FOT104-BINO in the making-5/ EMS-UL SET in the making

このBINOも私の頭の中ではほぼ完成です。
 65Φバレルについては、10年以上前からサイトで事情をご説明して来ました。
基本、どのEMSにも65Φバレルはセットできますが、条件によっては制限があります。
それは、65Φバレルのツバとヘリコイドが干渉する場合です。(その場合は干渉部を少し削らないといけない。)今回は、D=177mmで、ヘリコイドの下に12mmの延長管を配置するので、65Φバレルのツバとヘリコイドが干渉する心配はありません。

FOT104-BINO in the making-4

 アリガタのバンド接続部を3.5mm(当初は3mmの予定)段差加工して、D(鏡筒間隔)を合計7mm短縮。また、天頂時にバンドの角が水平回転ドラムと干渉するので、そこもトリミング。
 この段差加工の大きな副産物は、バンドとアリガタの直角度が強力に担保されること。

鏡筒間隔を184mmから177mmに短縮
(標準の接眼部アダプターは撤去しますが、見やすいので、付けたまま撮影。)

右手前バンドの1時半、4時半、左手前バンドの11時半、7時半の位置に、ファインダー台座用のネジ穴を施工。下側のファインダー台座は、ハンドル兼ウェイトユニット用。

天頂まで向くのは、バンド角のトリミングの成果。

 ファインダー用アリミゾ(台座)をセットしてみました。
マイノリティーに配慮する世の中になりつつあるけど、望遠鏡業界は遠いようね。
左利きへの配慮はどこのメーカーもほぼ皆無だ。 都度、追加工するのだけど、これまた気付いてくれるクライアントがほとんどないのも悲しい。(アリミゾ台座のクランプネジの話)

FOT104-BINO in the making-3

鏡筒側のエンドアダプターを極短にすることで、44-18=26mmの光路短縮を達成しました。
前回ご説明したように、フランジでの短縮の16mmとで、合計42mmの短縮です。
2インチではなく、65mmにしたのは、次の写真で説明します。(当然、EMSには65Φバレルを装着します。)

 製作現場では、とかく予想外の困難に直面するものですが、一方で、予想外の幸運に恵まれることも少なくありません。何と、ドローチューブ内径が、65Φバレルがしっくりと入ることが分かったのです。
 極短のアダプタ―自体の65Φ内径部分は深さが8mmしかありませんが、奥のドローチューブの内径も65Φなので、極めて強固な接続が可能です。また、接続径が大きいということは、EMS全体が不用意に回転してしまうことを防ぐ効果が大です。(回転に対する固定が強い)

FOT104-BINO in the making-2

The flange cut short for securing the additional back-focus.
フランジを切除(内面ネジ切り)して、追加のバックフォーカスを確保。

違和感なく短縮できました。
結果的にさらに16mm稼げました。これから製作する最短の末端アダプターによって26mm短縮する予定なので、合計で42mmのバックフォーカスの追加確保が可能になります。

実測で148mmのバックフォーカスがオリジナルなので、190mmのバックフォーカスを確保したことになります。
 最終D=178mmの予定で、そのDで目幅60mmに必要なバックフォーカス=181mmなので、9mmの余裕(2インチスリーブ端面にピント位置がある場合)が確保できます。
 さらに、ショートタイプの2インチスリーブ(48mm)もあり、また、31.7アイピースであれば、EMS-UM用のアダプターもあるので、まず問題はないでしょう。

FOT104-BINO in the making-1

普通にバンドにアリガタをセットすると、D=184mm。これを出来る限り詰める必要がある。

MK105-BINOのEMS-UL(固定)を借用して撮影。
 この状態(MASUYAMA-32mm)で繰り出しを完全に縮退して無限遠に合焦。
D=178mmに詰めても目幅60mmだと33mmほどバックフォーカスが足りない。

 回転装置以降を全て撤去し、最短の2インチアダプターと換装すると26mm稼げる。
10mmの余裕を見ると、さらに20mmくらい詰めたいところ。