


鏡筒にEMSをセットしてピントを確認したところ、予想以上にバックフォーカスに余裕がないことが分かり、急遽、鏡筒を4cm切断しました。よって、昨日の記事は撤回となりました。^^; 太い鏡筒は悩みの種でしたが、ご覧の通り、天頂まで問題なく向きます。^^
Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
日英併記としましたのは、海外向けの他、国内の方にも、より多い情報量を効率良くお届けしたい(共有したい)からです。
両者は必ずしも同一内容ではございません。英語の方がよりストレートに表現できる場合もありますし、両言語で内容を補完し合っていることもございます。
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鏡筒にEMSをセットしてピントを確認したところ、予想以上にバックフォーカスに余裕がないことが分かり、急遽、鏡筒を4cm切断しました。よって、昨日の記事は撤回となりました。^^; 太い鏡筒は悩みの種でしたが、ご覧の通り、天頂まで問題なく向きます。^^
I will show the pictorial above to explain the mechanism of X-Y knobs.
The three screws on the left EMS (first) housing are the first step to understand the X-Y adjusting mechanism on the right EMS. In the case of the left EMS, vertical or horizontal image shift can be caused by turning a pair of the screws at a time, with the green circled screw in common. Note that all of the three screws are pull ones. and the single center set screw is the pushing one to adjust the height of the mirror surface. So, if you replace the green circled pulling screw for a pulling mechanism by a coil spring you can move the image in the X(blue) and the Y(red) directions respectively by each single knob.
ここでX-Yノブのご説明をしておきます。 まずは、左のEMSの第一ユニットを見てください。 3つのプラスネジが右の同ユニットと鏡対称配置になっていることにお気付きになると思います。 赤または青の矢印で代表するネジと、共通に使用する緑の円のネジを同時に回すことで、左のEMSもイメージをX〈青)-Y〈赤)方向に調整できます。(←皆さんに推奨しているのでなく、原理の説明のためにご説明していますので、誤解のないように^^;)3つのプラスネジは全て引きネジ(スケアリング調整用)であり、中央のセットビス(イモネジ)だけが押しネジで、ミラー面の高さが調整できる(センタリング調整用))構造になっています。
つまり、3つの引きネジを、EMSの原理に基いてうまく配置すると、2本ずつのネジの調整で、X-Y方向にイメージを独立的にシフトできるようになります。 そこで、緑の円のネジを、スプリングで常に引っ張るメカに交換すると、残る2本のネジだけで独立的にX-Y調整が可能になるわけです。 それが、右のEMSの第一ユニットのX-Y調整機構なのです。 ご理解いただけましたでしょうか。 何年もEMS-BINOを使われながら、何を思ったのか、「ノブが1個脱落しています!」と慌てて連絡して来られる方が少なくありません。^^; ノブはX用とY用の2本しかありませんので、覚えておいてください。 それを実現するために多大なエネルギーを投入して来たのですから・・・。
I am adding the diagram because the former image seems to be difficult to understand.
当初の説明図が分かりにくいようなので、追加の図を作成しました。(2025,2/18)
ネジの操作は2本ずつセットで行う、ということです。シーソーの原理なので、片方を締めるためには、相手のネジを緩める必要があります。下にシーソーの絵を挿入しますね。
右のEMSは、共通ネジがスプリング機構に替わっているので、一つのノブだけでXもしくはY方向の調整が可能になっています。しかし、原理は左のEMSと同じです。(EMS-UXLの場合)
シーソーの支点に相当する上手の赤い▲ですが、EMSの図の中央のセットビス(イモネジ)に触ると、この支点の高さ自体が変わってしまい、収拾がつかなくなるので、それに触れるのは厳禁です。
この度の、X-Yノブの固定方法の改善と合わせて、ノブの回転可能範囲も、従来の±170度くらいから±135度くらいに制限しました。以前よりも、調整ストロークエンドの設定が正確に行えるようになったため、上記制限をかけても十分に常用のストロークが確保できると判断したためです。 長くお待たせしていますが、後になるほど各所が改善されていますので、なにとぞご理解くださいますようお願いいたします。
EMSユニットの無限の応用例の中のほんの一例です。LUNT35-BINO(10/15,2013)を発表した段階で、この応用に気付いておられた方も少なくないはずです。時間がないのに墓穴を掘っているようですが、BINOのリピーターの方のご依頼なので、断れません。^^;(Squeaky wheel gets the grease.^^;)
繰り返しになりますが、念のためにご説明します。 補正ミラーユニットを含めて2回反射なので、どのアングルでも裏像にはなりません。 この組み合わせでは、LUNTの時と同様、120度対空の角度設定で正立像になります。 そして、仰角に応じて回転像となり、仰角0で完全倒立像となります。(カメラ側と同焦点にするには、カメラ側にもヘリコイドを噛ます必要がありますね。)
1/28追記: さっそく依頼者の方より写真が届きました。(大成功だそうです。一番下の写真)
I have reached an optimum solution for replacing the original focuser for the larger commercial one.
まさに”窮すれば通ず”、理想的な解決策が閃きました。 フォーカサー外筒の末端リブの受けは平坦でないといけないという固定観念を捨てたところ、道が開けました。 鏡筒フランジ開口部の内径をフォーカサー外筒ぴったりに加工した後、フランジの中側から挿入すると、フォーカサー外筒のリブがフランジ内径の円錐面に当たって自動的に完璧な軸出しが出来ていることに気付きました。後はフランジの3方からセットビスで外筒末端のテーパ面を押すだけで完璧に固定できます。 もちろん、回転位置も自由に調整できます。(つまり、フォーカサー末端部の追加工が一切不要になった、ということです。^^)
長くお待たせしていますが、ほぼ即納を達成するための準備だったことをご理解いただけたでしょうか。 こうしてパーツを徹底してモデュール化すれば、BINOは作らずに構成できる^^;ようになるのです。^^(EMSと中軸架台だけでほぼBINOになる。)
前回の組み立て時にもご説明していますが、あまり見ていただいている手応えがない(ご質問も激励もない^^;)ので、改めて、より詳しくご説明します。スラストベアリングの外径=70mmで、内径=50mmです。 一方、水平回転軸径=60mm(≒ドラム内径)ですが、これをどうやって納めましょう?(左端の写真)水平回転軸基部を分離式にしたわけです。基部がテーパフランジ構造になっている(写真では死角)のは、延長ピラーと接続するためです。(基部分離の考え方は、そのまま延長ピラーにも適用しています。延長ピラーの基部は、依頼者の方の三脚トップの仕様に合わせてカスタマイズします。また、水平回転軸の基部は、3/8インチ(大型カメラ三脚仕様)で統一することにしました。なぜなら、望遠鏡三脚と中軸式架台は直接接続することはなく、ほぼ必ず延長ピラーを介すため、延長ピラーと望遠鏡三脚との接続だけ考えれば良いからです。
(長くお待たせしていて申し訳なく思っておりますが、このコーナーを常に見てくださっている方々は、なぜ時間がかかっているかをご理解くださっていると信じています。依頼者の方と常にコミュニケーションが取れていますと、ご希望のOPTION等も製品に反映できることがあります。 一方、ずっと音信不通の方が、いきなり唐突に(納期の遅れを理由に)当方の人間性まで否定するようなメールをくださると、BINO作りはもう止めようという決意が固まります。)
The X-Y adjusting knobs also takes the role of assemble screws, so if you go on unscrewing the two knobs they will come off and fall down.Yes, there were no limiters on the X-Y knobs and there was a contract between I and the users of not turning the knobs too much.But I have found so many users are disregarding the rule and I decided to make limiters on the knobs.
X-Yノブの回し過ぎに警鐘を鳴らし続けて20年余り、ノブに原点矢印を付けてからはトラブルが減ったものの、根絶には至りません。しかし、私たちの手首の構造から、持ち替えないで自然に回せるのは±90度くらいかと思うのですが、一回転以上回す人は、つまみを持ち替えながら複数回回しているわけで、確信犯と言えます。
ただ、ユーザーさんを叱責するばかりでは限界があるようで^^;、こちらも何らかの対策が急がれると判断しました。 過去に何度か検討して、断念して来た経緯もありましたが、今回はシンプルなアイデアが閃きました。2回反射の正立光学系の開発 → 2分割ハウジングの採用 → X-Yノブの採用 →銀ミラー化 → X-Yノブにリミッターをセット、と、どうやらこれがEMSの進化の最後の節目となりそうです。
従来は、”ローレットつまみ”というローレット付きの一体ネジを使用していました。 このネジは組み付けネジを兼ねていたため、リミッターのセットは非常に困難で、現実的ではありませんでした。 そこで、ローレットナットという好都合な産業部品に目を付けました。 ネジ穴はバカ穴にしておき、皿ビス(注文中)を貫通させて、横からセットビスで所定の角度で固定します。 ローレットナットの底面にはCNCフライスでカム状の円弧加工を施しておきます。EMSハウジングのX-Yノブネジ用のバカ穴のごく近傍に(裏側から)細いネジで突起を立てておけば、ノブが180度以上回らないように制限をかけられるわけです。
一番ハードルが高かった部分が極めてシンプルに解決しました。 ハウジング側の施工は、X-Y用の2つのバカ穴の近傍にそれぞれ(突起セット用の)小さいネジ穴を施工するだけです。
The longest time ever has been consumed on thie single project.The sorter 2-inch sleeve is the same strategy for the scarece back-focus just as in the case of SWAROVSKI-X95-BINO.
2年超という、過去最長期間お待たせしてしまいましたが、ようやく完成しました。バックフォーカスが、本来ならアウト(全く足りない)の状態でしたが、まずは65φ用スリーブの実質(外部)profile をわずか9mmに抑え、SWAROVSKI-X95-BINOと同じ考え方で、2インチスリーブを少し短くしました。 写真のアイピースはこの状態で楽勝でピントが合います。 防塵フィルターを外せば、アイピースはさらに5㎜深く入ります。31.7サイズアイピースは全く問題ありません。
ただ、回転装置の使い方、架台セットの注意点、鏡筒着脱の注意点等々、ユーザーさんには、直接この場でご説明したい勘所が山ほどあります。 出来たら、一度お会いしたいものです。 ユーザーさんのご希望は、このフルシステム(回転装置ごと)をメインの据付(大型)赤道義仕様の反射鏡筒(40㎝クラスか?)に同架されたいということですので、バランスや使い勝手等、メーカーさんとも十分に検討される必要があります。
FSQ106-BINO on the rotative mount is almost completed.I will have almost no margine in the focus because it’s back focus is so scarece.
以前にも書きましたが、この鏡筒は バックフォーカスが非常に短く、また対物後群のレンズが接眼部のすぐ手間まで来ているため、フォーカシングは相当際どいところとなりそうです。 アイピースの種類によっては合焦しないものもあるでしょう。(元来、BINO用には選んではいけない鏡筒でした。 知らずに引き受けましたが、知っていたら確実にお断りしていました。^^;)
Topping a polyacetal tip on the end of the screw is one of the painstaking tasks in my work.Center deep hole should be processed on the set screw in advance and the polyacetal tip will be pressed into it.Six of the polyacetal tipped M4 set screws and three of M3 screws without tips are required in the adapter.
目立ってしまいますが、SWARO-BINOは、通常のBINO製作の合間にこなしておりますので、ご了承ください。(なるべく掲載しないようにしています。^^;)
最上の写真は、接続用のアダプターに用いる、先端ジュラコンのセットビスについてご紹介するものです。先端ジュラコンチップ付きのビスは規格品が市販されていますが、非常に高価なのと、目的にぴったり適合する製品がないため、自前加工をしています。 M4のステンのセットビス(芋ネジ)に深穴(2.5φ)を開け、そこにジュラコンチップを圧入します。 写真から、チップは根っこの方がずっと長いのがお分かりになると思います。
片方のアダプターにつき、このM4のチップ付きセットビスが6本、チップなしの通常のM3のセットビスが3本必用です。 何でもなさそうな部分で結構手間がかかっている例をお示ししました。^^; (SWARO-BINOユーザーになられる方は、このアダプターの構造や接続(分解)方法等、過去の製作情報をよくお読みいただき、理解しておいてください。(このコーナーの製作工程全てがマニュアルです。))