EMS-UMA of the shorter nose

 実は、左は眼側のフィルターフランジですが、接続バレルとしても使用できます。
望遠鏡側の事情(バックフォーカスが短く、ドローチューブ内径<2”)で短いバレルをご希望の場合は、御注文時にご指摘ください。(価格は、標準仕様と同じです。)

 ドローチューブ内径>2”であれば、光路長に影響はないのですが、望遠鏡側のバックフォーカスが短く、さらに2”が挿入できないドローチューブだと、問題が生じるわけです。

 ホームショップに置いてあるオモチャの天体望遠鏡ならともかく、老舗のブランドメーカーが2”が挿入できない望遠鏡を製造していること自体が、私には信じられません。罪作りだと思います。

 直視タイプの天体望遠鏡(屈折やマクストフ、シュミカセ)は、アイピースを直接挿入して使用するのは稀であり、たとえ2”アイピースは使わなくても、そこには対空視手段や撮影ユニットを接続するわけで、その接続径をことさら2”未満にするメリットがどこにあるのか???😡
 EMSは、開発時点で、汎用性を特に重視して設計しております。
 接眼部のフィルターフランジも外径2”、望遠鏡側接続バレルも2”、さらに、ハウジング(白塗装の部分)の開口内径も2”と、ユーザーサイドでのカスタマイズや応用に配慮しています。

Maintenance of the (smaller) Helicoid

 目幅ヘリコイドは、ロットの度に改良を重ねており、この数年間はトラブルのご報告はほとんどありませんが、メンテ方法は知っておいていただいた方が良いと思い、この画像をつくりました。
 ヘリコイドに回転ガタが生じるとしたら、このネジ(合計4本)が緩んだ時です。ごく短いプラスドライバーで緩んだネジを締めればガタは解消するはずです。
 当初のモデルは、4本の+ネジの内の2本は、ヘリコイド自体を分解しないとアクセスできませんでしたが、現行モデルは、4本全てのネジに、分解しないでアクセスできるように改良しております。^^
 直進ヘリコイドは、3層のパイプで構成され、互いに回転しないように、キー溝を小さいガイドチップが動くようになっています。
 そのチップを固定しているネジが緩めば、機構にガタが生じる、というわけです。機構は複雑ですが、原理は極めて単純であり、万が一の不調が生じても慌てる必要はありません。
 ヘリコイド自体は分解しなくて良いですが、ヘリコイドは取り外していただく必要があります。両端がテーパフランジになっていて、接続部品の3方のセットビスで固定しているだけですから、中学生でも分解簡単です。
 ただ、ヘリコイドは左右で逆ねじになっているので、分解したら、左右を間違えないようにご注意ください。(前後もね)

8-24mm Zoom tested on the Finder-BINO-50

私はもともとズームアイピースには興味はなかったんですが、遠くの鉄塔に止まっている鳥の種類は?と、またアイピースを交換してフォーカシングをするよりも、このミニBINOにはズームアイピースが便利だろうと、リーズナブルな物(SVBONY8-24ZOOM)を試してみました。
 手持ちiPnoneで炎天下の撮影であることを考慮してご覧ください。(スマホの隙間から太陽光線が侵入し、本来のコントラストが表現できません。)
 結果は、非常に良好でした。最低倍率での見かけ視界が少し小さくなるのは、ズーム一般の宿命ですが、その他は非の打ちどころがありませんでした。何より、常にアイレリーフが20mm近く確保できているのは、私の好みにぴったりでした。

 当初、倍率を上げた時のために、ファインダー台座をどこに設置しようかと、いろいろと準備を進めていたのですが、「ファンダーにファインダー?」ということもあり、ズームアイピースが閃いた次第です。^^

 低倍側でやや狭くなる見かけ視界も、このミニBINOのプリズムの小ささには合致しており、コントラストも向上するようです。視野円の円周がくっきり黒く縁どられるのは気持ちの良いものです。

 

Minimum IPD limiter is added (Finder-BINO)

 小目幅方向に限界を超えて送りネジを操作すると、ジャッキやバイスの原理で強力に互いの対物枠付近を押し合い、光軸がずれる懸念があるため、小目幅側のリミッターをセットしました。

Finder-BINO(50mm) completed !

 中央の送りネジと両サイドに2本のガイドシャフトと、回避すべきメカパーツが多く、配慮が必要です。
 左鏡筒が目幅スライド、右鏡筒は固定で、光軸の初期調整は、右鏡筒の2本の台座下スペーサーパイプを旋盤で薄紙をはぐように削りながら行います。
 低倍限定(25倍以下)と考えているので、使用中の光軸調整は不要です。
(オリジナルの状態は、ブラケット底部中央に1/4インチネジ1か所のみが切ってあります。今回は、それを挟んでM5のネジ穴を24mmスパンで施工しました。)

EMS-UL for the single use in the making

 ”Bino Progress Report”に単体のEMSの報告はおかしいのですが、まとめてここに投稿させていただいています。(コーナーの名称を変えるべきか?^^;)
 2セットのBINO用EMSを組み立てた後に、単体のEMSを組み立てると、その作業の楽なこと、楽なこと! 構成ユニットの数が8から2に減るのですから、当然ですね。
 写真から、ミラーのエッジが望遠鏡側、ユニット間接続側で突き出していることがお分かりと思います。それが、光路長に於いて、1+1<2 のマジックなのです。2枚のミラーが空間的に交差しているから可能になる芸当です。 

 最近の単体用EMS-ULは、光路長を2㎜短縮したことに加えて、極限まで大きい(長い)ミラーを使用しているために、左仕様をユーザーさまサイドで右仕様に正確に組み替えることが出来ません。右眼仕様をご希望の場合は、御注文時にご指摘ください。