XY limiter knobs in the making

 X-Y 調整ノブにリミット制限を掛けるのは、容易ではありませんでした。
ノブに原点復帰用の矢印シールを貼っていても、ユーザーさんが不用意に180°以上ノブを回転させたら、簡単に原点が迷宮入りになっていました。180°以上回すと、矢印の復帰の仕方で、ノブを1回転させてしまうからです。
 ノブを回し過ぎないように、サイトで警告していましたが、違反者は無くならず^^;、リミッターをセットするに至った事情は、以前にもご説明した通りです。^^
 以前に、テレビで、リサイクル事情のドキュメントをやっていて、ペットボトルのリサイクル工場が、キャップを除去する施設に**億円を投じたとが言っていましたが、それに似てるな!と思ったものです。 違反者がいなければ、不要な施設、装備なんですが、人間、仕方のないものですね。

 

松本の光学講座 2024;Roundup-5 / 総まとめ-7/ Correction of the Eye / 眼の矯正原理

 「眼は情報の入り口、ここを誤解すると、全てを誤解することになる。」
と広く一般に主張すると、ちょっと過激に響くと思うけど、では、カメラマニアとか、天文マニアとか、眼と密接にかかわる人に限定するとすれば、決して過激ではなく、真っ当な意見だと思いませんか?
 真ん中の”正視”以外を、”屈折異常”と言うわけですが、前回もご説明したように、屈折異常とは、水晶体が無調節の時に、網膜の中心窩から出た光束が、前方の無限遠以外で結像する眼のことです。そこに、”視力”というものが介入する余地はありません。ピント位置の問題ですから、ピントが合った状態での視力がどうなのかは、全くの別問題です。
 そして、そのピント位置をどうやって修正するかは、前回もご説明しましたが、今回はより分かり易いように、矯正レンズを追加しました。
 上図から容易に推察できるように、近視矯正の凹レンズの場合は、レンズが角膜から遠ざかるほど、より強い凹レンズが必要になります。つまり、メガネのレンズが眼から離れるほど矯正効果が弱まるわけです。一方で、遠視矯正用の凸レンズの場合は、レンズが角膜から遠ざかるほど、より弱い凸レンズで間に合うことになります。つまり、レンズが離れるほど矯正効果が高まるわけです。

松本の光学講座 2024;Roundup-5 / 総まとめ-6/ Imaging Formula /結像公式-2種

物点から像点、もしくはその逆を特定する結像公式は、主に2種類あります。
 1つめは一般的な、レンズの中心(もしくは主点)を基点にして物点、像点距離を指定するもので、上図の s, s’ に相当し、それぞれ赤と青の矢印で表しています。右向きの矢印が正の向きであり、左向きの矢印は負の向きになります。
 もう一つの結像公式は、物点、像点距離を、両焦点を基点にして指定するもので、それぞれを赤、青の矢印で表し、正負の向きも先例と同様に矢印の向きに倣います。
 ①と➁については、2種類の方法で物点距離と像点距離の向きが同じですが、③の、虚物点結像の場合は、s’ と t’ の向きが逆転するので、注意が必要です。
 より一般的な結像公式は、レンズを基点とした「 1/s’ – 1/s = 1/f 」ですが、天文マニアには、焦点を基点にした公式(ニュートンの公式)「 t ・ t’ = – f 2 」の方が用途が広いかも分かりません。距離の単位を焦点距離に取ると、t と t’ が互いに逆数関係になるので、計算が非常に楽になります。
 たとえば、➁の例だと、t = -3f ; t’ =f/3 となって、積=-f^2 になることがすぐに分かります。
 焦点距離=1000mm (1m) の望遠鏡で対物レンズから101m先の目標を見ると、ピント面が対物レンズの焦点位置より1cm 手前に来ることが分かります。より短焦点の望遠鏡では、数ミリしかピント位置が変わらないことになりますね。繰り出し装置を繰り出す感覚からは、うんと引き出すような気がしますがね。

松本の光学講座 2024;Roundup-5 / 総まとめ-5/ What is the Focus? /「 焦点」とは?

 s と s’ が同じくらいの距離、つまり 物と像 が同じくらいの大きさの時は、物を左に移動させると、像も同じくらい左に移動します。そこから s をどんどん左に伸ばして行く(つまり物体をレンズから遠ざける)と、やはり像も左に移動するものの、急速に減速して行きます。
 そして、ある程度以上物が遠くなると、像はほとんど移動しなくなり、ある点に収束することが経験的にも早い段階で分かっていました。物をうんと遠ざけて行くと、像がレンズ固有の位置に収束するわけで、その点のことを ”焦点” といい、その時の s’ を”焦点距離”と定義するわけです。

Askar 120 APO-BINO in the making -5/ Operation Handle/ 操作ハンドルの候補-1

 鏡筒に操作ハンドルを固定すると、フォーカサーの繰り出し量によって、ハンドルの相対的位置が変化します。さらに、中軸架台の横セットと、スライドマウントの平置きセットで望遠鏡アリガタの向きが90°変わることも難題です。
 90φ差し込み用のエンドアダプターが非常に重厚な物になったので、ハンドルをセットできることが分かりました。 これなら、そうした難題を回避することが出来ます。

Askar 120 APO-BINO in the making -4/ Adjustable bracket for the Altitude Sensor and Finder Base / 傾斜センサー用ブラケット と ファインダーベース

傾斜センサー取付用のブラケットを作ってみました。
 左右どちらのサイドにもセットでき、セット位置も前後に大きく調整可能です。

フォーカサーにファインダーベースをセットするのを、十年一日のように各メーカーさんが踏襲していますが、90度対空、特に双眼望遠鏡では、接眼部に近過ぎるんですよね。(頭がぶつかる!)
 さらに、昨今のドットファインダーやレーザーファインダーは目の近くにセットする必要がない、と言うよりも、むしろ遠目の方が都合が良いのです。
 ファインダーは複数セットされると思うので、手持ちのファインダーベースから、こんなのをセットしてみました。

松本の光学講座 2024;Roundup-4 / 総まとめ-4/What is the Principal Points?/「 主点」の可視化!

 私も当初は、主点の意味が分からずに悶絶した経験があります。しかし、分かれば簡単な話でした。
AB→の像がA’B’→になることは、すぐにご納得いただけると思います。
しかし、Pの像がP’になる、と言われたらどうでしょう?多分、かなりの抵抗を感じられるはずです。
 AからA’、あるいはBからB’に至る光線が、本来の物と像の結像関係とは別に、もう一組の結像関係を秘めているのです。A~Bまでの無数の物点についても同じです。
 Pに収斂する光線の束は、全てP’から発散するように射出する、ということです。
実際には光線はPもP’も通りませんけどね。
 これを文章で表すと、「主点(複数)とは、横倍率=+1 の共役点の組。」ということになるわけです。また、主点を通って光軸に垂直な面を、主面と言い、横倍率=+1 の共役面、というわけです。
 因みに、図の物と像の関係は、横倍率=ー1 ですね。

松本の光学講座 2024;Roundup-3 / 総まとめ-3/How to measure the focal length on the optical bench/ 光学台(レール)上で焦点距離を測る方法

 厚さが無視できない厚いレンズや、複数レンズ系の焦点距離を光学台上で測る方法のご提案です。
 主点位置が特定できなくても、レンズを固定して、「物体」と「像が投影されたスクリーン」を動かし、物体 と 像 の大きさの比が 2:1 になった時に物体の位置を記録し、さらに 物体 と 像 を移動して大きさが 1 : 1 になったとき、「物体」の 移動距離 が 焦点距離 と等しくなります。
 この方法であれば、内部構造が分からない複数レンズ系を非破壊(非分解)で焦点距離を測ることが出来るわけです。