Another EMS-UL SET for Japan completed !

Never touch the XY knobs before completing the Binoscope!
Note the zero position of the XY Knobs!
 10年戦士のBINOユーザーで、XYノブの原点を完全に誤解している方がおられました。その方によると、ノブを反時計回りに目一杯に回した所が原点でした。^^;(現在、海外より急患搬送中)
 最初に届いた状態が原点です。今日は、敢えて原点をお示ししました。

Center screws of the XY knobs / XY 調整用のセンターネジ作製

 もの作りの鉄則は、”なるべく(自分で)作らないこと!”であり、小ネジ等、大量に使用するパーツは、当方のような零細個人企業であっても、大抵千個~万個単位で調達します。ネジは、注文個数で単価が激変するパーツの代表です。疑われたくない(誇張していると思われたくない)ので、下に1万個のネジの袋(半分ほど消費した残り約5,000個)の写真を掲載しておきます。

全長6mmではどうしてもだめで、規格外の7mmの物を特注したネジです。
 で、それを承知で、なぜ上のXYノブの中心ネジを手作りしているか?ですが、ぴったりの市販品がなく、どうしても譲れない構造だったからです。リミッターが機能しないといけないので、基本、ネジはぐるぐる回せない。回せないと組付けられないわけで、どうしても、中心ネジとカムつまみを分離して、最後に固定(接着)し、原点矢印シールを貼るのです。 接着するのは、ユーザーさんが悪さをしないためです。^^;
 で、該当者には何度も引用して申し訳ないけど、その機構に不満な方もいたようで、破壊して自前のネジに交換していた方がいました。 次の写真を見てください、中心ネジが通常のプラスネジになっています。

ユーザーさんが滅茶苦茶をして急患で戻ったEMSです。
 にっちもさっちも行かなくなった時に、自分のそれまでのやり方や技量を疑うより先に、製品を疑ってしまう! まあ、ある意味、人間の性(さが)かも知れないね。
 特に視覚から入る情報には、とかく私たちは頑固になりますからね。自分の目でこう見えているから間違いない! → 製品に欠陥があるに違いない → 自分で改良?してやる。 と、大体こういう流れになるようです。


Another EMS-UL SET in the making

I am truly sorry for everyone who is waiting for the “turn”.
This is the order from Japan dated 11/7,2024, and another 3-orders in November will follow.
 バックオーダー諸兄を長くお待たせして、本当に申し訳ございません。
去年の11月分のオーダーが本件の他にあと3件、12月分が6件ございます。今しばらくお待ちくださいますよう、なにとぞよろしくお願いいたします。

Objective Unit completed (70ED-BINO) / 対物周りが完成しました!

 クライアントは、「巻き付けフードを自前で調達するので、対物レンズは素材セルもままで良い!」とおっしゃったものの、裸のセルのままだと、何かと指が対物レンズ前面に触れるリスクが高いし、フードを巻き付けるにしても、対物ユニットに一定の平行部分の長さがないと、綺麗な円筒を形成できなはず。そこで、見た目も重視して、考え抜いた結果がこれです。↑ 最終的にフード尖端には補強と先絞りを兼ねたリングを装着。82フィルター用のキャップもぴったり!

 このように収まりました! クライアントさん、いかがですか?^^

Another EMS-UL SET in the making

一定数の塗装済みハウジングが確保できましたので、しばらくは正常に作業が流れます。

 工程のほぼ実況中継を数十年続けておりますが、漠然と眺めるのではなく、自分で作る視点で見ていただきますと、使用する段階で困らないかと存じます。ネジの1本に至るまで意味があります。
 自問いただき、答えられない部分は、理解できていない部分です。ご質問いただきさえすれば即答いたします。

PLAN-3 of the 2″-Helicoid Focuser / 2″ヘリコイドフォーカサー、再トライ!

 無駄なことですが、ネット上のスペック表だけでは分からない部分が多く、最初のヘリコイドは没になりました。新たなヘリコイドはまだ届いていませんが、今度はうまく行くはず。
 外径は同じで、オスネジがM52、今度ははるかに2”スリーブの接続加工が楽になります。
また、前回妥協したヘリコイドのストロークはわずか5㎜、今度発注しているのは、本体のストロークは14㎜あり、今回の全長制限のために、10㎜分のストロークを利用します。前回の2倍で、一応目的には十分と思います。
 NIKONのNAV17mmの挿入長が58mmあるそうで、対応を考えてみましたが、そのまま対応すると、全長が長くなり過ぎるため、上記の妥協点としました。(同焦点リングを使いましょう。)EMS標準の58mm2”スリーブの挿入長 ≒ 41mmなので、6mmの延長です。
 図の解説をしておきます。
 水色が2”スリーブ、EMS用の2″スリーブを追加工します。黄色がM52-M52ヘリコイド、紫色は、接続用のアダプタ―(自前追加部品)。図は縮退状態。これより10㎜伸びます。

Plan-2 of the 2″ Helical Eye-Focuser

この方法で実現できることは示せました。
 加工は予想外に難航しました。問題は、今後も同じ仕様を笑顔で受注し続けられるか?ということで、どうも却下です。
 5mmほどの調整ストロークのために、犠牲が大き過ぎますね。
製品として残すとすれば先発の38mm内径制限の物ですが、ユーザーさんはとかく、ない物ねだりするし、こんな物で35年の信用をスポイルしては割りに合わない。 完全撤退が無難かな?

The first step of 2″-through Helicoid Focuser cleared ! / 何とか最初の関門突破!(2″ヘリコイドフォーカサー)

The first hurdle is the reform of the “2” through machining. I am happy to be quite successful !
 まずは、問題なく2”スルーの追加工が出来るのか? 未知の問題が生じないか?
ということでしたが、これについては問題なく完了。

さらっと写真をUPすると、簡単に出来てしまったように見えると思いますが、結構難航しました。
まず、(これは事前に覚悟していましたが)内径完全スルーが目的のため、スリーブ内径を利用した勘合は禁じ手で、スリーブの外径も、然りです。
 部材が薄く、有効なタップが切れないことから、写真の上パイプ(スリーブ)は、ヘリコイド側より、メガネ用の極小ネジ(M1.4)6本でスリーブ端面をヘリコイドに固定しました。ネジ止めも、オーバーハングの隙間から行うため、かなりの難作業となりました。

 あれ、アイピースをセットするとヘリコイドが回らないぞ! 当然でした。左右で、ヘリコイド上と、ヘリコイド下のスリーブを用意し、段違いで干渉を回避させる予定でしたが、下のヘリコイド下は問題ないのですが、ヘリコイド上の方は、アイピーススリーブが上のパイプ(スリーブ)と下のパイプの両方をくぐっているわけで、バンド式と言えども、横からローレットネジを締めれば、下のスリーブの壁にもアイピースバレルが押し付けられることになり、ブレーキになって動かない道理でした。
 まあ、冷静に考えれば当たり前ですね。下側のスリーブ内径を少し削ってクリアランスを確保することで解決しました。

ヘリコイド下のスリーブはまだ完成していませんが、すでに完成したヘリコイド上のスリーブを天地逆にして、ヘリコイド下のスリーブのイメージを撮影しました。
 この使い方であれば、アイピースのバレルは上のパイプだけにセットされるため、上下のパイプの微妙なアライメントは気にしなくて済みます。
 ということで、ヘリコイド上の方のスリーブの組付けには注意が必要だということを学んだ次第。

  以上、2インチスルーのヘリコイドフォーカサーが実現可能なことは検証しましたが、継続モデルにするかどうかは、まだ確定していません。まずは、作業に習熟して、各工程が楽にこなせるようにならないと、その気になれませんね。^^;  まあ、初めてでしたからね。次回からは少しは楽になるとは思いますが。

Strong Candidate of the 2″-through Helicoid / 2-インチ貫通ヘリコイドの有力候補届く!

候補のヘリコイドがやっと届きました。
 最大の関心は、追加工で2”完全スルーが確保できるか?という点でしたが、それはクリヤーしていることを確認しました。
 次は、外径は供給側も(恐らく消費者側も)頓着ないのか、スペック表に記載がなく、ネットの写真から按分して68mmΦくらいと試算していたのが、不幸に1mm大きかった。ただ、何とか妥協できる範囲。相手側の2”スリーブに穴を開けない前提で、段違いで使用して何とか最小目幅60mmが目指せる見積りでしたが、61mmくらいまで妥協しないといけません。
 どうして2”スルーに拘るかと言うと、一つには、30mm~40mm クラスの視野環径が極めて大きい、正のアイピースに対応するためですが、それ以上に、重くて挿入長の長い2”アイピースをいかに低重心で接続するか?の方が重要かも分かりません。30mmX100度なんてアイピースは無いし、仮に出来ても、双眼では最初から目幅NGですからね。スリーブの有効内径は38mmもあれば十分だったんですが、2インチスルーのヘリコイドで、アイピースが深く挿入でき、全体としてlow-profileで治まることが大きいわけです。
 2”スルーのヘリコイドの外径がどうしてもこのくらいになるのは、先日もご説明した通り、直進ヘリコイドの3層構造に宿命があります。その昔、各層を極薄にして、外径64mm程度の物がBORGから供給されていた時期がありましたが、剛性が低く、トラブルが目立ったものでした。
 ということで、外径が69あるのは、むしろ、良心的な精度剛性の裏返しということでもあります。