
私自身が天文マニアで、現状の天文機材への不満から開発したEMSですから、パーツ類は、あらゆる応用を考慮して構成しています。
ただ、34年が経過しても、その辺の認知が不十分なのが残念です。名称がUMAですから、得体の知れない物と捉えられるのかも分かりませんが、存在も未確定なUMAと違い、こちらはご質問さえ頂けば、全てのご質問に即答いたします。^^;
Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
日英併記としましたのは、海外向けの他、国内の方にも、より多い情報量を効率良くお届けしたい(共有したい)からです。
両者は必ずしも同一内容ではございません。英語の方がよりストレートに表現できる場合もありますし、両言語で内容を補完し合っていることもございます。
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マウントからEMS-UL、アイピースまでスタンバイして待たされること1か月ほどでMK105鏡筒が入荷しました。 この手の普及タイプのマクストフが、惑星等、並の短焦点屈折を凌駕する見え味なことは、MAK127で体験済みで、「普通に作られた小中口径のマクストフ」が中高倍率の用途に有効なことは分かっていたので、高倍性能には全く興味がなく、どこまで低倍に迫れるか?何ミリの射出瞳まで利用できるか?ということだけが関心事でした。
せっかくBINOを作るなら、惑星だけだともったいない、それよりはるかに長時間観察する地上風景や星野散策でどれだけ快適に使えるか?
ご承知のように、マクストフは、F値が大きい。MK105の公称焦点距離=1365mmだ。
F値は、F13ということになる。この時点で敬遠するマニアも少なくないと思う。 しかし、現実はさらに厳しい。シュミカセも同様だが、この手の光学系は、屈折望遠鏡に例えると、主鏡が対物レンズで、副鏡がバローレンズになる。つまり、バックフォーカスを延ばすために、主鏡を前に出すということは、バローを前に出すのと同じで、合成焦点距離が長くなる。だからEMSに限らず、長めの光路長のアタッチメントを介すと、F値は公称値よりも大きくなる。(F10のシュミカセでEMS使用でF12くらいになるのは経験済み)
で、結果はどうだったか? EMS-ULにPLÖSSL-56mmを装着して射出瞳径をノギスで目測してみたら、約3.6mm、やはり4mmは難しかったか! 倍率は 105/3.6 ≒29倍。30倍以下は達成できた。
それから合成焦点距離を算出すると、1624mm、F15.5だった。
次に、ほぼ2インチバレル内径一杯のPLÖSSL-56mmの視野環が、許容できるレベルまで確保できるのか?(ケラレ) この視野のケラレは、望遠鏡のF値によって大きく変わることをご存じない方が多いが、実は、Fが長いほど目立つというジレンマがある。 そして、ケラレは予想よりも少し大きかった。
F5くらいの短焦点屈折なら、こうした細工は不要だということが分かっているが、F15だとさすがにケラレる。 この38mm絞を装着して、同じ山頂のアンテナを見たのが次の写真。
これで問題ないレベルまで視野縁が真円になった。
霧雨が降る中での、店の前の水銀灯のポール。錆びた部分の詳細の見え方が超絶だ。(iPhoneの手持ち撮影では再現できない。)
旧市庁舎の解体で見えるようになった、NTTの電波塔。当然ながら色収差の片鱗も見えない。
MK105の接眼部の構造の情報がなかったが、届いてみたら、簡単に対処できた。
接眼部31.7Φ用スリーブを外すと、42mmP=0.75のオスネジだった。(ほぼ予想通り)
有り合わせのパーツですぐに対処できた。
使用するアイピースの最長焦点距離は、それぞれに流儀があるでしょうが、このシステムで、38mmのイメージサークルが確保できることが分かりました。
しかし、いつも思うのだけど、もともと低倍が苦手なカタディオプトリック鏡筒、なぜ最初から2インチ対応にしておかないのかな?
これが先日納品させていただいた状態。もともと確保しておられた L 型ブラケットに搭載する前提でお作りしました。L 型ブラケット→ベースプレート→スライドメカと、3 階建てのイメージになって、重心が高くなってしまいました。
その後、軽量化のため、このようにセッティングを変更されました。
今度は対物側からの写真なので、BINOは右サイドで架台にセットし、目幅調整ノブは左手で操作する仕様になっています。
これで、イメージ的には、3階建てから2階建てに減築できた感じになりました。
(鏡筒バンドとアリガタの間のスペーサーが残念ですね。合焦ノブ等の干渉回避でしょうか?それでしたら、むしろ合焦点ノブを天側に逃がす等した方がすっきりすると思います。)
さらに軽量化を目指されたいとのことで、ベースプレート(とスライドメカ)のみを送ってこられ、肉抜きして欲しいとのこと。しかし、今度は片持ち使用のため、強度的に、肉抜きには制限がありました。
ご覧のように、肉抜きでのプレートの減量は、わずか86g。構造自体を変更することで、全体をよりコンパクトにして、重心を低くする方が使い勝手にはるかに貢献するので、アリミゾも後送いただき、以下のような抜本的なリフォームとなりました。
現在はEMS-UMBですが、将来的にEMS-ULでも使用できるように、スライド幅は十分な余裕を持たせています。
左のアリミゾがベースプレートから0.2mm程度のクリアランスを保ってスライドする機構になっています。 今度は、右のアリミゾがプレートにほぼ全面で固定できるため、剛性もアップしました。
右の鏡筒だけで架台にセットするため、右のアリミゾに大きなモーメント加重がかかるため、重要な要素です。