New standard of the Sliding Mechanism-2

原理の成功は確認できたので、より量産に向いた設計(&デザイン性の向上)を考察中です。
 よりコンパクトになり、軽量化にもなりました。
 少なくとも、当方の機械環境だと、丸棒から加工する方が効率が良いのです。

組立てみました。
 今回は前部のベアリングホルダーのみ交換しましたが、デザイン的にもすっきりしました。
 手前側のボールローラーホルダーもよりシンプルな構造になります。

これが最初の試作品。

The New Standard of the platform for a Binoscope / Putting a “period” to the long-years’ exploration

 BINO用の汎用台座(鏡筒平行移動タイプ)について、長年模索してまいりましたが、ようやく正解が見えて来ました。
1.鏡筒がVIXEN規格のアリガタで着脱できることが、まず汎用台座として重要な点だと思います。
  ユーザーさんが好きな鏡筒を使用でき、また複数の鏡筒ペアを運用することも可能になるからです。
2.目幅調整は、サイドよりも、手前のノブで操作できるのが望ましいようです。
  またノブを持ち替えずに一挙に大幅調整が完了するのが理想です。当例(ドライブシャフト6mmΦ)だと、一回転で18mm動きます。

3.初期調整は工場アジャストが従来の双眼望遠鏡の常識だったかと思いますが、敢えて気楽にユーザーアジャストが出来るように、調整機構を可視化しました。特に本例の右(リバーシブル)鏡筒は、工具レスで簡単に鏡筒の水平調整が出来るようにしています。長年この仕事を続けて来たことで、斜位の方が非常に多い(オウナーだけではなく、ご家族や観測パートナー、ゲストも含めて)ことを痛感したからです。また、カタディオプトリック系鏡筒のミラーシフトや、至近距離の観察も考慮しました。
(ゲストの方が複視を訴えたら、ゲストかあなたが斜位か、あるいは両方が斜位です。複数のゲストが複視を訴えたら、あなたはほぼ間違いなく斜位です。)

4. 目幅調整側のアリミゾユニットには、前側に4個のベアリングを配置していますが、手前側には敢えてベアリングの代わりにボールローラー(芋ネジの先端に回転球が仕込んである)に代えて、初期の上下調整を兼ねさせました。これは、製作する私の仕事の効率化だけではなく、ユーザーさんにとっても重宝する機能と確信します。

* 分解も至って簡単で、メカのプロでなくとも、敢えて分解して構造を納得していただくのも良いと思っています。(メンテが非常に楽)

(明日以降に、台座の裏側の写真もお示ししますので、さらにご理解が進むものと思います。)