに輸送中に鏡筒自体が少し横に振れてしまっている場合があるかも分かりませんが、この場合は、決してEMSの調整ノブを 操作しないで、鏡筒を振ることで光軸の相対的な平行をほぼ復元してから、最後にEMSで微調整してください。とにかく、最初の組み立て時にEMSの調整を盛大に操作 しないといけない場合は、何らかの異常が発生したものとお考えください。この 場合に、敢えてEMSの調整を大きく操作しますと前例のような問題が生じます。)

  また、初期組み立てと調整の練習は、必ず明るい昼間に、地上遠景で行ってください。初心者の方がいきなり星野を 見ながら像の倒れの調整等をするのはまず無理です。

  繰り返しになりますが、左右の像が合致していれば光軸が合っている とは限りません。
 ただ、私たちの情報の主要な入り口である、眼からの情報については、私たちは 頑固なまでに確信を持ってしまいます。 これが調整の袋小路に入る原因なのです。

  「左右の像が合致しているから自分の調整に誤りがあるはずはない、像が倒れているのは動かない現実だから、 絶対に器械の方が狂っている。」と結論付けてしまわれるのです。

  上記につきまして、この項を含めて当HP内で繰り返し解決方法をご説明しておりますので、なにとぞご精読くださいますよう、お願いいたします。
(2003年1月31日)(2月20日、一部追加)

 EMS-BINOで遠くのアンテナを見た状態です。左右の像が完璧に合致し、視野中心を見ている限り、左右の視野円の不一致も ほとんど気付きません。
  さて、果たしてこれで本当に左右の光軸が平行になっているでしょうか。
 次の方法でそれを確認することが出来ます。

このチェックは、目幅が完璧に合っていることが前提になります。初心者の方で目幅が合致した感覚が 分からない場合は、目幅を正確に測定してもらい(眼鏡店等で)、ノギスでBINOの目幅を正確に設定してください。 (目幅は正確には瞳の中心から中心までの距離ではありません。個人差はありますが、それより1mmくらいは小さくなります。 進化途上にある私たちの眼の光軸(眼軸)と視軸は数度ずれているからです。)
(2004,5月3日追加) 

左の射出瞳

右の射出瞳

 眼をアイポイントから徐々に離して行き、上の写真のように、対象物の像が左右それぞれの 射出瞳に占める相対位置がほぼ一致していれば、初めて、「十分な精度で左右の光軸の平行度が出ていた。」と言えます。 (この時、絶対に顔を横にシフトさせてはいけません。本能的に顔を動かして目標を探してしまえば、光軸が平行でなくても 上の写真のように見えてしまいます。左右別々にウィンクする時に顔をしかめる人はこのテストの適性が低いと言えます。)

(2008年12月16日追記)ターゲット(アンテナ)が近距離ですと、当然ながら無限遠の対象(星)とは適正 位置が異なりますので、最終的には無限遠の対象で追い込む必要があります。無限遠に調整したBINOでは、 有限距離のアンテナは、鏡筒間隔分だけ内にずれているのが正解です。ただ、見ている対象に対しては、この 方法による調整が正解です。

左の射出瞳

右の射出瞳

 現実には、特に初心者の場合は前の写真のような理想的な状態であることはまずなく、この写真のように、大抵、 相対的に内寄りにずれています。この程度でも調整できていれば優秀な方で、初心の方の場合は、片方の対象が 完全に射出瞳から外れている場合の方が多いでしょう。
  この写真程度のずれであれば、地上の昼間の風景の美しさに十分な感動を与え、月面等の明るい対象を見ている限りは 観察者は光軸のずれを全く自覚しないでしょう。 しかし、光刺激の小さい微光星になると、視野の全ての星が二重星に なっていたりするのですが、初心者の場合はそれにすら気付かず、「昼間の景色には感動するが、星野では、単眼との差があまり無かった。」というような とんでもない感想も出かねないのです。^^;
  眼をアイポイントより数十センチ離し、右のEMSの調整ノブで前の写真の状態にすれば、左右の光軸は完全に 平行になるのです。このマニュアルに従っていただければ、調整にはわずか数秒しかかかりません。決して主観に惑わされずに、 自分の考えを付け加えず、忠実にマニュアル通りに実行していただくことが肝腎です。

右の像を上下に極端にシフト

右の像を左右に極端にシフト

 左右の視線をほぼ平行に保っている限り、EMSの調整ノブの調整量はほんのわずかで済みます。
 左の写真はY調整(上下方向)、右の写真はX調整(左右方向)を敢えて盛大に操作した状態を示しています。左右の写真とも、中心の濃い像が左鏡筒の像だとお考えください。
 まず、右の(以下”右の”を省略)像を上に大きく移動させると、像は右に傾き、下に大きく移動させると左に傾きます。(左の写真)
  また、像を左に大きく移動させると、左に傾き、右に移動させると右に傾きます。(右の写真)
   これで、寄り眼調整がいかに有害であるかがご理解いただると思います。寄り眼調整は、単に観察者の眼を 疲れさせるだけでなく、左右の視野の相対的な倒れも発生させるのです。出荷時に私が入念に調整しているにもかかわらず、 視野の倒れを指摘される場合のほとんどの原因が、ここにあるのです。
  眼の極端な癖を介入させない限り、EMSの調整機構は、視野の回転が影響しない 安全圏の範囲で十分にその目的を果たします。

(左右の像の倒れを調整する際には、わざと光軸を上下にずらしますが、その時、上の写真の傾向を理解した上で、 上下にずらした時の倒れが均等になるように調整するのです。)

       像の倒れの調整方法は”15cmF8双眼望遠鏡の使い方”の
       ”EMSの接続アングルの調整方法”をご参照ください。


2007年4月6日追記

調整原点と調整ストロークの中心とは関係ありません。

  右のEMSのXY 調整用の調整ノブの使用法につきまして、数年前より以下でご説明してまいりましたが、 タイトルの誤解が、誤った調整につながる一因だと感じましたので、ご説明を追加することにいたしました。

 原理構造を無理解のままに最初から鏡筒を分解される方が意外に多く、安易に復元を試みられる場合に陥りやすい失敗として、 調整原点を調整ストロークの中心に合わせてしまわれることがあります。 この間違いを犯されますと、常に光軸が狂った状態で BINOをご使用になることになります。

 調整ネジは、組み付けネジを兼ねており、どんどん緩めて 行きますと、やがて脱落します。 また、製作工程上、調整原点の相対位置(言い換えますと、調整域リミットの両端位置)は一定ではなく、製品ごとに微妙に異なり、上下調整と左右の 調整との間でも異なります。 以下のご説明に従って、調整ノブを正しくご使用くださいますように、お願いいたします。


2009年12月14日追記

 訂正が遅れましたが、下記の調整原点の問題は本年の4月より、右のEMSの第一ユニットのX-Y調整ノブに 原点位置を示すことにより、解決しております。

 また、上記では、アンテナのポールの垂直線を規準にしてお話していますが、その後の研究で、むしろ水平線を 規準にした方が、左右の像を分離しやすく、像の倒れの把握に有利であることが分かって来ました。

Adjustment of EMS-BINO / EMS-BINOの調整

Finished EMS-Binoscopes are free from the original adjustment, because they are carefully adjusted by Matsumoto before shipping. Especially those who had accepted the binoscope at my shop have proved that EMS-BINO will have no collimation problem by the vibration of the family car while carrying.

EMS-BINOはこちらで十分に調整して供給していますので、本来はユーザーサイドの初期調整は不要です。(X-Yノブでの使用中の微調整は別) 特にこちらで受け取られ、マイカーで遠路をお帰りの方は、車の振動くらいでは光軸が狂わないことも証明してくださっています。

Still, however, some of them have shown collimation problem by shipping. And in such a case, users should recover the collimation by themselves if you cannot afford to bring your troubled binoscope to my place. So, I reccommend you to carefully study at my website to master how to adjust the disordered binoscopes.

しかし、こちらで受け取られず、運送屋さん経由で納品させていただいた場合に、 たまに光軸の狂いや像の倒れを訴える方がおられます。こちらで説明を聞かれる方のBINOは狂わず、説明を 聞かれない方のBINOだけがどうして狂うのか、未だに謎ではありますが^^;、どちらにしましても、EMS-BINO の調整原理は極めて単純であり、復元も極めて簡単ですので、サイト内の説明をよくお読みになり、まさかの事態で 慌てないようにしていただければ幸いです。

Assume that the left 500yen coin is the image of the left telescope. In condition that the XY image adjuster has not lost the original position, I can judge the objective end of the right telescope is misalined in the left-down direction. In other wotds, you have only to pan the right scope in the same direction as the right 500yen coin.

上の写真は、左の500円硬貨が左眼の像と仮定します。EMSのXY調整ノブが原点を見失っていないとしますと、 右の鏡筒先が左下に振っている状態で、言い換えれば、右の500円硬貨が逃げているのと同じ方向に鏡筒先を 振れば左右の像を合致させることが出来るわけです。
さて、合致させたのが次の画像です。

This is the merged image by the above adjustment. You will still find something odd in the above image. Yes, the left 500yen coin leans to the left, and the rihgt one to the right. In other words, the left and right image of the vertical lines form the “V” shape. So, I call this tendency of the error “V error”. And the counterpart error I call is “/I”(lambda) error. Now, you know that collimation is one thing, and image inclination is quite another.

何だか変ですね。双眼視のコンポジット効果どころか、だぶったような像ですね。 最初の画像に返って見てください。左の500円硬貨は天方向が左に倒れ、右の硬貨は右に倒れていますね。 これを私は『V字傾向の像の倒れ』と言います。
像の倒れの調整は、光軸の平行調整とは別個に必要なのです。

Above image shows the inclination-adjusted and collimation wanted condition.

上の画像では、像の倒れが綺麗に修正されています。(修正方法はサイト内で反復説明しています。) (像の回転調整が光軸の平行調整とは全く独立的に行えることが、EMSの特筆すべき特長なのです。)

The image below shows the condition both collimation and inclinations are rightly corrected.

倒れが修正された状態で鏡筒を正しく振ると、下の画像のようになります。

この画像は、実際に半透明の2枚の画像を処理ソフトで重ねた物です。

像の回転は、EMSを構成する2つのユニット(望遠鏡側と眼側)の接続アングルの調整で自由自在 になります。
この事を先日ご説明した方が、「そんな事をしたら、EMSが曲がってしまうのでは??」と 心配なさっていました。^^; 左右のEMSについて、対称的に修正しますし、調整量は眼に見えないほどの微量なので、 心配無用なのです。
それから、最初にトライされる時は、常に極端に回して見て、回転方向を見極めることが 大切です。 像が回転する原理さえ分かれば、しめたものです。^^
(見ながら追い込むのは一人では 難しいので、目分量で動かしては仮固定してチェックし、追い込んでください。調整作業の結果、生じるEMS全体の倒れは後で 望遠鏡接続部を修正すれば良いのは言うまでもありません。)

要するに、EMS-BINOは復元調整自在なシステムであるということです。説明文を読むのがどうしても 面倒臭い方は、やはりこちらまでご足労いただく必要がありますね。^^;

(たまに遭遇する、説明が理解できない方のために、どうすれば理解していただけるのか、試行錯誤しています。 最終的な物とは言い難いので、この原案を取り敢えず日記に残しておくことにします。)

Here is the study-tool of the image-inclination adjustment.

同日追記: 重複になりますが、サイト内の該当説明を参照しない方が多いのでは?との危惧から、特別サービス^^; で、像の倒れの修正方法の新たな教材を用意しました。 下の画像をご覧ください。

1.Unscrew the three yellow arrowed set-screw, and the connection of the two units of the EMS is released, and you can rotate the units with each other. Take the most care when you unscrew the last screw so that the eye side units that is slightly blued will not rapidly drop down.

2.Rotate the whole blued part quite a bit in the same direction of that you want to rotate the image. Red arrow shows the rotating direction to correct the inclined image shown at this sample.

3.Of course, you should reversely do the same adjstment on the opposite scope. Don’t forget to screw the set-screws after finishing the adjustment, too.

機種により異なりますが、15cm-BINOの場合は、EMSの眼側ユニットは、目幅クレイフォードにジョイント用の オスのテーパー部を挿入し、黄色い矢印の先端辺りの3箇所のM3のセットビス(芋ネジ)で固定しています。 従って、そのネジを緩めれば、接続が解除されるわけです。もちろん、いきなり3つ共緩めて、脱落事故に 至らないように細心の注意が必要です。

さて、最後の3つ目のセットビスを慎重に緩めると、水色の紗をかけた部分全体が双方向に回転できる状態になります。 上のV字傾向の倒れを修正する場合は、赤い矢印の方向に回転させます。
つまり、像を回したい方向と、眼側ユニットを 回転させる方向が同じなのです。当然、鏡対称で、右のEMSの眼側ユニットも同じ調整をします。
微量とは言え、この調整の結果、アイピーススリーブは上が寄り添う形で相対的に傾斜することになります。 今度は、EMS全体を少し回して元の位置に戻せば良いのです。
左右共にこの修正を施し、像をチェックし、まだ不完全 であれば、また元の調整に戻り、追い込んで行きます。

文章にすれば面倒に聞こえますが、慣れれば、 回転量と像の回転角の関係も感覚的に理解できるようになり、長くても数分以内で完了する作業です。

双眼クイズも合わせてご覧ください。

Adjustment of the connecting angle / EMSの接続アングルの調整

The photo is the customized EMS-L for the binocular use.

Put the EMS on the right-angle gauge. (A desktop and a wall can be a substitute.) You see the eye-side surface doesn’t touch the wall closely.(red arrow)

Then,unscrew the three set-screws (blue arrow in the photo) and fix the connecting angle untill the both sides of the EMS will touch the floor and the wall.
(The place of the three set-screws are different from the types of the EMS. Please consult me when you cannot identify the screws.)

直角面定規(机面と壁面等が代用できます)にEMSを載せます。
この写真では、接眼側の端面が垂直面に密着していません。
第2ミラー(接眼側)の3ヶ所のセットビス(青い矢印)を緩め、
両端面がそれぞれ水平面と垂直面に密着するようにします。

This photo is the finished stage of the upper adjustment.

Note the both sides of the EMS closely touch the gauge surfaces. At this stage, the image-inclination adjustment is almost perfect.

Even if some image-inclination should exist at this stage, You can adjust the image angle up to perfect by subtlely adjusting the viewing angle, for example, to shift the right angle toward 89dig. or 91dig.

This is one of the excellent features of the EMS.

Though the above adjusment is done by me, and the users will not have to do that by themselves, I explained that because I would like you to learn one of the remarkable features of the EMS.

上の調整後、両端面が定規に密着した状態です。
この時、両端面が直交し、同時に2つのミラーケース底面、即ち2枚のミラー面も直交しています。
この調整によって、左右の像の相対的な倒れの調整がほぼ完璧になります。
万一、この調整後に像の倒れが多少残る場合は、仰角の微調整で完璧まで追い込むことが出来ます。
これは、EMSの特筆すべき特徴の一つです。

この調整は、ユーザーの方にはほとんど不要ですが、
EMSの原理を理解していただく意味でご説明しました。

仰角の調整と左右の像の回転の関係

This is the diagram drawn to explain how the images rotate in accordance with the change of the viewing angle referred above.
“A” positon is that of the right angled, “C “position of the straight viewing.

上記調整で調整原点に復帰することが出来ます。
万一、調整原点に復帰しても、左右の像の相対的な倒れが完全に解消
しない場合は、左の図から仰角の調整と左右の像の回転の関係を学習
していただいた上で仰角を微調整してください。
画像は90度対空から直視までの変化を示していますが、90度を越え
る方向に仰角を増やして行けば、像が逆方向に回転することは、容易に
予想できるでしょう。
左右の像の相対的な倒れが、左右の像の天が開いたV字傾向なのか、
その逆の八字傾向なのかを見極めてから、その逆方向に補正するのです。
左右の像の片方だけが余計に倒れているように見えても、あくまで左右のアイピースの平行が保たれるようにして、視野の相対的なずれを補正することに徹してください。

BINO-QUIZ

( 1 )

left image                         right image

If you were to correct the trouble in the photo only by turning the component telescopes, which do you think is the right prescription?

A: Turn the left telescope a bit to the upper left, or the right telescope to the lower right.

B: Turn the left telescope a bit to the lower right, or the right telescope to the upper left.

( 2 )

Which do you think is right?

A: The inter ocular distance is incorrect.

B: Collimation is not correct.

C: Both A and B can be an answer, we cannot tell which is right in the photo.

( 3 )

Which do you think is right?

A: It’s not a trouble of collimation, but only the inter ocular distance is far too wide.

B: Collimation is incorrect. Turning the two telescopes to the converging way is one of the remedy.

C: Collimation is incorrect. Turning the two telescopes to the diverging way is one of the remedy.

( 4 )

Looking at the Jupiter, the further the satellite the wider the separation occurred while the Jupiter itself was merged. Which do you think is the most appropriate prescription? Winking the eyes, the lower of the left end satellite was proved to be the image of the left telescope.

A: The angles of the mirrors of the EMS seems to be in disorder so complicatedly that it would be better to leave it to Mr. Matsumoto.

B: To change the viewing angle of the EMS slightly to the 91degrees’ direction, keeping the eyepiece barrels parallely, will be a perfect remedy.

C: To change the viewing angle of the EMS slightly to the 89degrees’ direction, keeping the eyepiece barrels parallely, will be a perfect remedy.

The answer: 1=B, 2=B, 3=B, 4=B

BINO-QUIZ(双眼クイズ)

第1問

左鏡筒の像       右鏡筒の像

単体調整済みのEMSをセットした左右鏡筒を双眼に組み立て、左右のアイピースを別々に覗いたら、上図のように見えた。

これは、右鏡筒を基準に考えると、左鏡筒が( A )を向いているので、
左鏡筒を( B )向きに修正するか、右鏡筒を( C )向きに修正する必要がある。

A,B,Cに当てはまるものを以下より選択せよ。(同じ語を何度使用しても良い)

(右上、左上、右下、左下)

(初期調整時の鏡筒の平行出しの問題)

第2問

友達が自作した双眼望遠鏡を覗いたら、上図のように目標が左右にだぶって見えた。

上記の診断として最も正しいものを答えよ。

A:目幅が合っていないことが考えられる。
B:光軸が合っていないと考えられる。
C:上記A,Bのどちらも理由になり得るので、区別できない。

第3問

上記双眼望遠鏡を調整し、やっと像を合致させることが出来たが、
視野円が上図のように大きくダルマ状にずれてしまった。

上記の診断として最も正しいものを答えよ。

A:像が合致しているので、光軸は合っているが、目幅が大きく狂っている。

B:左右の光軸が、視線が寄り眼になる方向に狂っていて、これを鏡筒を振って直す場合は、左右の筒先(対物側)を開く方向に調整する必要がある。

C:左右の光軸が、視線が寄り眼になる方向に狂っていて、これを鏡筒を振って直す場合は、左右の筒先を閉じる方向に調整する必要がある。

D:左右の光軸が、視線が拡散する方向に狂っていて、これを鏡筒を振って直す場合は、左右の筒先を開く方向に調整する必要がある。

E:左右の光軸が、視線が拡散する方向に狂っていて、これを鏡筒を振って直す場合は、左右の筒先を閉じる方向に調整する必要がある。

1~3問の解答

第1問:A=左上 B=右下 C=左上
第2問:B
第3問:C

解説

ユーザーアジャストの双眼望遠鏡を使う上での最低限の常識を問題にしてみました。光学理論以前の常識ですが、アジャスタブルな双眼望遠鏡を作り始めて10年以上を経過し、基礎的な部分での誤解が誤った調整に繋がるケースが目立つことを痛感しましたので、このような問題を作成してみました。

第2問についてですが、これも90%以上の双眼初心者の方が誤解している問題です。
改めてペーパーテストにすれば、正解を出せても、現場では、特に左右の像が左右に拡散してだぶっていれば、大抵本能的に目幅を狭めてしまうものです。
”目幅が狂っていても光軸が合っていれば像はだぶらない。”という鉄則をまず覚えてください。 もう一度、「目幅と光軸は無関係!」です。

第3問については、左右の鏡筒の平行度が完璧であっても、観察者が輻輳した状態でEMSのX-Y調整をやってしまうと、同じ症状が表れるので、注意が必要です。
このような場合は、直ぐに器械を疑うのではなく、まずは自分自身の輻輳を疑ってください。
この状態で鏡筒をいじってしまって迷宮に入り込むケースがほとんどです。
ただし、無限遠で調整済みの双眼望遠鏡を至近距離に向けた時は、第3問の図の状態になるのが正常です。(adjustableな双眼は常に完璧な状態に   調整出来ますが・・・)(それと、最近は少なくなりましたが、視野環がずれた粗悪なアイピースでは、永久に視野円が重なりません。(偶然左右のアイピースが等量だけずれていれば別ですが))

調整の袋小路(迷路)に入ってしまうのは、必ずしも知識が足りないことその物ではなく、むしろ理解しているという思い込みが原因です。

第4問

木星を覗いたら、上図のように、本体はちゃんと合像するのに、 外の衛星ほど余計に上下に分離してしまった。
ウィンクをして見ると、最も左の衛星について、左鏡筒の像が下側にあることが判明した。

これについて、最も正しい診断を選択せよ。

A:これは、EMSの内蔵ミラーの角度が複雑に狂っているもので、ユーザーの手には負えないなので、MATSUMOTOに再調整を依頼すべきである。

B:左の像が右の像に対して反時計回りに回転しているので、左のEMS全体を左鏡筒の光軸の回りに少し反時計回りに回転させれば補正できる。アイピースの平行度が少し狂うが、実害は無い。

C:これは、”15cm双眼・・の使い方”で説明している、左右の像の天地方向が相対的にV字(逆八の字)傾向になっている例で、左右のEMSの対空角度を90度から91度の方向(対空角度が大きくなる方向)に微調整することで補正できる。
この時、左右のアイピーススリーブの平行度はキープすることが出来る。

D:基本的にはCの通りだが、左右の像の倒れのV字傾向が、左右対称的でなく、片方のみが余計に倒れているような場合は、像の倒れは修正できても、左右のアイピーススリーブの平行度はキープすることが出来ない。


第4問の解答
正解=C

解説

本問は、やや上級の問題です。 Bの方法でも像の回転を補正できますが、正しいのはCです。
調整量がわずかなので、最初はどちらに調整したら良いか迷うことと思いますが、こういう場合は、  常に極端なモデルを想定すると指針が分かります。”15cm双眼望遠鏡の使い方”の 中の”EMSの接続アングルの調整”の図を見ながらやれば簡単に出来るはずです。
左右の像の傾きが対称的でなくても、相対誤差を補正することのみに集中すれば良いのです。

この例に限らず、調整装置が連続的に双方向に機能し、誤差を逆傾向に持って来ることが出来れば、 必ずその中間に存在する正解に持って来ることが出来るということです。

ここでご注意いただきたいのは、未熟な観察者が極端に輻輳(寄り眼)した状態で右のEMSの X-Y調整を極端に操作して合像させますと、この状態が起きます。他項でも説明していますように、 このX-Y調整機構は微分的に成り立つもので、厳密には視野を回転させながら弧状に像を動かすので、 誤った使用は禁物です。

トラブルが発生した場合には、その診断に確信が持て、調整の指針が分かっていることを 前提にして調整してください。 指針が分からずにやみくもに各所をいじくり回すのは、 道に迷った人が、地図上の自分の位置が分からないのに動き回るのと同じです。
この調整で迷宮に入り込み、外国からEMS接眼部一式を再調整のために送り返して 来た方もありました。
(現行仕様のEMSには、XYノブにリミッターを装備していますので、上記のような迷宮に入り込む心配は解消しています。)