
たまにこうした特殊なご依頼が来る。
お断りするか、お引き受けするかは、当方の気まぐれと、依頼者の方の熱意次第。^^;
特許を申請した当時、いずれ大手メーカーさんが、連結可能な単体の60度の天頂ミラー/プリズムを発売して、マツモトの裏をかくんだろうな?と危惧しましたが、30年以上経過した今、それは杞憂だったこと、業界はそれほど賢くなかったこと、あるいは、保守性が半端なかったことを悟りました。^^;
Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
日英併記としましたのは、海外向けの他、国内の方にも、より多い情報量を効率良くお届けしたい(共有したい)からです。
両者は必ずしも同一内容ではございません。英語の方がよりストレートに表現できる場合もありますし、両言語で内容を補完し合っていることもございます。
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2インチADの製作に当たり、好適な素材をネット上で見付け、発注済みなのですが、1か月も待っておれないので、残材で試作してみました。
カメラレンズの射出窓径から、2インチアイピースは論外と思っていたのですが、そうではなかったようです。
MASUYAMA32mmは論外と思っていましたが、超絶な視界が開けました。4.2倍で実視界20度の不思議な世界がありました。有り余るアイレリーフに浮かぶ視界、凄いです!通常の望遠鏡+同アイピースよりも良像範囲がはるかに広い!
無限遠のピントも余裕で、ほとんどの2”アイピースで合焦しそうです。
これは、凄い世界の扉を開いてしまった!
まだ、ごく近しい友人と自分しか知らない世界。孤独だが、スリリングこの上ない!
あまりに美しいので、手持ちiPhoneで撮ってみましたが、いつものように双眼視のイメージは再現できません。 広視界の小型双眼鏡は市販されていますが、この構造は、ステレオベース(D)が大きいので、立体視の強調が著しいです。
たとえば、超絶広視界の筆頭は、2XクラスのテレコンBINOだと思いますが、ステレオベースは目幅と同じなので、立体視の効果も2X。 今回の超広角BINOは、EMS-ULを使用しているため、目幅62mmでも、ステレオベースは133mmで、倍率=7.5倍のため、立体視の強調効果は、2.14 x 7.5 ≒ 16倍 ということになり、立体感が別格であることが分かります。
TAKUMAR-55mm(F1.8)で成功を見ましたので、今度はTAKUMAR-135mm(F3.5)でさらに良い結果を確認しました。
写真の組み合わせだと、有効口径38.6mm(ほぼ4cm)、倍率8.44倍、射出瞳径=4.57mm、
見かけ視界=82°、実視界=9.7°。
うまく表現できませんが、カメラレンズを対物に用いたBINOシステム、視野の均一性が、軸上光学性能だけを追求した望遠鏡用の一群構成の単純なレンズとは一線を画しますね。衝撃でした。(焦点距離100mm前後の超短焦点だと、一群構成の望遠鏡対物レンズだと、斜光線の収差補正までは手が回りませんから。ただ、望遠鏡用一群構成レンズは、フランジバックが長く取れて、EMS等を正規の位置に配置できる(ある程度長焦点ならですが)のが魅力ですがね。)
APM18mm(65°)だと、倍率7.5倍、射出瞳径=5.15mm、見かけ視界=65°、
実視界=8.67°。
常に遠近両用メガネを常用している自分としては、APM18mmの方が好みです。
NAGLAR16mmは、メガネ装用だと見かけ視界は40°程度で、メガネを外し、さらにゴム見口が眼窩に食い込むくらいにしないと全視野(82°)が見えませんから。^^;(確かに、周辺までシャープですが、最周辺の歪曲が凄い。(像面湾曲とは違うので、星像はボケないはず。))
APM18mmは視野のごく周辺でなだらかにボケますが、不快感はありません。歪曲はNAGLARよりもはるかに少ない。何より、メガネ装用で全視野が見えるのが嬉しい。
このBINOシステムの基礎セットは、目幅調整機構とEMS-ULで、カメラレンズとアイピースはかなりの自由度で選択できるので、応用は無限と言えます。
今は臨時にカメラ三脚に固定していますが、ジンバル雲台に載せれば、バランスの問題も解決するはずです。
カメラレンズと望遠鏡アイピースを組み合わせたにしては、十分に成功したと思っています。
たかが3.4倍でも、EMSのXY調整機構は非常に快適だと再認識。
超絶24°、横断スピーカーの支柱ボルトの頭が視野の極周辺でも崩れずに視野から漏れる。
私としては、持ち出しゼロに近い出費で出来たので、文句はない。
単眼で見た段階で自信を得たので、同シリーズのTAKUMAR-135mmF3.5を納品待ち。
これも単体で見てよければ、同じレンズをもう1本確保して、BINOに。今度は同じアイピースだと、38.6mm(約4㎝)8.4倍、実視界9.8°になる。
合焦は、レンズ本来のヘリコイドに加えて、スペーサーを兼ねて31.7ADとレンズの間に配置したヘリコイドのどちらを回しても効果は同じ、どちらも使い勝手がすこぶる良い。微妙なピント調整が楽々だ。