MEGREZ90-BINO

 2006年12月23日いつもお世話になっている北軽井沢のキャンプ 場でMegrez90BINOで星を見ました。 天の川が楽に見える素晴らしい環境です。 天気は時折曇った時もありましたが、概ね晴れていて星を堪 能する事が出来ました。

 Megrez90BINOで見る散開星団は星像が小さくシャープで、色も 忠実に再現されていて思わず「生きていて良かった!」と思い, しばし時を忘れてその美しさに見入ってしまいました。 松本さんや、BINOを紹介して頂いたスノーさんに感謝していま す。 Megrez90BINOで見るhχやすばるは素晴らしいです。

夜半過ぎは春の銀河観測に没頭しました。 M81、82、M108、フクロウ星雲、M106、M109、M101、M51、M63 、おとめ座銀河団など楽しみました。 9cmとは思えない成果で、生まれて初めて見た星雲もありまし た。

 明け方は水蒸気が多く、ソンブレロ星雲は確認できませんでし た。思ったよりも寒くなかったので、水蒸気が多かったのかも しれません。

 9cmだと銀河はやや迫力不足を感じました。 銀河用に12cm又は15cmBINOが欲しくなりました。  惑星・散開星団用にMegrez90BINO、星雲・銀河用に12cm又は15cmBINO を使い分けたいと思います。 フィルターも欲しくなりました。 こちらは研究課題です。

後日4mmのアイピースを使い155倍で金星を観測しました。 155倍でもEMSのXY調整を少し動かすだけで簡単に両目の星が合 致します。 素晴らしい機構です。これからも高倍率での惑星観測や低倍率の星雲星団観測を楽し みたいと思います。

 最後にBINOの素晴らしさを列挙します。

①長時間(一昼夜)観測していても大丈夫な位楽に観測できる。
②宇宙の奥行きを感じる事ができる。(3次元的に見えます)
③対空双眼鏡と比べて低倍率から高倍率まで使用できる。
④ミラー2枚で正立対空を実現している為非常に抜けが良い星像。
⑤EMSによって2本の望遠鏡の調整が簡単に短時間に出来る。

などがあげられます。

 BINOは宇宙を楽しむ究極のお気楽望遠鏡だと思います。 これからも宜しくお願いします。                         スタークラウド 宮野

Comment by Matsumoro/ 管理者のコメント;

 宮野さんは旺盛な情熱とエネルギーで頻繁に遠征観測なさっているので、 今後も体験を重ねてBINOのエキスパートになってくださることを期待します。
この度はすばらしいリポートをありがとうございました。

「スノー」さんが ”新型15cmF5-BINO第1号機” のリポートをくださいました。(2006年11月23日)

新型15cmF5BINOの1号機が届きました。 12cmF5BINOからのステップアップとなります。 打ち止めと思って購入した12cmBINOでしたが、これが素晴らし過ぎて、半年で、遠征すること十数回、晴れれば自宅観望と 嵌ってしまい、むしろ加速して15cmに辿り着いてしまいました。

 届いた日に自宅にて軽くファーストライトを行い、先週末に観望会に参加しディープスカイによるファーストライトとなりま した。写真は左が 15cmBINO、右がお世話になっているショップの方(私の12cmBINOで感染されたようです・・・)の Megrez90BINOです(これもスーパーBINOで素晴らしい絵を見せてくれます)。

 さて、新型15cmBINOの特徴は①鏡筒プレートが無く鏡筒バンドを繋げて支持していること、②ハンドルが鏡筒に直付けになって いること、③クレイフォード接眼部がオリジナルになっていることです。①と②は写真の2台のBINOを比較するとよくわかります。

 まず、①ですが、当初は鏡筒バンドの締め付け具合がわからず、いつの間にか光軸がずれていることがありましたが、 適切な締め具合が見つかってから光軸の変化が無くなりました。むしろ、鏡筒バンドを緩めて鏡筒を捻って行う光軸調整は実際に 行うと非常にやりやすく、従来20~30分かかっていた光軸調整がものの数分で終ります。また、従来の鏡筒移動式の目幅調整 ですと、不意に左鏡筒を触って、平行に動いてしまうことがありましたが、新型では鏡筒が固定されており、EMS部のヘリコイ ドで目幅調整しますので非常に快適です。
 低倍率では眼の補正力でカバーできますので、他の方に少し見てもらう分には、 目幅とピントの再調整を繰り返すことも無く、各自のピントのみ合わせて頂くだけで問題ありませんでした。総じて軽量化も 進み、バランスが良く想像以上に軽く持ち上がります。非常に進化した印象を持ちました。

 次に②ですが、顔下に空間に余裕が出来たこと、ピント位置とハンドルが近く手の移動量が減ったことなど、実際に使用してみ ると、非常に快適になっております。また、持つ幅が広くなり、望遠鏡を振り回す軽快感が一層高まっています。私見ですが、 見た目にもシンプルになって格好良くなっています。ひとり悦に入っております(笑)。

 ③に関しては、口径確保等の光学的な問題の解決にも繋がっていそうですが、実際の操作感も素晴らしいものがあります。 従前の12cmに付いていた純正のラックピニオン式繰り出し装置と異なり、非常に滑らかな操作感となっています。バローを挟んで重量が増して もその滑らかさは変わりません。おかげでピント合わせが非常にスムーズになりました。またまた私見になりますが・・・(笑)、 オフブラックに塗装されており、非常にカッコえ~です。ここの高級感が一番高かったり。。。。

 以上、新型で進化した部分の感想です。次に、実際に覗いた時の印象ですが、既に多くのレポートがありますので、12cmとの 比較の上で簡単に報告いたします。まず、印象的なのは強烈な明るさです。そのおかげで、散開星団などでは、奥行きが非常に深 くなった印象を持ちました。また、網状星雲では細かい襞までよく分かります。バラ、北アメリカ等の散光星雲も強烈に迫ってき ます。12cmと15cmでは一段ポテンシャルが異なります。

 その中で、強い印象を受けたのが銀河です。12cmでもM81、82、その お伴星雲を同一視野に見ながら、M82の爆発銀河の様子がよくわかったのですが、15cmになるとM82の不規則形状が一層強烈に浮か び上がります。きれいなM81と不規則なM82が同一視野で対照的にポッカリ空間に浮かんでいる様子は、宇宙の奥深さが感じら れます。同口径の単眼では想像できない、大口径ドブとは異なる世界がそこには広がっています。更に感動だったのが、 かみの毛からおとめ座にかけての銀河群でした。BINOを流すだけで次から次へと無数の銀河が飛び込んできます。視野の中は 銀河、銀河、銀河、銀河・・・と数え切れません。超広角で低倍率でありながら、無数の銀河を容易に視認することができます。 まさしくハイコントラストな屈折BINOの本領発揮です。無数に漂う銀河を眺めていますと悠久の時の流れを実感します。

 このよう に銀河を相手にしても15cmBINOであれば潜在的なポテンシャルは相当に高いと期待できる結果となりました。 12cmよりターゲット が一層広がることは間違いありません。他にオリオン星雲やアンドロメダ、すばると他の方々にも覗いて頂きました、総じて良く 見える、すご~い、きれい~、欲しい~と、高評価を頂きました(自画自賛!笑)。

 こうして15cmBINOのファーストライトが無事終了しました。12cm時代からの経験も踏まえると、低倍率の時は、大抵の場合、 目幅調整無しに多くの方に簡単に覗いて頂けます。また、一般の方々でも星雲星団を容易に視認でき、無数の星々に圧倒され 感動してもらえます(単眼時代には「がっかり」されることが多かったのですが・・・)。つまり多くの方々と一緒に楽しむこ ともできる望遠鏡だと言えます。正立超広角ハイコントラストのおかげで、等倍ファインダーだけで次から次へと簡単に対象が 導入できます。覗く姿勢も楽です。

 また新型になって、鏡筒による光軸調整が容易になり、接眼部のピント合わせも楽にな りました。つまり、15cmF5BINO新型の操作性は従来の12cmより一層ビギナーに優しくなったと感じます。もちろん、大きく重 くなっているのですが、座布団に包んで折りたたみ2輪カートに対物側から載せて運んでいますが、移動による振動で光軸がずれ ることもありませんでした。架台に載せる力があれば、15cmF5の使用は問題ありません。天文ファンに限らず、アウトドアライフ やスローライフの延長で宇宙の無限の時間を感じたい方にもお勧めできる望遠鏡です。朝に見た雪を頂く浅間山を覗いた時も 最高の迫力でした。恐ろしいほどの視野の抜けの良さ、対象の立体感は双眼鏡の及ぶ所ではありません。ますますBINOライフ にどっぷり浸かって行きそうな予感です(既に浸かっている?笑)。                      スノー

追記:11/28 先週に引き続きディープスカイ観望を目的に遠征して参りました。いつもの遠征場所はそろそろ凍りつく季節になります ので、冬眠前にと・・・(笑)
 今回は、時間に限りがあり、メジャーなものを一通り流した後に、オリオン座周辺を対象に散光星雲のテストを行いました。 レンズに夜露が付くことはありませんでしたが、鏡筒が凍りつくほど厳しい冷え込みで、非常に濃い天の川が見られるコ ンディションの夜空でした。アイピースはEWV32mm、左に UHCフィルターを、右にOⅢフィルターです(1枚しかありません ので・・・泣)。
 観望したものは、バラ星雲、オリオン星雲、ワシ星雲、もみの木星雲、エンゼルフィッシュ星雲、モンキー星雲です。 低空は若干の光害にかぶっている中で、観望できたのは驚きです。もみの木星雲は恒星との間の暗黒帯が、モンキー星雲はお 饅頭形状にくびれが明瞭に認識できました。ワシ星雲は長細い襞にしか見えませんでした。馬頭星雲は認識できませんでした ・・・残念!!更に暗い空が必要かもしれません。いつか再度チャレンジしたいと思います。
 上記以外にメジャーなものでも収穫がありました。網状星雲やオリオン星雲の強拡大です。沈みかけの網状星雲を50倍近く で見ると、もうそれは複雑な襞の形状が見られました。非常に繊細な印象の星雲です。90倍近くのオリオン星雲は、ガス雲の 中に放り込まれたような気分になります。ガス層が何層にも重なって複雑にうねっており、絹のようにガスのベールを感じで見 ることができました。また、プレアデス星団の恒星を取り巻くガス雲も印象的です。下部の方に広がりがあって写真のイメージ に近い絵です。このように見えたのは初めてで、しばらく見惚れておりました。
 以上の通り今回のテストは短時間ながら先週を上回る成果を得ました。対象の中には、この観測地ではドブを持ってしても 困難な対象が含まれています。それが、存在だけなら容易に、中には形状の認識までできる星雲があったことには驚きました。 両目で見るため、特段の集中力も不要で、気楽に探索が出来ます。15cmBINOのポテンシャルには驚かされます。 これからの活躍がまたまた楽しみになった夜となりました。(スノー)

 私信(★松本との交信):12/2 
 上記の追加リポートをいただいた時の私信部分の掲載につきまして、スノーさんのご了解を得ました。

11月28日:
> > たいしたレポートではありませんが、よろしければ追加下さい。

★ 掲載の件、承諾くださって、ありがとうございます。

>> > > 自分の感じたホットな気分(体は極寒でしたが・・・笑)をもう少し上手く 伝えられればと思うのですが・・・・

★ それは文章という手段が持つ宿命的なもので、読み手のキャパも大きく関係 するので、感動が100%伝わらないのは、やむを得ないと思います。少なくと も、私が読むと、BINOの醍醐味、凄さがビシビシと伝わりますよ。

>> > > それにしても15cmBINOには驚かされます。12cmBINOとも大きな差が あり、以前愛機だった15cmF6.5屈折や15cmF10マクカセの単眼から は想像できないほど別次元の世界を見せてくれます。星を見るのは機材単体の性 能が半分、人間の認識力が半分と感じます。機材の単体性能を追求するのも良い ですが、最近の機材は安くても一定の水準に達しているだけに、人間側の潜在力 を引き出す方が効率的なのでしょうか。

>> > > そういう意味でBINOは人間側の認識力を大きく引き出す為、結果的に非常に 効率的に観望の幅を広げる望遠鏡だと最近は思っております。

★ ここまで理解されましたか。感覚的には体感しても、上にご指摘の点をきち んと文章にしてくれた方はまだいなかったような気がします。
 世の中は、まだ机上の光学性能を、収差曲線等だけを持ち出し、重箱の隅をつ つくような議論ばかりが横行しているような気がしますが、比較する光学系が一 定の水準を保っているという前提の下では、上にご指摘の要素の方が圧倒的な効 果を発揮するわけです。

  たとえば、単眼の視力がそれぞれ0.7程度の人が、両眼では1.0くらいの視力 が出る場合が多いことは、私は本業のメガネ業から日々経験していますが、これ は、言い換えますと、単眼で100倍で見ているのと、双眼で70倍で見ているのと がほぼ同じ大きさに見えるということです。
 双眼視否定論者が机上論から「望遠鏡自体の分解能が単眼、双眼で変わるはず がない。」と言います。 確かにそれはその通りですが、それは議論のすり替え であり、それは「望遠鏡はゆらぐ大気の底で生身の人間が覗くものだ」というこ とを忘れた議論だと思います。
 現実には、より低倍で同じ効果が得られる双眼視の方が、はるかにシーイング の悪影響を排除できるのであり、双眼視の生理的なコンポジット効果とそのこと (倍率の実効値)が相乗するのです。

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;
 スノーさんが、新型の15cmF5-BINOのリポートをくださいました。 何台ものEMS-BINOを使いこなして来られただけ あって、製作者の意図を雄弁に代弁してくださいました。

 鏡筒バンドで2本の鏡筒を連結する方式は、今回が初めてではございませんが、「BINO製作状況速報」でも触れました通り、 今回は、今までの経験を活かし、運搬用のハンドルを基本構造の一部に取り込む事で、剛性のアップと軽量化を同時に実現い たしました。構造は至って単純ですが、製作にはいくつかの秘訣がございます。

 スノーさんは、1組のEMSと1つの眼幅調整台座を共用されて、12cmF5鏡筒とFS102鏡筒を随時換装されながら2種類のBINOとして活用して おられましたので、換装の度に、製作者の初期調整の作業をされていたことになり、その熱意と到達された技量には感服いたします。

 しかし、ここでスノーさんが引用されました、”20~30分かかっていた光軸調整”という意味は、その作業の事であり、通常のEMS-BINOの 使用では不要な作業ですので、誤解のないようにお願いいたします。
 私が今まで製作して来ましたEMS-BINOは基本的にユーザー調整は不要ですので、 よろしくお願いいたします。(アイピース交換時のアイピース起因のずれをEMSのXY調整でわずか補償するのみ)

 新型の15cmF5-BINOのねじれ調整の方法も、普通はユーザーの方が使用されることはなく、バランス調整のためや、 鏡筒の分解等の必要が生じた際に、バンドを締め直す際のみに必要になるものです。これはBINO製作時のメーカーサイドの 初期調整とお考えください。 今回の新型の15cmF5-BINOの光軸の安定性は、鏡筒を固定したことも貢献していますが、 クレイフォード式のフォーカサーが操作の円滑さとガタの無い剛性を同時に満足していることもその大きな理由です。 特に、クレイフォードの原理構造上、ドローチューブの回転ガタが皆無であることのメリットはBINOにとって計り知れないものがあります。

 15cm-BINOの見え味について、スノーさんならではの、実体験を元に説得力ある解説をしてくださいました。 15cmというのは、口径の一つの節目のようで、ずっと以前ですが、 某天文アマチュアの重鎮の方が、「15cmクラスのEMS-BINOは、日頃30cmクラスの単眼の望遠鏡の見え味に慣れている者をも唸らせる。」 という意味の事をおっしゃいましたが、スノーさんの今回のリポートでそのことを思い出しました。

 この15cmF5鏡筒は、中国製のアクロマートですが、その明るいF値や口径の大きさから、古典的な常識からしますと、大味な見え味(たとえば集光力のみ目立って、 像の精度が甘いというような)を 予想し勝ちですが、どっこいそれは多くのユーザーの方々が証言しているように、少なくとも低倍での眼視性能は、市販の大型双眼鏡などは 比較の土俵にも上らせないほどのものがございます。私が初めてこの15cmF5鏡筒を手にした時、同社のF8鏡筒と並べて 昼間の景色を同じ30mmクラスのアイピースで見比べた時、むしろ前者の方が明るくシャープな印象を持ったくらいでした。(倍率 が低いからですが、低倍性能に於いて、F値が小さいメリットが発揮できているということです。)

 今、冬に向かった季節ですが、季節がめぐりましたら、またぜひ夏の天体についてのリポートも楽しみしていていますので、 スノーさん、よろしくお願いします。

 スノーさんがさっそく追記をくださいました。 スノーさんは12cmBINO以来、極めて 高い稼働率でBINOを活用してくださっていて、興味深い私信もたくさんいただいています。ご本人の了解をいただいた上で、 近日中に一部をご紹介できたら、と思っています。(11/28)

FS102-BINO

 12cmF5のBINOを所有し始めて日も浅いというのに、手元の望遠鏡をBINO化してしまいました。それほど、12cm F5BINOの衝撃は大きいものでした。

 さて、BINO化したのはFS102です。この鏡筒で見る、単眼時での惑星のシャープさとコントラストには素晴らしいもの があり、以前は自宅観望のメインとして使用しておりました。12cmF5BINOに接して以来、FS102の双眼で見る月 ・惑星はどれほど凄い画を見せてくれるのか想像する日々でした。そこで、思い切ってもう1本購入し、BINO化した次第 です。

 さて、梅雨の合間を狙い、天気予報と睨めっこする週末が続きましたが、ついにチャンスが巡って参りました。前線はやや 南にあり、日本海側方面は晴れ予報、大気はやや不安定なものの、こうした時は、標高の高い場所では短時間でも雲海の上 に出る可能性があります。出撃です。

 現地に到着すると、霧が出ているものの、薄らいできます。直ぐに組立て、高く上がった天の川の観望体制に入ります。 EWV32mmで覗くと、針を突付いたようなシャープな微光星が迫ってきます。単眼以上に明るいせいか、痛いほど目に付き刺 さるような星々の輝きです。そして流していると、北アメリカ星雲が飛び込んできました。ややもやった空であるものの ノーフィルターで十分に見れます。そのうちに、霧が再び出始めました。慌てて、ネビュラフィルター装着し、天の川を 南下します。そして干潟星雲へ・・・・おぉぉおお!絹のような繊細な星雲構造が見えます!!ドブ以来の迫力です。 そして、急いでフィルターを外し、M6、7へ。散会星団の美しさはアポならではと言うぐらい、繊細な輝きを見せます。 そのうち、東から霧が覆って来ました。ざっと実観望時間30分程度ですが、FS102BINOの実力の片鱗を感じとれた日 となりました。

 そして、数日後、仕事から帰って駅を降りると、晴れています!!木星です!!急いで帰宅し、即、組立て観望体制に入り ます。
 まずは、PL20mmで木星を覗きます。プローセルですが、テレビュー製で、抜けの良さと、シャープさ、望遠鏡を選ば ない汎用性で、実は最も気に入っているアイピースです。広角を求めないならば、安価で非常にお勧めです。 さて、木星ですが、倍率40倍、十分に模様が見れます。低倍率、衛星、模様、BINOの立体感が相まって、本当にポッカリ 木星が浮いているように見えます。少し気流が安定しないようですが、UW4.7mm約170倍に上げます。気流がピタッと とまる瞬間、恐ろしいほど、うにゃうにゃした模様に彩られた木星が浮かび上がります。「口径10cm?倍率170倍? 嘘でしょう!!」。双眼装置で見るより、矛盾するようですが、立体感と平坦さが両立して、非常に自然な立体感で見え ます。また、12cmF5と違い、まだまだ倍率が上げれる余裕を感じます(アイピースへの物欲が・・・)。色収差も少 なく、両目で見ているため、長時間でも疲れません。ひたすらシーイングの良くなる瞬間を待てます。

 こうして、星雲星団、惑星と楽しんだ次第です。後は、お月様ですね・・・

 さて、12cmF5との比較も交えながら、ポイントをまとめますと、

①星雲の迫力は口径差があり、12cmの方が上に感じます。一方で散会星団は、シャープさがあり、色が楽しめる FS102です。むしろ最強の兵器かもしれません。

②月、惑星は口径差が小さいこともあり、長いF値を持ち、かつフローライトであるFS102が圧倒的です。また、気持 ち良さもFS102が圧勝です。

③一方で、調整はFS102の方がシビアになります。星像が鋭い分、周辺まで非常に気になります(覗きたくなる?)。 遠征時は、現地で、30分も鏡筒の位置の微調整を続け、ミラー調整前の光軸調整に時間を掛けていました。遠征時は明 るいうちに現地に着きたいですね。

④重量も、長さもFS102は楽なものではありません。逆に12cmF5は口径を考えると、驚くほど軽量、コンパクト だと言えます。したがって、自宅FS102、遠征は12cmF5が中心となりそうです。

⑤対象や好みによっては広角アイピースが必ずしも良いわけではありません。特に2インチ超広角アイピースは視野の制約 がないと思えるほど覗き回れる分、アイポイントが安定せず見やすいものではありません。楽に見るには、自分のポイント に合わせたアイカップを作成するなどの工夫が必要かもしれません。一方で、テレビューのプローセルなどは抜けシャープ さとも抜群で、コストパフォーマンスは高いと思います。視野も狭い分、アイポイントが安定し、楽に見えるメリットは大 きいと感じます。単眼時には感じなかった問題で、BINOの良さは低倍率超広角が得られる面にあるのも事実ですが、対象に よって使い分けるのも良いかと思います。

 最後に、FS102はバックフォーカスに余裕があり、非改造で、10分で鏡筒換装が終ります。このようなことが出来るの も、EMSおよび架台の汎用性の高さゆえです。シンプルな構造と楽な調整が相まってなし得る楽しさです。対象により長焦 点アポと短焦点アクロを使い分けるのは、BINOの楽しみの幅を大きく広げます。

 さて、目の前にボーグが転がっています。超軽量BINOが出来るかも・・・・(笑)

スノー

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

スノーさんが、初めての12cmF5BINO(アクロマート)を入手されてから、快進撃を続けておられます。

 最初のBINOの完成時に、わざわざ当方まで対面に来てくださいましたが、スノーさんの探求心と吸収力には、 目を見はらさせられます。

 元の12cmF5鏡筒とFS102鏡筒は、最大径が同じくらいなので、EMSも台座も共用が出来ます。ハンドルのロッドのみ、 少し長いのをお作りしました。

 自分で作って(組み立てて)みる、というのが、EMS-BINOの原理を理解するための好適かつ最終のレッスンだと思います。  スノーさんは、それを1か月ほどでクリアーされたわけです。 BINOの耐性菌に取り憑かれられたようで、ごしゅうしょうさまです。^^;

 続報を楽しみにしております。

FS102-BINO; Mr.Mario, Spain

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

Mr.Mario,Spain, has successfully completed in assembling the EMS set with telescopic materials into a splendid BINO-scope. I must admire his feat with the BINO-SCOPE all the more for the fact that there was a language barrier between us and limited information in my web-site available for him.

125ED-BINO on Equatorial / 赤道儀仕様

松本さんから12.5BINOをうけとってから、約10年経過した今レポートを記すこととなりました。 そのきっかけは今年の3月に自宅を新築した際、思い切って観測室を設置したことです。 今までは自宅から歩いて3分の所の畑にスライデイングルーフ式の観測所があり、ここに設置していたのですが これで愛機と同居ということになりました。

場所は三重県の最南端で昨年世界遺産に指定された熊野地方です。この地区は日本の中で指折りの交通不便なところで、 それゆえ観光地でありながら乱開発されることなく自然が残り、星空の美しさも自慢の一つであります。特に天の川は クッキリと見え星々の集まりであることが肉眼でもよく分かります。 立地している場所は小高い山の頂上に位置し360度パノラマで東側に海があり、1年中日の出が見えます。

BINOは鏡筒がボーグ12.5 f8 アイピースはPENTAX LX7 14 28 40 赤道儀がミタカGN-170です。 性能の割には非常にコンパクトにまとまっており、楽に振りまわすことができ、 天頂を見る時は床にあぐらをかいた状態で接眼部が目の高さに来ます。 鏡筒は対物レンズ部と接眼部と回転装置部の3体に分解でき、それらを外して雲台プレートを乗せ替えること で写真赤道儀になります

肝心の見え味はシャープの一言です。ゆっくりと天の川の中を散策していると、二重星が多いことに驚かされます。 両目で見るということは微妙な部分がはっきり分かるものです。この部分の説明は他のリポーターの方達が充分されていま すので割愛させていただきます。

自宅に観測室があることのメリットは計り知れません。2階にある自分の部屋から階段を上って入ります。夜中でも明け方で も見たい時に最高の機材で見ることができることは幸せなことです。

写真で分かると思いますが10年経った今もバランスのよさ、美しさは変わりません 今となっては松本さんの作品の中で初期に分類されるものですが、ここに原点があるように思えます。

2005年8月8日   仲 賢

Comment by Matsumoto / 管理者のコメント

本日、三重県の仲さんより、お手紙と写真集入りのCDを郵便にて受け取りました。  ご連絡先が分からず、掲載の詳細を決められませんが、 あまりに写真集が素晴らしいので、先に写真だけを掲載させていただくことにいたしました。

ご投稿いただいたBORG125ED-BINO(赤道儀仕様)は、十年ほど前にお作りしたものですが、この度、お住まいの 新築と同時に観測所もご自宅に引っ越されたとのことで、改めてご投稿いただきました。 動画を含む多数の画像を お送りいただき、これだけに絞るのに大変苦労しました。似た写真もありますが、これ以上はどうしても割愛できませんでした。

このBINOは、私が今の工作手段の半分くらいしか持たない頃に、全身全霊を込めて製作したもので、久しぶりに対面させていただき、 感無量になりました。率直に言わせていただいて、今見ても、付け加える物は何もないほどの完成度です。 回転装置は、外リングだけを外注し、他は全て私が発案、加工したものですが、ガタは皆無で、ジャイロスコープのように 円滑に回転し、クランプ機構も備わっています。 最初は無垢の板材から大型旋盤でくり抜いてもらっていたリングでしたが、仲さんのモデル の頃からは木型を外注し、一皮大きなリングを鋳造してもらい、それを旋盤で加工するようにしていました。

(8月8日追記) 本日、仲さんよりリポートをいただきました。 改めて、十年の月日の早さにおののきます。   前のみかん畑の中の観測所も、BINOが美しく収まっていたのが印象に残っています。 本来なら、サイト開設時に真っ先 にリポートをお願いすべきだったのですが、日々の仕事に追われるまま、月日が経ってしまいました。

仲さんは富士山写真家としても有名で、最も遠い距離から撮影された記録保持者としてテレビ出演されたこともありました。 謙虚な方で、今回は具体的な観望の感想を割愛されましたが、機会がありましたら、またぜひ投稿をお願いしたいものです。   仲さん、懐かしいリポートを本当にありがとうございました。

SKY90-BINO

≪はじめに≫
 産業革命発祥の地、英国テムズ川にてビッグベンからグリニッジ天文台へ通ずる 遊覧船がある。たいそうな髭を生やした船長はジョークを交えながら語り、遊覧船 は煤けた大きなアーチの元をゆっくり進んでいく。 しかし、おおよそその地の裏、豪州では、白銀に光り輝く巨大なアーチが音もな く赤い大地をほのかに照らし、沈むことのない南十字がキリストの慈愛のごとく優 しく見つめている。ティーポットに映る対日照は朝食までの残り時間を知らせてく れ、巨人の舌のように天頂高く突き上げられた黄道光は、小さな星雲・星団達をこ とごとく一飲みにするほどの明るさであった。

 言葉にしても表現しきれないオーストラリアの空。日本ではどんなに空が良くて も残念なことに銀河中心部が天頂に来ることがありませんが、ここでは暗黒帯が複 雑に入り組んだ巨大なエッジオン銀河が横たわり、煌々たるバルジが天頂に来ます。 よく星明かりという言葉がありますが、驚いたことにこの地では天の川にて影が出 来るのです! 手のひらを銀マットにかざし動かすと、真下に影ができ同調して動くのです。こ んな最高の空の元でごろりと寝ころび、銀河浴を楽しめるのは星見を趣味とする我 々としては最高の至福の一時でありました。

≪完成まで≫
 この夜空の元でEMSで天の川下りをしたい。これが今回のSky90Twinを作製した理 由です。鏡筒選定にあたって、トラベル仕様にしたいため軽量であること、広視界 が得られること、出来るだけ口径は大きい方がよいという欲張った要求がありまし た。幸いにも松本様のユーザーリポートにも掲載されております尾形様のSky90-BI NOを覗ける機会があり、Sky90に決心することができました。また,架台はTeleVueの F2経緯台を想定しておりましたが、これまた幸いにもインターネットオークション にて自作の軽量経緯台が出ており、その経緯台をベースに作製を進めることとしま した。

 作製の手順は以下となります。
  1.鏡筒・EMSの入手
  2.鏡筒・EMS・アイピース関連のつじつま合わせ
  3.架台設計

 まずは、双眼作製のスタートとして鏡筒・EMSの入手を行いました。この辺のディ メンジョンがわからないと3.架台設計が進められないためです。鏡筒はちょっとし た小さなこだわりで双眼を意識し、ステッカーが対称になるよう一方の鏡筒を反対 側に貼って頂くよう販売店の方にお願いを致しました。またSky90はf値が小さいた め焦点位置がシビアとなることから、接眼部は頑張ってフェザータッチフォーカサー に変えることとしました。鏡筒との接続アダプターを出来る限り切りつめたことに よりNagler Type4-22mmでも20mmほどのバックフォーカスの余裕を設けることが出 来ました。

 さて架台設計に移るのですが、ここからが慎重に行う必要があることろです。方 式は設計が楽な平行スライド方式を採用することとしました。目幅調整を如何ほど にするのか。57-72mmとし、最小値はEMSの幅で決まり、最大値は双眼鏡の目幅を参 考にしました。そしてエドモンド社の微動送り(±10mm)を松本様ユーザーリポート にも掲載されております井上様より譲って頂き、上記数値を鑑みて設計値中心を62 mmになるように鏡筒取り付け位置を決定しました。その時の鏡筒間隔は私の使用し ておりますEMS-Lで136mmとなります(EMSの黒色中間リングの長さによって多少数値 が異なってくるのと、使用していて最大値が74mmほどあった方が良いようですので、 数値を参考にする方は各自実測するようお願い致します)。

 上下回転の中心位置は、鏡筒下周りの金物を軽量に行ったため鏡筒中心より上側 にしております。これは下重心にすることにより天頂を向けた時、鏡筒が人側に倒 れることを防止することと、Naglerのような重いレンズが重心位置を上げてしまう ためです。細かな計算はあまり参考になりませんので回転軸周りの設計コンセプト のみ簡単に記載すると、45°傾けた状態でアイピースが合焦する位置でモーメント 計算を行います。アイピース交換等でモーメント量が変化することがわかっている ことから回転軸の摩擦を振り分けできるようにという配慮です。また合焦位置で計 算するのは、小型望遠鏡の場合長さが短いため、焦点以外に持っていくだけでもバ ランスが崩れ易くなるためです。

 ただし、これらの誤差は製作後の鏡筒の前後である程度とれますし、最悪わから ない場合はベースプレートを横縫いにしておき、回転中心を鏡筒上数十mmほどにな るように作製すれば、後ほどの修正も側面板の穴あけ加工のみで済むかと思われま す(今回のSky90では10mm、鏡筒下回りが重いほど鏡筒中心に近づきます)。

 最後に軽量化に関してですが、鏡筒の連結が容易且つ軽量な手段として、マグネ シウム合金の中判カメラ用のクイックシュー (Velbon QRA-667L)を用いました。目 幅調整を行う都合、移動プレートとベースプレートが必要となりますが、通常は付 け足しの発想となりがちですが、ベースプレートをくり抜き、そこに移動プレート を入れました。また移動プレートを保持する要素として、松本様も採用されている リニアブッシュを採用するのが安価かつ精度も確実なのですが、重量が重いためリ ニアガイドを使用する方法を採りました。2本前後方向に配置することによりその 方向の倒れを押さえ、さらに2連のガイドブロックにすることにより左右方向の倒 れを拘束しています。

 移動プレートとベースプレートの連結は小型アルミブロックを介して前出の微動 送りと連結しています。また鏡筒バンドに関しては、既製品は非常に重い且つ横に 張り出しているため特別に作製をお願い致しました。それにより元重量の半分以下 にすることが出来たのと、架台部左右幅が350mm程に押さえることができました。

≪観望≫  スッーと滲んだ光が点になった瞬間、そこはまさに別天地でした。アイリスのよ うに煌びやかに咲くエータカリーナ星雲。砂粒を集めたようなオメガ星雲。長くた なびくNGC4945。フライフィッシングを楽しむ釣人NGC2547。視野いっぱいに広がる 大・小マゼラン。どれをとっても来て良かったと思わせる瞬間でした。いつまで見 ていても飽きることはありません。広がりがあるのに中心の集光が凄い球状星団NG C104、不気味なタランチュラ星雲(Sky90ではどちらかというとかわいい子蜘蛛)、 南天にはすばらしい天体がいっぱいあるのです。

 しかし北天も負けてはいません。いて座付近の散開・散光・球状をはじめ、ハー ト形のアンテナ銀河NGC4038/4039、鋭く切り裂かれたM104ソンブレロ、M13と双璧を なすM5などなど。90mmでもビノのおかげで余裕で見えるマルカリアンチェーン、う みへび座NGC3311付近(Abell1060)の銀河団ですらたった90mmで見えるほどの空でし た。

 北十字が昇る頃、乳白色に輝く天の川が頭上を通過しクライマックスを迎えます。 しばし経緯台はお休みし、銀マットに寝ころびながら壮大な天の川を見ていると、 自分の小ささを思い知らされます。天の川と平行に寝ころぶと、天の川の光に吸収 されそうな錯覚さえ覚えました。

 天の川が傾きを持った頃、大きな窓を持ったEMS双眼で、あたかも宮沢賢治の 銀河鉄道の夜を奏でたのでした。10°程度しか昇らない北アメリカ星雲やγ星付近 の散光星雲も、UHCフィルターを用いれば難なく見えてしまいました。徐々に高度を 上げると、白鳥区の終わりであるアルビレオの観測所に到着。二つの大きなサファ イアとトパースの玉はどこまでも透き通っています。黒い空間に突如とポッカリ浮 かぶM27,賢治のマントを掛けるCr399コートハンガー、天文学者泣かせのM71を通過 した後、鷲の停車場に着きます。

 盾の散開を通過する頃から銀河の一部なのか星雲・星団なのかわからないほどに なっていき、M17のオメガ星雲にさしかかる。倍率を上げるとまさしく白鳥が優雅に 漆黒の宇宙に浮かんでいるようです。バンビの横顔(私はお茶の水博士に見える)は 写真のように見え、珊瑚礁に囲まれた南の小島M8でしばしバカンスを楽しんだ後は、 ζ星と色の対比が美しいNGC6231がある蠍の尾に至ります。盾からの暗黒帯が複雑に 入り組んだこのあたりは本当にすばらしいの一言です。

 そして、祭壇に飾られた球状星団NGC6352,6397を恐る恐る眺めた後、力強くもオ レンジ色に光り輝く二重星ケンタウルスαに目を奪われていると、そこはまもなく 終着駅の南十字星。漆黒なるコールサックの脇に輝く、決して手にすることは出来 ない宝石箱を眺めながらカムパネルラとジョバンニの旅は終わるのです。

≪主な仕様≫
鏡  筒:Takahashi Sky90 (f500mm、F5.6)
接 眼 部:Starlight Instruments, Feather Touch Focuser 2.0″ Travel
双眼装置:EMS-L
ファインダー :等倍ファインダー (Baader Planetarium, Sky SurferⅢ)
架  台:平行スライド方式(二連リニアガイド仕様)
目幅調整:57~72mm
上下範囲:-5°程~100程°
微動装置:フリクション固定、ネジ押し式 (上下・水平共)
三  脚:Berlebach, Report2042 (Vixen開止付)
使用接眼:Meade UW8.8、TeleVue NaglerType4-12mm、22mm、WideScan TypeⅢ 30mm、
Pentax XL40
総 重 量:15kg(三脚込、アイピース別)

≪謝辞≫  本双眼望遠鏡を作製するにあたってアドバイス等頂きました井上様、快く見せて 頂きました尾形様、加工部品の作製にご協力頂きましたコプティック星座館、遊馬 様、唐沢様にはこの場を借りまして心よりお礼を申し上げます。
 また、本オーストラリア旅行を本当に楽しい旅行にして頂きましたトラさん、村 山さん、同行した皆様、そして現地の皆様、心より感謝致します。

Okada

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

 Okadaさんが、オーストラリア遠征記を持参されたSky90-BINOの製作記を兼ねた、非常に 内容の濃いリポートをくださいました。 非常にコンパクトかつ優秀なBINOで、台座の精密な メカの写真からもOkadaさんの意気込みが伝わって来ます。

  一緒にお送りいただいた銀河の写真もインパクトがありますね。 実際にその中に浸れば、 人生観までもが変わりそうですね。 多大なエネルギーを傾注して遠征される意義が分かるような 気がします。

SKY90-BINO (Mr. Tsuji)

 松本さんに双眼望遠鏡の構造をいろいろお聞きしたのが去年(2006年)9月。12月末にヘリコイド式EMS-Lを納品してい ただき、今年(2007年)4月になりようやくBINOとして覗ける形になりました。簡単ですがレポートを送ります。

催眠誘導?
三重の大台ヶ原で見かけたSky90-BINOが最初に目撃した松本式BINOでした。そのときは「ずいぶん凝っ てるね~」「調整大変そう」という程度で、失礼ながらそれ以上の関心は湧かなかったのです。その後 数年が過ぎ、所属している同好会の方が作製したNerius80-BINO(愛称ヘビーノ)で富士山の測候所跡な どを見上げる機会があり「けっこう行けてるね~」となり、同氏が作製した双眼ドブソニアン(愛称ド ビーノ)やその方から影響された方の10cm屈折BINOなどが誘引剤として作用し、いつしか「お気軽観望 用にBINOが欲しいな~・・・」と感化されていったのでした。

コンセプト
星見遠征での基本スタイルは写真撮影です。せっかくの星空も撮影の合間に手持ち双眼鏡で見上げるだ けともったいない状態でした。車に載せた撮影機材のすき間に大型の観望機材を押し込むこともでき ず、撮影を始めればヒマをもてあます・・・。これでは趣味として長続きしません。といったところが BINOのコンセプトを考える元になっています。

イ) 見た目カッコよく! 趣味は形から
ロ) 気軽に持ち出せる小型軽量機材
ハ) 月・惑星から星雲・星団まで何でも見えること
ニ) ずっと使える耐久性

構造
「お気楽でもちゃんと見える」をマジメにやるとなかなか大変です。さいわいなことに双眼望遠鏡の世 界は松本氏やBigBino服部氏のサイトなどで詳細に説明されていますので何度も眺め返すと、ストレス のないBINOの特徴は単眼でも良好な望遠鏡としっかりした足回りの組合せがキモらしいとわかります。

本機は90mmの小口径BINOですが、よいタイミングでEMSのヘリコイドがペンタックスからボーグに代 わったことにより筒外焦点距離の消費が減り選択しやすくなったのと、全体の軽量化と調整項目を減ら す目的から鏡筒固定タイプにしました。眼幅調整はEMS中間筒に設けられたヘリコイドによります。鏡 筒間隔をD=156mmとすることで67mmを中心にして60~74mmに対応しています。また、合焦装置をFeather Touch Focuser に換装することで難物のNaglarType4-22mmをヘリコイドが最も伸びた状態でも約6mmの 繰り出し量を確保して合焦させられました(写真4)。

左右鏡筒の光軸調整は接眼方向から向かって左側を基準鏡筒にして、右側の鏡筒をファインダーと同じ 要領で前後3ヶ所ずつの押しネジにより調整します。初期調整時には200倍まで調整しましたがアイピー スの抜き差し具合でもズレますのであまり神経質に調整しなくても問題はありません。固定枠はズレが 生じないよう強固に造りましたので「象が踏んでも・・・」というほどではないですが、私が踏んでし まっても大丈夫でした。

架台はユーザーレポートにあるWenglar氏作製のTeleVue140-BINOが理想です。しかし、これほど潔くは なれないため、カッコだけ真似て細かいギミックを付け足して逃げています。まず、TeleVue F2経緯台 から軸受け部分と側板を流用し、メガネ状の鏡筒固定枠を耳軸部で前後にスライドさせて重量バランス をとれるようにしました。架台を載せる足は1/2インチネジが使える軸受けをつくりタカハシのEM200赤 道儀用三脚を使っています。とても丈夫です。もとのF2経緯台の軸受けに戻せば3/8インチネジになり 大型のカメラ三脚も使えるようになりますので海外遠征などはカメラ三脚仕様で行く予定です。

観望

イ)初期調整

初期調整のために見た春がすみでモヤッと白んだ昼間の景色はやはり単眼とは大違いでした。白んだ空 気が対流で視野の中を移動していく立体感がわかってしまいます。ためしに同じ状態で片目をつぶると 「アレッ?」というほど立体感が失われます。

ロ)ファーストライト

4月中旬に富士山近郊でファーストライトを迎えました。明るいうちに現着してケースからBINOを取り 出すと右側のEMSがヘリコイドと第一ミラーケースのつなぎ目で回転しているのを発見。応急処置で視 野の回転を合わせましたが、左右の接眼筒の位置が多少斜めになって視野回転が合う状態に。さらに片 方のSky90がわずかに光軸不良なのも発見。カスミがひどいのと合わせてファーストライトは不発に終 わりました。

ハ)再調整

Sky90はメーカー送り。EMSは松本氏のHPを参考に調整治具を作製してミラーの原点復帰を行い、数キロ 先のビルを見ながら捻れ角も調整。はたして、元どおり?になったSky90-BINOは200倍の高倍率でも スッキリした視界が確保できるようになりました。

ニ)本領発揮?

a)天の川22mmのアイピースをつけて23倍ほどの倍率で天の川下りをすると、天の川沿いの散開星団、散光星雲、 球状星団が次々と視野に入り、双眼鏡でもドブソニアンでも出しにくい谷間の倍率が今までにない新鮮 な視界を創り出します。さらに、単眼では片目を開いても閉じても左右の視野の明るさがちぐはぐにな り長時間見続けるのは疲れますが、BINOでは長時間の観望が楽になり目を離さずに次々と対象を移動で きるためまさにクルーズ状態です。時間をかけて覗けることで暗黒星雲の切れ込みもハッキリと追いか けられます。また、アポ屈折のスッキリした星像のおかげで散開星団巡りにはおそらく最高の組合せで はないか?という気がします。やはりユーザーレポートで皆さんが言われるように、NaglarType4-22mm は双眼望遠鏡に特別にマッチするようです。

b)惑星
200倍で見る土星は輪の影がスパッとエッジの立った状態で土星本体に落ちているのがわかります。輪 の傾きが寝てきているのでカシニのすき間は1/4周ずつ両サイドに確認できるだけですが、両眼視によ る安定感から経緯台での追尾にもストレスは多くありません。今シーズン、南天低い木星はフェストー ンがうねうねとしているのが容易にわかります。模様のわかりやすさは20cmニュートン反射のMT200と ほぼ同じなのにはビックリです。さすがに口径が小さいので模様の色は淡いですが、これだけハッキリ 見えれば気が向いたときにサッと出せる機材としてはじゅうぶんです。

c)月
口径90mmともなればじゅうぶんに眩しい月が見え、それが双眼視によって色彩情報も昼間の景色のよう にハッキリと感じられるようになります。月の海にこんな色あったっけ?クレーターから伸びる光条ど こまで続いてるの?といった感想がでるほど色彩豊かな月面が広がります。クレーターの中を見るよう な高解像度は口径の限界で無理ですが、BINOによって得られる安定感とより確認しやすくなる多彩な色 によって飽きのこない楽しさが長続きします。片目で月を見ていた頃はアイピースから目を離すと効き 目だけ暗順応が無くなって違和感たっぷりだったのですが、BINOでは両目とも等しく暗順応が無くなる ので違和感無く周りが見えなくなります。

以上、長々と書いてまいりましたが、Sky90-BINO作製にあたり先達の方々のレポートや作例を参考にさ せていただけたおかげで、かなり満足できるBINOを完成させることができました。松本さんをはじめ参 考にさせていただいた皆様に感謝いたします。また、本レポートが次にBINOを作製される方の参考にな れば幸いです。ツジ

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写真の説明

●(写真7)富士山新五合目にてユーザーリポートに出られているスタークラウド宮野さんのMegrez90-BINO、 OkadaさんのSky90-BINOと偶然にも居合わせまして90mm-BINOを3台並べて記念写真を撮り、雑談などさ せていただきました。

●(写真6)同じ同好会の方のNerius80-BINO(愛称ヘビーノ)とツーショット

●(写真5)収納ケースに使用している東洋リビングのドライバッグF-47

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;

 「Sky90-BINOを鏡筒固定のヘリコイド仕様で製作したい」、とのご希望を最初にツジさんからお聞きしたときには、 Sky90鏡筒の場合はバックフォーカスの確保が難しいことを理由に、標準の鏡筒平行移動方式をお勧めしました。しかし、その後の交信から、ご計画が無理解に基づく 単なる思い付きではなく、綿密なプランに基づかれたものであることを知り、了解いたしました。

 ツジさんが描かれた詳細で美しい図面を拝見し、私もご計画の成功を確信し、安心してお手伝い出来ました。 写真をご覧になってお分かりのように、実際に仕上がったBINOも見事な物です。BINOのメカに関心を持っておられる方には、説明は 不要かと思いますが、念のために少しコメントさせていただきます。

 耳軸がアリミゾになっており、BINO本体のアリガタとの接続位置を調整することで、前後バランスを瞬時に調整できるようになっています。 カウンターウェイト等の余分な構造や追加重量を排除した優れた方法です。 その他にも優れた工夫が詰まっていて、”見事”としか言いようが ありません。

 EMS-BINOの目幅調整は、鏡筒自体を平行移動する方式と、ツジさんの例のようにEMSの2つのユニットの間隔をヘリコイド等で伸縮させる方式の 2種類があります。 私としては、小型のBINOには前者が適し、大型のBINOには後者が適すると考えていますが、構造をよりシンプル にして軽量化を図る上では、諸条件が許せば後者が有利になるようです。ただし、後者の方式では、目幅調整でピントが移動しますので、 大勢で観察する場合は前者の方式の方が便利かも分かりません。
 剛性については、トータル的には作り方次第で、必ずしも どちらが有利というわけではないと思います。 ただ、市販のヘリコイド自体がそう頑丈な物ではありませんので、 大型のBINOについては、今後は目幅調整用のヘリコイドの代わりに、当方オリジナルのクレイフォード方式に移行する準備を具体的に進めています。

 ツジさん、素晴らしいリポートをありがとうございました。
  これからBINOに入門される方の中には、あまりに凄すぎて、ひるんでしまわれる方もあるかも分かりませんが、 何事も一朝一夕には実現しないものです。 理解度や工作技術の達成度に合わせて、無理の無いご計画を立てられることを お勧めします。具体的には、まずは標準の仕様のBINOをご計画になることをお勧めします。

12cmF5-BINO

 2004年12月に、SCHWARZ120S-BINOを松本さんに注文し 今までいろんな場所に持って行き星空を楽しんでいました。 見え味は、素晴しく自宅にある30cmの望遠鏡より使う回数が 多くなったかもしれません。 しかし、今まで使っていたBINOの合焦機構は、微妙な調整が出来て よかったのですが、アイピースの交換の時やフィルターの取り付けの時に 調整するのに意外と時間がかかっていたこともあり、せっかく新しい アイピースを買ってもあまり使うことができませんでした。そんな時、たまたま見た山内さんのHPで、新型のクレイフォードが私のBINOにも取り付け が出来ることを知り、これだったら私でも微妙な調整が出来るような気がして 早速、リフォームするために松本さんに注文いたしました。

 2週間ぐらいで届き、G.Wが終わった後に取り付けをしました。 松本さんから、「もしかしたら望遠鏡側の穴とクレイフォード側の穴がピッタリと合わない かもしれません。」と言われていましたので大丈夫かなぁと思っていました。 やはり、取り付けの時穴が合わなかったのですが、そんな大きなずれではなかったので 松本さんに言われていたとうりに望遠鏡側の穴を少し削り何とか取り付けることが出来ました。

 そんな時、星見仲間から連絡をいただき今年初めての蔵王坊平に星見に行ってきました。 リフォームしたばかりのBINOを使い、春の銀河を久しぶりに楽しんできました。

 今まであまり使っていなかったアイピースも使ってみましたが調整がとても楽になりました。 リフォームして正解でした。使い方は、前と同じなのですが私には新型のクレイフォードの方が 調整しやすいみたいです。操作もとてもスムーズです。倍率高めで見た球状星団とても綺麗でした。

 自宅にある30cmの望遠鏡で夏になると球状星団巡りをするのが大好きなのですが これからは、BINOで空のいい場所で球状星団を楽しむことが多くなりそうです。 ますます30cmを使うことが少なくなりそうです。

松本様、今回最優先で加工していただきありがとうございました。

稲村陽子

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 稲村さんに第4世代のSCHWARZ120S-BINOを納品させていただいてから、2年半が経ちましたが、随分と長い期間のような、逆に短いような不思議な感じがいたします。 「EMS-BINOは常に進化しています。」と言えば一見格好良いのですが、私はもともと機械加工のプロではありません ので、以前の自分を振り返りますと、いつも顔が赤くなる思いです。本来なら、無償でリフォームをお引き受けすべき なくらいに思っているのですが、営業を考えると、残念ながらそういう訳にも行きません。^^; にもかかわらず、こうして パーツのみお送りし、ユーザーサイドで立派に取り付けて光軸を再現してくださったことに、敬意と感謝の気持ちで一杯です。

 写真をたくさん送ってくださいました。選んでくださいとのことでしたが、どれも意義のある写真でしたので、ほとんど全てを 掲載させていただきました。 稲村さんの観測室(写真1)を初めて見せていただきました。 スライディングルーフの観測室の 外にも広いベランダがあって、大変合理的で使いやすそうな観測所ですね。

PH130-BINO

 PH130-BINOを製作していただき、ありがとうございました。 完成から2ヶ月経ちGWに、やっとファーストライトとなりました。 この2ヶ月の間、出張の為ほとんど自宅にいない状態と、 いても(雨男ではないけど)晴れない男ぶりに感心してしまう状況でした。

 EMS-BINOを初めて知ったのは、今から3~4年程前でした。そのときに、” これが自分にとっての理想の望遠鏡” と思い、ネット上の関連した所を巡り、FL102をBINOにと思い貯金を開始し ましたが、FL102の販売中止・・・。 時が経つにつれ、いろんな事を考え始め100mmアポがいいか150mmアクロが いいか。それとも100mmをEDにして 150mmアクロと1つの架台で2種の鏡筒を使えるようにしてもらおうか。など妄 想していた頃にPH130の販売を知り、 FL102の事があったので、買わずに後悔するよりはという思いから購入し製作の お願いとなりました。

 届いたPH130-BINOの大きさは予想してはいましたが実際に見て持ってみる と大きいです。 2階の部屋から1階への持ち運びにちょっと苦労してます。 そして、最大の問題は車に入らないことです。無理な体勢なら入れることも出来るの ですがカーブ・ブレーキ等に対して 影響が有りそうで今の車ではダメです。車が変わるまでは移動しての観望はおあずけ となってしまいました・・・残念。

 ということでファーストライトは自宅前となり。1年半前までの自宅前は畑で空の条 件は良くはない けど人の目も気にせずにゆっくり観望できたのですが。今はアパートという条件悪の 場所となり、 アパートや駐車場の明かりとヘッドライトやテールランプによって浮かび上がるBI NOの雄姿が 艶やかに写し出され、アパートの住人がチラッと見ている視線を感じながら、まずは 30倍弱で見ると・・・空が白いです。

 仕方がないので惑星の観望に変更です。まずは土星に向けてみますとさすがに100 倍程度でもいい感じに見えますが、 高度が低くなってきており、覗きと間違えられるのもイヤなので木星に移動します。 200倍程度でみた木星は、イイです。 スゴイです。今まで小口径でしか見たことがなかったせいか、模様がこんなにもウネ ウネしていて衛星が木星表面に突入して いくし大赤斑が裏に隠れていくのを感動し見続けて、気がつくと木星だけで2時間以 上も経っていました(恐ろしいや)。 ちなみに気がついた原因はアパートの2階部屋の蛍光灯が点灯し光が差し込んできた せいで、カーテンが閉まる気配が無いので、 心の中で”何でカーテンを閉めないんだ~”と叫び撤退となりました。

 実際に使ってみて思ったことは、HF経緯台のリバウンドがちょっと大きい点(20 0倍程度までなら何とかなるんだけど) それと、左右の鏡筒に若干差を感じたのですが同時に見ると気にならない点です。 とにかく、EMS-BINOは自分にとって理想の望遠鏡になりそうです(車どうし ようかな・・・)。

横山

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 PH130は、凸玉にPHOTARONを使用した3枚玉だそうです。製造が中止されたのは、恐らく素材が入手できなく なったためかと思います。

  PHOTARONは、住田光学ガラスが製造したCaFK95と思われ、そうだとすると、凸玉は私の愛機の15cmホタロンと同じということに なります。CaFK95は、一般のEDガラスよりもフローライト(CaF2)に近い光学特性を持ち、従って光学性能もよりフローライトに近い ものが期待できます。

 私の愛機は2枚玉のF8ですが、横山さんのPH130は、F値は小さいものの、3枚玉ですので、少なくとも設計上は私の対物よりもさらに上の 性能が期待できるはずです。

  1991年、15cmPHOTARON-BINOを計画中に、私はポケコン(当時流行った電卓サイズのPC)のBASICで独学で光線追跡ソフトを作り、ビルトインの ミニロール紙プリンターで数値を打ち出し、それを手描きでグラフに表すという気の遠くなるような作業を経て 性能評価をしてみたことがありました。(当時のポケコンでは、1行の数値を打ち出すのに数秒かかりました。)

  相手ガラスで最高の結果を示したのはKzF5でしたが、その後にレンズメーカーに相談したところ、その硝材はすでに入手不可能であ ることと、たまたま、研磨、コーティング済みのKF3+CaFK95の15cmF8が2セット在庫ありとのことでしたので、 KzF5をKF3で妥協した組み合わせで計算してみました。
 すると、残存収差は理想値とは少し外れるものの、実用上問題ないレベルであることを確認し、 採用を決断したのでした。

  望遠鏡の性能が極限に迫るにつれて、架台も課題になって来ます。 フリーストップのフォーク式経緯台は、元来deep-skyを 低倍で流す前提での設計のようですが、私は、より高精度で大型の望遠鏡に対応できる汎用型のフォーク式経緯台を光学メーカーが 一日も早く発売してくれることを願って来ました。
 1991年に私が15cmPHOTARON-BINOを製作した時も、当時は信頼できる大型の自動追尾式 の架台として、ドイツ式赤道儀しか選択肢がなく、大がかりな回転装置を準備しなければなりませんでした。しかし、これから据え付けの 大型BINOを作る方には、2軸制御の経緯台をお勧めしています。

  光学メーカーは、十年一日のごとくドイツ式赤道儀の呪縛から逃れられないようですが、その目を覚ますには、消費者の方が 光学メーカーに対して、より強いメッセージを送ることが必要だと思います。 たとえば、望遠鏡のバックフォーカスやドローチューブ内径等に関しては、「ピントの出ない望遠鏡は買わない!」 くらいの強いご姿勢が求められると思います。