Highlander Mount (Number-2 of the 10 lot) ハイランダー用軽量架台(10個ロットの内の2台目)

外注していたシャフト部品が(大量に)届き、量産体勢が整いました。(新型ハイランダー用軽量マウント(¥57,000 /8%税込み¥61,560))

(急に多忙になったため、新型3台目以降はBINO製作の合間を縫って、何とか対応させていただくつもりです。)

念のため; 当架台をご予約いただいている方はご承知と思いますが、念のために再度お知らせします。この架台を使用するためには、ハイランダー純正架台に属するマウントホルダーが必要です。私も当初は別売しているものと思っておりましたが、メーカーが当部品の単体非売を固持しているようで、残念ですが、ハイランダー純正架台をすでに所有しておられることが前提になります。(望遠鏡業界には、こうした、他社互換性を意図的に排除しようとする、偏狭、保守的な傾向が根強いのですが、ここはやはり末端消費者の方がそうしたメーカーに対し、明確で強い批判のメッセージを出し続けることが肝要かと思います。)

150LD-BINO(F6) completed! / 150LD-BINO(F6)完成!

 結構な陣痛を伴いましたが、ようやく150LD-BINO(F6)が完成しました。地上風景は、確かにF5よりもシャープのようですが、軽便さ(F5鏡筒)とのトレードオフをどう解釈されるかはユーザー様次第です。 私個人的には、より軽量コンパクトなF5鏡筒を選びますが。(F5-BINOを過小評価している方の多くは、旧仕様のX-YリミッターのないBINOで大幅に光軸を狂わせた状態で判断されたものと思います。)

 しかし、中軸式架台はこの規模の鏡筒まで(多分もっと大きくても)十分に有効であることが分かりました。左右の重心に垂直回転軸があるわけですから、当然ですが^^;、自画自賛しています。^^;

Another EMS-UXL SET for 15cmF5-BINO / 15cmF5-BINO用のEMS-UXL / The Principle of X-Y knobs

I will show the pictorial above to explain the mechanism of X-Y knobs.

The three screws on the left EMS (first) housing are the first step to understand the X-Y adjusting mechanism on the right EMS. In the case of the left EMS, vertical or horizontal image shift can be caused by turning a pair of the screws at a time, with the green circled screw in common. Note that all of the three screws are pull ones. and the single center set screw is the pushing one to adjust the height of the mirror surface. So, if you replace the green circled pulling screw for a pulling mechanism by a coil spring you can move the image in the X(blue) and the Y(red) directions respectively by each single knob.

ここでX-Yノブのご説明をしておきます。 まずは、左のEMSの第一ユニットを見てください。 3つのプラスネジが右の同ユニットと鏡対称配置になっていることにお気付きになると思います。 赤または青の矢印で代表するネジと、共通に使用する緑の円のネジを同時に回すことで、左のEMSもイメージをX〈青)-Y〈赤)方向に調整できます。(←皆さんに推奨しているのでなく、原理の説明のためにご説明していますので、誤解のないように^^;)3つのプラスネジは全て引きネジ(スケアリング調整用)であり、中央のセットビス(イモネジ)だけが押しネジで、ミラー面の高さが調整できる(センタリング調整用))構造になっています。

つまり、3つの引きネジを、EMSの原理に基いてうまく配置すると、2本ずつのネジの調整で、X-Y方向にイメージを独立的にシフトできるようになります。 そこで、緑の円のネジを、スプリングで常に引っ張るメカに交換すると、残る2本のネジだけで独立的にX-Y調整が可能になるわけです。 それが、右のEMSの第一ユニットのX-Y調整機構なのです。 ご理解いただけましたでしょうか。 何年もEMS-BINOを使われながら、何を思ったのか、「ノブが1個脱落しています!」と慌てて連絡して来られる方が少なくありません。^^; ノブはX用とY用の2本しかありませんので、覚えておいてください。 それを実現するために多大なエネルギーを投入して来たのですから・・・。

I am adding the diagram because the former image seems to be difficult to understand.
当初の説明図が分かりにくいようなので、追加の図を作成しました。(2025,2/18)
 ネジの操作は2本ずつセットで行う、ということです。シーソーの原理なので、片方を締めるためには、相手のネジを緩める必要があります。下にシーソーの絵を挿入しますね。

右のEMSは、共通ネジがスプリング機構に替わっているので、一つのノブだけでXもしくはY方向の調整が可能になっています。しかし、原理は左のEMSと同じです。(EMS-UXLの場合)
 シーソーの支点に相当する上手の赤い▲ですが、EMSの図の中央のセットビス(イモネジ)に触ると、この支点の高さ自体が変わってしまい、収拾がつかなくなるので、それに触れるのは厳禁です。

Further restrictions on the turning angle of the XY knobs / リミッター付きノブの可動範囲をより制限しました

この度の、X-Yノブの固定方法の改善と合わせて、ノブの回転可能範囲も、従来の±170度くらいから±135度くらいに制限しました。以前よりも、調整ストロークエンドの設定が正確に行えるようになったため、上記制限をかけても十分に常用のストロークが確保できると判断したためです。 長くお待たせしていますが、後になるほど各所が改善されていますので、なにとぞご理解くださいますようお願いいたします。

Correcting mirror unit / EMSユニットの応用例

EMSユニットの無限の応用例の中のほんの一例です。LUNT35-BINO(10/15,2013)を発表した段階で、この応用に気付いておられた方も少なくないはずです。時間がないのに墓穴を掘っているようですが、BINOのリピーターの方のご依頼なので、断れません。^^;(Squeaky wheel gets the grease.^^;)

繰り返しになりますが、念のためにご説明します。 補正ミラーユニットを含めて2回反射なので、どのアングルでも裏像にはなりません。 この組み合わせでは、LUNTの時と同様120度対空の角度設定で正立像になります。 そして、仰角に応じて回転像となり、仰角0で完全倒立像となります。(カメラ側と同焦点にするには、カメラ側にもヘリコイドを噛ます必要がありますね。)

1/28追記: さっそく依頼者の方より写真が届きました。(大成功だそうです。一番下の写真)

Hit on a great IDEA !! / 完璧な解決策(フランジ加工:15cmF5-BINO)

I have reached an optimum solution for replacing the original focuser for the larger commercial one.

まさに”窮すれば通ず”、理想的な解決策が閃きました。 フォーカサー外筒の末端リブの受けは平坦でないといけないという固定観念を捨てたところ、道が開けました。 鏡筒フランジ開口部の内径をフォーカサー外筒ぴったりに加工した後、フランジの中側から挿入すると、フォーカサー外筒のリブがフランジ内径の円錐面に当たって自動的に完璧な軸出しが出来ていることに気付きました。後はフランジの3方からセットビスで外筒末端のテーパ面を押すだけで完璧に固定できます。 もちろん、回転位置も自由に調整できます。(つまり、フォーカサー末端部の追加工が一切不要になった、ということです。^^)

長くお待たせしていますが、ほぼ即納を達成するための準備だったことをご理解いただけたでしょうか。 こうしてパーツを徹底してモデュール化すれば、BINOは作らずに構成できる^^;ようになるのです。^^(EMSと中軸架台だけでほぼBINOになる。)

How the thrust bearing is installed in the horizontal axis (Center Mount) / スラストベアリングの内蔵方法(中軸式架台)

前回の組み立て時にもご説明していますが、あまり見ていただいている手応えがない(ご質問も激励もない^^;)ので、改めて、より詳しくご説明します。スラストベアリングの外径=70mmで、内径=50mmです。 一方、水平回転軸径=60mm(≒ドラム内径)ですが、これをどうやって納めましょう?(左端の写真)水平回転軸基部を分離式にしたわけです。基部がテーパフランジ構造になっている(写真では死角)のは、延長ピラーと接続するためです。(基部分離の考え方は、そのまま延長ピラーにも適用しています。延長ピラーの基部は、依頼者の方の三脚トップの仕様に合わせてカスタマイズします。また、水平回転軸の基部は、3/8インチ(大型カメラ三脚仕様)で統一することにしました。なぜなら、望遠鏡三脚と中軸式架台は直接接続することはなく、ほぼ必ず延長ピラーを介すため、延長ピラーと望遠鏡三脚との接続だけ考えれば良いからです。

(長くお待たせしていて申し訳なく思っておりますが、このコーナーを常に見てくださっている方々は、なぜ時間がかかっているかをご理解くださっていると信じています。依頼者の方と常にコミュニケーションが取れていますと、ご希望のOPTION等も製品に反映できることがあります。 一方、ずっと音信不通の方が、いきなり唐突に(納期の遅れを理由に)当方の人間性まで否定するようなメールをくださると、BINO作りはもう止めようという決意が固まります。)

X-Y knob limiter (Another breakthrough of the EMS!!) / X-Y ノブ-リミッター

The X-Y adjusting knobs also takes the role of assemble screws, so if you go on unscrewing the two knobs they will come off and fall down.Yes, there were no limiters on the X-Y knobs and there was a contract between I and the users of not turning the knobs too much.But I have found so many users are disregarding the rule and I decided to make limiters on the knobs.

X-Yノブの回し過ぎに警鐘を鳴らし続けて20年余り、ノブに原点矢印を付けてからはトラブルが減ったものの、根絶には至りません。しかし、私たちの手首の構造から、持ち替えないで自然に回せるのは±90度くらいかと思うのですが、一回転以上回す人は、つまみを持ち替えながら複数回回しているわけで、確信犯と言えます。

ただ、ユーザーさんを叱責するばかりでは限界があるようで^^;、こちらも何らかの対策が急がれると判断しました。 過去に何度か検討して、断念して来た経緯もありましたが、今回はシンプルなアイデアが閃きました。2回反射の正立光学系の開発 → 2分割ハウジングの採用 → X-Yノブの採用 →銀ミラー化 → X-Yノブにリミッターをセット、と、どうやらこれがEMSの進化の最後の節目となりそうです。

従来は、”ローレットつまみ”というローレット付きの一体ネジを使用していました。 このネジは組み付けネジを兼ねていたため、リミッターのセットは非常に困難で、現実的ではありませんでした。 そこで、ローレットナットという好都合な産業部品に目を付けました。 ネジ穴はバカ穴にしておき、皿ビス(注文中)を貫通させて、横からセットビスで所定の角度で固定します。 ローレットナットの底面にはCNCフライスでカム状の円弧加工を施しておきます。EMSハウジングのX-Yノブネジ用のバカ穴のごく近傍に(裏側から)細いネジで突起を立てておけば、ノブが180度以上回らないように制限をかけられるわけです。

一番ハードルが高かった部分が極めてシンプルに解決しました。 ハウジング側の施工は、X-Y用の2つのバカ穴の近傍にそれぞれ(突起セット用の)小さいネジ穴を施工するだけです。