

通常は垂直回転ユニットを先に仕上げるのですが、注文していた部材が連休にかかって遅れているため、先に水平回転ユニットを仕上げました。 通常仕様でしたら、中軸架台のパーツは全て確保しているのですが、今回は、初めてのロスマンディ仕様なので、垂直回転軸は材料からの加工になります。
Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
日英併記としましたのは、海外向けの他、国内の方にも、より多い情報量を効率良くお届けしたい(共有したい)からです。
両者は必ずしも同一内容ではございません。英語の方がよりストレートに表現できる場合もありますし、両言語で内容を補完し合っていることもございます。
FACEBOOKでは、よりリアルタイムな情報とユーザー様からのフィードバックが見れますので、そちらもぜひご参照ください。
Please check my FACEBOOK, too.
You can see the older posts at the Internet Archives,too.
分かる方にとっては、「何を今さら?」の内容だと思いますが、分からなかった方にとっては、EMS-BINOを理解する突破口になる図かも分かりません。
31.7サイズアイピースしか使わないならEMS-UMA、2インチアイピースを使用するならEMS-UL、という、短絡的な理解は、BINOのプランニングには通用しません。
上の図は、同じ対物レンズ(F値、口径、焦点距離、全て同じ、目幅も60mmと想定)で、D(鏡筒間隔)が変化した時の、第一ミラーの理想サイズの変化を図示したものです。
Dが少しでも大きくなると、第一ミラーの要求サイズが急に大きくなることがお分かりになると思います。これが、BINO設計の初期段階で、Dをミニマムにすべく、最大限努力することの理由です。
「私は31.7アイピースしか使わないから、EMS-UMAで良い!」と、頑迷に主張される方もあって、その場合は、ご当人が気付くまで、仕方ありません。^^;
大方の望遠鏡メーカーさんの理解レベルも大体そんなもので、単体のEMS-ULクラスで合焦すれば、BINO化も可能だと思っている節があります。
バックフォーカスの測定について、勘違いしている方が多いように見受けます。
初心者の方に多いのは、繰り出し装置のストロークを測って、それだけで判断される間違いです。
それがなぜ誤解を生じるかは、長くなるので説明を割愛します。
で、どうするのが良いのか?ですが、遠景を紙に投影すれば直接的に分かりますが、確実に光路長が分かっている装置(双眼装置やEMS)をセットしてみるのが簡単です。
繰り出した総長+セットした装置の光路長が答えです。
本例だと、165+153= 318mm でした。これは、D=261mmでEMS-UXLを使用してもあり余るバックフォーカスでした。EMS-UXL(D=261mm)の光路長の予定=268mm(フィルタースロット付き2”スリーブ)なので、フォーカサーの繰り出し長=318-268=50mmとなります。
鏡筒側の伸縮筒を完全縮退させて、フォーカサーの繰り出し長=50mmということです。
十分に長いバックフォーカスから、伸縮鏡筒(140)、着脱可能な延長鏡筒(120)と、Asukarシリーズ鏡筒の、BINO化に好都合で斬新、英断の仕様を絶賛した後ですが、BINO化の視点から見ますと、まだ不十分な点もありました。
Askar-120での経験から、今回もバンドボトムは10mm以上のスリム化を予定していたのですが、上の写真のように4mmのトリミングが限界でした。なぜか? それは、バンドボトムが裏側から大きく肉抜きしてあり、中空になっていて、希望の量だけカットすると、アリガタを取り付けるネジベースを消失することになるからです。まあ、たった4mmですが、光路長換算だと√2倍になるので、5.7mmの光路長節約です。
アリガタの無駄な部分をカットしました。
かなりの減量になりましたが、主目的は減量ではなく、天頂時にアリガタが中軸架台の水平回転部と干渉しないための処置です。
”内積”と聞いただけで逃げ出す日本人が多すぎる!
その食わず嫌いで、多くの損失を被ることになりますよ、一生を通じて。
内積とは、ベクトルの対応成分を掛けて合計したものです。
まず、x軸方向の単位ベクトル(1,0)と、y軸方向の単位ベクトル(0,1)の内積を求めてみましょう!
1×0 + 0×1= 0 で、内積=0 です。
次に、ベクトルA(-4,3)とベクトルB(3,4)の内積を求めましょう。
-4×3 + 3×4 = 0 で、これも内積=0 です。
そうです。直交する2つのベクトルの内積は、常に0になるのです。
3次元の任意の2つのベクトルA(a1,a2,a3), B(b1,b2,b2)も同じ計算方法で、
A・B(内積)=a1×b1 + a2×b2 + a3×b3 で、直交していれば、値は常に0になります。
どうでしょう? 内積って簡単ですよね。 さあ、気を取り直して、昨日の講座をちゃんと読んてみてください!