New standard of the binoscopic mount ( FL71-BINO) / BINOベースの新基軸 ( FL71-BINO)

This is the simplest sliding mount for a binoscope I have ever made.It will be the new standard of the binoscopes of relatively smaller scopes in tube diameter.Left photo is its minimum IPD, and the right one, the maximum.

A pair of OTAs will move symmetrically in the coupled manner.Yes, here is the innovative binoscopic mount that never causes the focus change nor the gravity point shift at the IPD adjustment, to be born !!

新型のスライドマウントがほぼ完成しました。 『BINOは、水平なベースプレート上に2本の鏡筒を(鏡筒バンド等を介して)並べた物』 という固定観念を払拭しました。

組み上がったBINOの外見に即してこの新型の機構をご説明しますと、2本の鏡筒がソリッドな(地図の)銀行マーク型のパーツで連結され、その連結部自体が伸縮する機構、ということになります。 BINOを真横から見ても、真上から見ても、BINO本来の機構部がほとんど見えない構造です。

リニア機構を用いた従来の目幅送り装置では、クランプ(固定)が曖昧でしたが、当機構は、アリガタ、アリミゾのスリ割クランプが基礎構造のため、目幅クランプ時にBINO全体が完全一体のソリッドな剛体になるのも顕著な特長です。

左右の鏡筒が連動してシンメトリックに開閉する(連動メカはこれより付加)ため、目幅調整時の重心移動も生じません。 目幅調整にピント移動も重心移動も起こさない、極めてシンプルで高剛性なBINO用マウントの誕生です。

The core part of the FL71-BINO / FL71-BINOの核心パーツ

This is the single center part of finishing FL71-BINO.A pair of dovetails that holds each OTAs perpendicular to themselves will be held by this part, dovetail holder. A pair of dovetail plates will be opend and shut just like the both side sliding doors. A wise device will be introduced to the dovetail plates pair to move symmetrically.

アリガタ、アリミゾ方式が小規模なBINOの眼幅調整に有効なことは、Finder-BINOですでに実証済みです。FL71-BINOでは、アリミゾプレート面を鏡筒と垂直に用います。 鏡筒が垂直に取り付く2枚のアリガタプレートが連動して対称的に開閉します。 シンプルな連動機構も設計済みです。

BLANCA130EDT-BINO completed/ 130EDT-BINO完成

BLANCA130EDT-BINO is completed. It will be the turning point of my binoscope making. Note the minimum clearance of the dew-shields(Photo1). The OTA separation is as short as 182mm at 140mm of the tube diameter. Namely, the clearance of two OTA tubes is only 42mm. And all the mechanism of altitude axis and encoder are installed in this narrow space. The Alt. Axis offers the perfect balance from horizen to zenith. 
 鏡筒隙間=44mmの見積りでしたが、バンドのフェルトの圧縮が予想以上だったため、結果的に鏡筒隙間=42mm になるという嬉しい誤算がありました。 そのため、最大目幅が当初予定していた76mmから74mmになって しまったため、EMSのスペーサーを再加工(2mm薄く加工)し、本来の76mm(60(57.5) mm≦IPD≦76mm)にしました。(この辺はどうにでもなります。スペーサーを全て撤去すると、60mm(59)≦IPD≦80mmとなります。) 最終的に、42mmの鏡筒隙間に、垂直回転軸とエンコーダが完全に内蔵できたことになります。 垂直回転軸 ユニットの構造が非常にシンプルなため、最初から調整不要で素性の良い回転と適度なフリクションが得られました。写真のイーソス17mm装着の状態で、クランプフリーで水平から天頂まで完全バランスをキープしています。 アイピースをEWV32mmに交換しても同じでした。 中軸式架台を採用したことによる、光学的な妥協が 皆無だったことは、写真1をご覧いただけばお分かりになると思います。(つまり、中軸式架台のために 鏡筒間隔が広くなっていないということ。) 唯一、仕上げのどたんばで慌てことは、鏡筒バンドのアリガタ(全4個)の形状でした。 結論から申しますと、 原因が分かり、完璧に対処しましたので、最終的には何の問題もございません。(良い勉強をしました。^^;)
 パーツ加工の段階でのチェックでは完璧に働いてくれていたアリガタでしたが、いざ重い鏡筒にセットしますと、 微妙な外部条件の変化で機嫌を損ね、ひっかかってしまいました。 挿入先端側を大き目になだらかにテーパに トリミングすることで、鏡筒は楽に着脱できるようになりました。 今回より、(中軸式架台の)鏡筒の初期調整が飛躍的に楽になりました。 これは私の仕事で、納品後のユーザーさんには あまり関係ありませんが、写真4の黄色い矢印のセットビス(イモネジ)1本だけの調整で済みます。 これは、四脚の椅子のガタが1本の脚のみの調整で解消するのと似ています。(三脚なら0本ですけどね^^;)(明日以降に出荷梱包のために鏡筒を撤去した際に、完成した中軸式架台の写真を撮影する予定です。 BINOが大きいので、狭い店内では良い背景を探すのに苦労します。お見苦しいことでしょう。^^;)

How to install the Altitude encoder/ 垂直回転軸用エンコーダの内蔵方法(EDT130-BINO)

It is far more difficult in the case of the altitude encoder installing in the limited space of the thin housing. 
 中軸式架台の垂直回転軸にエンコーダを内蔵するのは、簡単ではありませんでした。 写真左より、それぞれ仰角が0度(水平)、45°、90度(天頂)の状態ですが、エンコーダ本体は回転していません。従って、コードも引っ張られることはありません。 外のソケットとエンコーダを最短路でつなぐことに捉われていましたが、水平軸の時と同様、長めの コードで中間端子をハウジング内で接続する方が有利であると気付きました。(エンコーダ からのコードは、下の出口に急がず、一旦バックして、反対側でソケットからエンコーダ本体を迂回したコードと接続しています。)

Here comes a good sample for your study. / 像倒れの調整例

Here comes a good sample for your study.A pair of EMS set has arrived from my client today in ambulance with the complaint of the serious condition.

This trouble seemes to have occurred when he replaced the spacing tube of the EMS that connect two mirror units together.

He insisted that the right EMS is perfect because he checked the connection angle by the substitute of the right angle gauge, and only the image of the left EMS is extremely inclined.Is that really so? I will explain its real truth.

Let me firstly explain how the normal binoscope will show the edge-line of the bent paper put before the dew-shield. The occulars shoud be extracted in advance. As you expect, the edge of the paper should look straight at the sleeves.(The right photo)

格好の教材が舞い込んだので、ご紹介しない手はありません。   持ち込まれたユーザーの方の名前は出ませんので、ここで皆さんに紹介させていただくことを、皆さんの参考のためと、あなたの学習のためにお許しください。

EMSだけを求めてBINOを組み立てた方ですが、EMSのユニット間のスペーサーをご自身で交換された後に左の像の著しい傾斜が修正できなくなって、EMSを一式送って来られたものです。

主訴は『右のEMSは完璧で左のEMSの像だけが著しく傾斜し、傾斜を私の指示に従って?^^;修正すると、左のアイピースが明後日の方向を向いて、BINOにならない。 左のEMSの光軸が著しく狂っているに違いない。』 というものでした。

さて、実際はどうだったかを以下でご説明しますが、その前に、ノーマルなBINOではどう見えるのかをお示ししておきます。

サンプルに用いたBINOは、店内に置いている、初期(15年くらい前)の試作品の10cmBINOです。上左の写真のように、折った紙(ポスター等)を筒先に置き、口径の上半分を隠すと、アイピースを撤去した接眼部では、折った紙のエッジの線が上右の写真のように1本に貫いて見えます。 敢えてEMSの構成ユニットの固定ネジを左右のEMSとも緩めて対空角度を微調整しますと、その線が目尻が吊りあがった怒り目になったり、逆の泣き目になったりすることは、このサイトで何度かご説明して来た通りです。

Now, I will diagnose the emergency case.(I am sorry that the smaller binoscope sample here did not accept the larger spaned sick EMS pair at a time, and I will show you left and right unit alternatively.)

From the left, the first photo shows some inclination of the left image, but it was not so serious as the client insisted. The second photo shows the awful inclination of the right image. You see the right image is far more inclined than the left one. Each of the EMS was well collimated in spite of his complaint, “The left EMS only is seriously out of collimation.”

Checking the connection angle by the gauge, the right EMS proved to have the serious deviance from the right angle. Those facts eloquently explain the symptom of the two of the left photos. Now you will know the reason he had trapped into the labyrinth.

It is true that his right angle gauge was not perfect is one of the reason, but the core of the trouble is his attitude that he never doubted the right EMS and he adjusted the left EMS only. EMS shouled be always treated as a pair and should be targeted on attaining the relative parallel of the inclinations.

さて、送られて来たEMSセットは、実際はどんな状態だったかをお示しします。(写真は全て当方で調整する前の状態です。)サンプルに使用したBINOがEMS-Mのシステムだったため、スペーシングが大きい問題のEMSは左右同時にはセットできませんでしたが、調整済みのサンプルのEMSを片方だけ残して、問題のEMSの左右を交互にセットしてみました。

左の写真では、左のEMSは確かに少し時計回りに視野が回転しているものの、その隣の右のEMSの視野の回転の方が尋常ではありません。 それぞれのEMSを当方の直角面定規に当ててみましたら、案の定、右のEMSは対空角度で85~87度くらいに狂っていて、著しい時計回りの視野の回転と合致していました。

この方が直角面定規に代用された基準面の角度が実際には直角よりもかなり鋭角だったことが予想されますが、それは大した問題ではありません。 なぜなら、スタートラインとしてそこから調整をスタートされるのに、精度は問題にならないからです。

問題だったのは、代用品の直角面定規を鵜呑みにし、右のEMSの状態が完璧だと思い込み、EMSを左右セットとして相対的な調整をされず、左のEMSのみを調整されたことです。 その基本さえ守っていれば、右のEMSにも問題があったことに自然と気付かれたはずなのです。 少なくとも、左右の視野の相対的な倒れは、左右のアイピースの平行をキープしたままで解消できるのです。左右の視野の天方向をV傾向の上開きとΛ傾向の上閉じの双方向に連続的に調整できるので、その間に必ず存在する解に合わせることが出来るわけです。

補足:EMSの光軸はほとんど狂っていませんでした。 仮に狂っていたとしても、光軸とは独立的に視野の倒れが修正できることが、EMSの顕著な特長なのです。たとえ45°の像傾斜を修正しても、左右のアイピースの平行は完璧にキープできます。

(EMS-Mや標準スペーシングのEMS-Lのように、第1、第2ミラー間のエッジクリアランスが1㎜~2㎜程度以内と際どい場合は、EMSの構成ユニットの接続を不用意に緩めていきなり大きく回転させるのは、ミラーを損傷する危険があるのでご注意ください。 )

Preliminery assembly of the vertical unit— 2 / 垂直回転部(中軸)の仮組み立て–2

Inner half of the bands are set on the mount. The clamp of the altitude axis is processed.
 鏡筒バンド(内側)を取り付けてみました。 垂直回転軸(中軸)のクランプも施工(スリット加工)しました。 締め付けバンド式なので、フリクションが自在に調整でき、把握力も強力です。 この状態で、鏡筒の隙間=44mm(前モデルは45mm)となりました。(43mmの予定でしたが、鏡筒バンドの肉をあまり薄くしたくなかったので、ここまでとしました。 垂直回転軸機構(しかもエンコーダ内蔵)を間に挟んで、鏡筒隙間=44mmは善戦したと思いますが、いかがでしょう。

Preliminery assembly of the vertical unit / 垂直回転部(中軸)の仮組み立て

Just confirmed this plan will be quite successful.
 垂直回転部を仮組み立てしてみました。 各所の干渉回避や重心位置等の条件が 全て問題なくクリヤーできました。 今後の中軸式架台のコア部分として定番になりそうです。 (左から)4枚目の写真から、鏡筒のセット方法(方向)がお分かりになると思います。 伝統的な横軸のアリミゾ(&アリガタ)では、両手で抱えて重い鏡筒をアリミゾの下爪にひっかけた後、片手を離してクランプを操作しないといけない点が問題でした。 今回の方法ですと、 最後まで両手で鏡筒を持った手を離すことなくアリミゾにセットできます。 鏡筒はたとえノークランプで天頂に向けても転落しません。 やっと、新型の中軸式架台の成功を確信できました。 毎度のことですが、プランが出来てから 仮組み立てが完了するまでの間は、焦燥感に浸りながら成果なく時間が過ぎる、苦しい期間でした。

Grooving through the Alti-Axis/ 垂直回転軸の貫通溝

I’ve got over the most difficult machining of grooving through the altitude axis. This will allow the cords of encoder to get out of the bearing plate of the central axis, while rotating by 90 degrees.
 新型の中軸式架台で最も困難な(厄介な)加工を完了しました。 内蔵したエンコーダのコードを中軸受けの外に取り出すための貫通溝です。 軸受けプレートの穴はコードの束+αの幅で良いですが、軸ドラムの方は90度回転するので、 水平から垂直まで干渉しないように、長いスリット状の貫通溝を彫らないといけません。 しかも、前回ご紹介したサイドプレートとのからみがあるので、貫通溝の位置も重要です。

Side plates of the Central Mount / サイドプレート(新型中軸式架台)

A pair of side plates will be set on the altitude axis in such a way that the plates sandwiches the axis and hold the dovetail holders at both ends.

 サイドプレートは1対で垂直回転軸を鋏むように固定され、両端にはアリミゾクランプが取り付きます。 水平から垂直まで、他のパーツと干渉してはならないので、周到なプランニングが必要です。
(垂直回転軸側のネジ穴加工はこれからです。 サイドプレートの取り付け穴配置や数がが左右で異なるのには理由があります。)