
純正の鏡筒バンド(110φ)は、ロゴが見える天部とボトムが同じ厚み(形状)だったので、ボトム側を切除しました。そのままで組み立てると、BINOのD(鏡筒間隔)が無駄に広くなるからです。
Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
日英併記としましたのは、海外向けの他、国内の方にも、より多い情報量を効率良くお届けしたい(共有したい)からです。
両者は必ずしも同一内容ではございません。英語の方がよりストレートに表現できる場合もありますし、両言語で内容を補完し合っていることもございます。
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ご質問は基本、歓迎するのが当方のスタンスではありますが、HPをろくに見ていないね、と思わざるを得ない方もありました。
特に海外の方からのご質問で多いのが、まずは価格表を英語でも掲載しているのに価格を尋ねられること、それと、2インチ用のEMSに31.7ADが付属していますか?という質問。
2インチ用のEMSという概念はなくて、2インチ以下のアイピース全てに対応している、という意味です。写真を見れば明らかなはずですが、念のために、今回は写真に解説を入れました。
それと、独自性を発揮したいという、天文マニアの本能でしょうか? 簡単に外せるものは外して使ってみたいのか?他者に差を付けたいのか?防塵フィルターを外して使用する方が少なくありません。
製作者として、絶対NGの行為であることをお忘れなく。
内径2”の部材は豊富にあるので、どうしてもそれを利用したくなりますが、今回は、メガネフレーム型のプレートにアジャスタブルな形でアダプターをセットしたいため、無垢材からの削り出しになりました。
こういうこと↑です。目幅は60~74mmで半固定。このまま単独の双眼鏡としても使いたい場合は、シムを要所に挿入して光軸の初期調整をします。
このメガネフレーム型プレートによって、カメラレンズを双眼鏡単体として使用できることの他、EMSシステムに組み込む際にも、究極のスタビライザーとして機能します。さらにEMS側にもスライド式のスタビライザーを予定しているので、二重に万全になります。
倒立像ですが、8.4倍の双眼鏡としての光学性能は問題ありませんね。地上風景は、見慣れた正立の双眼鏡とは遠近が逆になり、酔いそうになりますが、天体では使えるでしょう。奇妙な遠近感ですが、双眼視の迫力はもの凄いものがありました。
EMSシステムの上に、カメラレンズ+(重量級)アイピースを載せる考えだと、絶望的なトップヘビーになり、架台へのセット方法に苦慮しました。今度は発想を逆転し、質量比で圧倒的なカメラレンズ+アイピースをしっかり連結し、軽いEMSをその先にセットすることにしました。 ジンバル雲台側も新たなカスタマイズを予定しており、材料を発注したところです。
どちらにしても、手持ちでは扱いにくく、架台込でプランを練る必要があります。
超絶広視界で光学性能も良好な双眼鏡が実現することは、多角的に検証できたので、運用時のバランスの問題が最後の関門です。
今回の検証でも痛感しましたが、EMSのXY調整の威力は絶大ですね。たとえ超低倍のBINOであっても、XY調整機構の存在はBINOにとって大きな福音です。
垂直回転ユニットのアリミゾクランプのチップの材料(真鍮棒)です。
所定の長さにカットした端面に偏心穴を加工します。センター穴だと加工が楽なんですが、それだと、チップのテーパ面がくるくる回転してしまいます。あるいは、こうしたチップを一切止めて、単純にネジを尖端で押すので良ければ簡単です。(安物の架台は皆ネジ押しで、アリガタはすぐにボコボコになります。^^;)
これは最終的な穴ではなく、材料を治具に固定するためのネジ穴のための下穴なので、一回り小さい穴径です。
中軸架台1台分のクランプチップの材料を治具に固定したところ。
VIXEN規格のアリガタ用に、15度(75度)の角度で先端をテーパ加工したところ。
治具から外したチップは、まだ次の工程が待っています。
たかがクランプネジの先端部品1つだけで、これだけの工程があります。
ユーザーさんは一般に結果しか見てくれないので、これだけ努力しても、結構、重箱の隅をつついてくれます。もちろん、中には感動してくださる方も少なくはないですがね。まあ、一般に、自作マニアから物作りのプロになった瞬間から始まる試練であって、それに鍛えられて製品が成熟して行くわけだから、愚痴ってはいけなんですがね。
ただ、物作りをして行く上で、一番辛いのは、「最初から自前の調味料のセットを持参してシェフの料理のテーブルに着く方が多い。」ということです。シェフの心理としては、まずは出された料理をそのままの味で味わって欲しい!ということです。最初に”疑い?”が生じても、食べ終わる頃には納得してくれるはずです。一応、そのまま何回か食べた上で、味について意見があれば、建設的助言として、シェフも素直に聞くでしょう。
そこには、天文マニアの独自性志向というか、使い方に於いても、独自の物を構築したい!という欲求があるのだと思います。 だから、製作者の想定外の使い方をする人が多くなる。