
依頼者、お持ち込みの中軸架台。
それまで、アルカスイスパーツ仕様で、片持ちで小型BINO(ZEISS50-BINO)用の架台としてご使用でしたが、この度、Askar120APO-BINO用に、オリジナルの状態に逆カスタマイズすることになりました。
Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
日英併記としましたのは、海外向けの他、国内の方にも、より多い情報量を効率良くお届けしたい(共有したい)からです。
両者は必ずしも同一内容ではございません。英語の方がよりストレートに表現できる場合もありますし、両言語で内容を補完し合っていることもございます。
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レーザーコリメーターを図のようにセットして、スクリーン治具のセンターをビームが貫いています。
さて、これから何が言えるか?
まず、逆の場合から考えます。
1.図に反して、ビームがスクリーン治具のセンターから外れていた。
この場合は、「光軸が狂っている。」という判断で正しいです。
2. 図のように、ビームがスクリーン治具の中心を貫いていた。
→は、残念ながら、光軸が完璧とは限らないのです。ミラー面の高さと角度が、青い線のように都合よく狂っていれば、やはりスクリーンのセンターをビームが貫くことがあるからです。
つまり、このテストで合格することは、完璧な光軸への必要条件であって、十分条件ではない、ということです。
次に、スクリーン治具をミラー治具に交換してみます。
ビームが完璧にレーザーコリメーターの射出穴に戻って来た!
さて、これも、光軸が完璧と断言できるのか?
これも、答はノーです。 なぜなら、青い線で示したようなケースが含まれているからです。
これも、完璧な光軸への必要条件であって、十分条件ではない、ということです。
結論を言いますと、上下2種類のテストの両方で合格して、初めて光軸が完璧だと言えるわけです。
それから、さらに重要なことは、レーザーコリメーターをチェック、管理できる能力をユーザーが持っているか?ということです。これについては、何度も警鐘を鳴らして来ました。
延長管の無いヘリコイド仕様では、第1,第2ハウジング共、端面の接続用テーパリングが無いことにご注目ください。これは、ヘリコイドの縮退長を最小限にする工夫で、ヘリコイドとハウジングの接続は、ヘリコイド両端のテーパボスをハウジングに嵌入させ、ハウジング端面の3方からセットビスで固定するのです。
なぜ、こうした詳細な手の内を公開しているかと申しますと、固定仕様のEMSを所有している方、もしくは固定仕様で発注した方が、後にヘリコイドのみを購入して簡単にセットできると誤解している方が多いからです。
固定仕様のEMSには、上の写真のような3方のセットビスはないため、ユーザーサイドで、ヘリコイドを幼児のレゴブロックのようにセットすることは出来ません。
従って、将来ヘリコイドを使用することを想定しているのであれば、最初から3方のセットビスを施工しておくようにご指示いただけば良いのです。(ダミーネジになりますがね。)
上の図は、絵本レベルの光学書や 小、中学校で教わる結像公式を図で示したものです。
負数の概念も、数直線も知らない段階の公式で、物点距離 a も像点距離 b も常に>0として扱います。
下の図は、虚像の時の光路図ですが、a,b>0を前提にした、1/a + 1/b = 1/f が成り立たず、別の公式を立ち上げないといけません。1/a – 1/b = 1/f
負数や数直線さえ理解できれば、光軸をx軸、レンズ位置を原点として物点、像点の座標を決めると約束すれば、1/b – 1/a =1/f ( 1/s’ – 1/s = 1/f ) という一般式が、全ての結像ケースで成り立つことが分かります。(結像ケースごとに、違う公式を使わなくても良い。)
それから、一見、a と b という距離同士の関係式に見える結像公式ですが、その裏にある角度関係を見落としてはいけません。
図の最初に出て来る、α+α’ = γ が始まりだということです。これは三角形の基本定理なので、中学生でも知っていますね。 これも、先ほどの a, b 同様、正負の概念を加えて、上の方の図の α’>0 , α<0 と定義しておけば、一般的に
α’ – α = γ —–① と書けるわけです。
近軸域の極限値では、
γ = h/f となることが分かっていて、1/f = Φ(レンズのパワー)なので、
α’ = α + hΦ と書けるわけです。また、屈折の前後で h は変化しないので、
h’ = h となるわけです。 これらの2つの式を行列で表記したのが、
です!
*近軸領域では、α = h/a , α’ = h/b
これも極めて重要な点ですが、言い換えますと、屈折光線の曲がり角度 γ は、α や α’ とは無関係で、h とレンズのパワーだけで決まる、ということです。現実にはそうならないことが多いですが、それが理想結像であり、それに近付けるために、光学設計者が腐心するわけです。 因みに、近軸追跡で扱う屈折の角度とは、実際の光線の角度のことではなく、tan α として定義された特別な角度です。
また、α’ = α + hΦ について、h の初期値に何を代入してもかまわない理由は、
α’ = h/a , α = h/b を上式に代入していただけばご納得いただけるはずです。
h/a = h/b + hΦ となり、h が α、α’ の中に隠れているため、h が任意に決められるわけです。(hはもともと両辺に均等に掛けたもの!)
光学講座の当初に提示していました、三角形の角度関係の重要な定理です。
近軸理論では、これが頻出します。
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