12cmF5-BINO by Mr. Y in Japan

 アイフォーカサーを使用することで、メインフォーカサーを省き、かつ必要十分なバックフォーカスを確保された賢い設計です。F5ともなると、12cmでも-UXLの効果が奏功しますね。

EMS-UL SET for C8-BINO completed !

Dear Client,
EMS is not a LEGO-BLOCK for toddlers. If you do not have enough skill and knowledge of optics, the bit wall will stand in front of you. Then you will be judged if you have enough skill of Binoscope Making or not.
But, Please contact me as soon as you meet a wall. I will assist you with all my might.

EMS-UL SET for C8-BINO in the making !

 延長管のセット方法はパズルのようにいろいろあって、都度、過去の反省と共にいろいろ工夫しています。 本例ほど延長管が長いと、ヘリコイドもハウジングに嵌入(メス接続)させる必要がなく、その意味では楽です。
 ご希望のDをお尋ねしたら、”280mm”という答が返ってきて、「ちょっ、ちょっ、ちょ・・・・」と驚き、245mmくらいで妥協いただきました。(自作中軸架台にでもセットするつもりだったのかな?)
 このEMS-ULセットと、もう一つ、EMS-UMAセットを納品すれば、去年の12月末までの受注分が消化できるのですが、果たして、入院(3/31)までに間に合うか? 昨日は両親の法要(7回忌と13回忌)もあり、怒涛の日々で、病身には応えます。^^;

EMS-UL for the single use completed !

 これが納品できましたら、去年の12月受注分はあと2件となり、何とか入院(3/31)までに全て納品できると思うのですが。
(円滑なコミュニケーションを期待します。)

Dear Richard,
Please let me know of your shipping address ASAP!

Two EMS-UMAs for the single use completed !

 並べて撮影しましたが、BINO用ではありません。 右は、35年間で2回ほどしかご希望がなかった、逆シフト仕様(単体用)です。
 そもそも、EMSの創業期は、全て右眼(つまり現在からすると逆)シフトでしたが、早い段階で、見口とファインダーが干渉するというクレームが相次いだため、その後は全て左眼仕様に変更し、以後、クレームは皆無でした。
 むしろ、BINO用でこうしたリーズナブルな選択をする方が表れても良いものだと思っていましたが、35年間で一件もありませんでしたね。XY調整機構を自前で作る自信がないのでしょうね。まあ、賢い選択です。価格差以上の努力を強いられ、結果は煩雑になるのが明らかですから。

Two typical Stupid Claims for the EMS adjustment ! / 最も愚かな初期の誤解 2 例

 これは論外に近い問題で、ほぼご説明の必要はないでしょう。望遠鏡にアイピースをセットするのと同じで、角度位置はあなたが自由にセットすれば良く、なんでわざわざ斜めに?という話です。
 しかし、当初はこのレベルで悩む方もいるのですよ。双眼だからやりにくいのではなく、双眼だから簡単なんです。この初期セッティングのために治具まで必要になることはあり得ません。むしろ単体鏡筒で厳密に垂直を出すには、デジタル傾斜計や提げ振りが必要になります。

 これは前例よりは、やや上級者?の悩みですかね。^^
これでドツボにはまる方は、EMS-BINOを最初から誤解している方です。
 確かに、最初から左上の状態になれば、実にハッピーであり、何のご不満もないと思うけど、よく考えてみてください。単体で使用する前提の鏡筒に、単体で使用する前提のアイピースを使用する前提のBINOが、EMS-BINOです。もとより、鏡筒パイプ軸と光軸が完璧に一致している保証などないし、そうしたミクロの誤差以前に、あなたの眼の視軸が完璧なのか?ということもあります。前者のマテリアルの精度は、角度にして、秒か分の単位の議論ですが、あなたの眼の視軸は、数度の単位で軽く浮動します。斜位の傾向があればさらに顕著です。
 鏡筒をいくらか上下に振って初期調整をすれば、上図右のように、微妙にスリーブ天面に段差(図は強調したもので、斜位がなければこんなにずれることはありません。)が生じるのは当たり前です。
 そのような現象が出た時にどう対処するか?の話です。
  100点満点の精度の素材を何個組み合わせても100点だ!という硬直した考えではいけません。
  微妙な左右の段差は、EMS全体を同方向にほんの少し回転させれば消去できます。

 一般的に申し上げて、光学のプロフェッショナルを自認する方ほど、素材の剛体精度で全てが解決するという誤った確信を持っているようです。その路線で進化して来た市販の変倍式の大型双眼鏡、100年経っても、100倍辺りで光軸が曖昧になりますよね。
 EMS-BINOは剛ではなく、柔の発想でその光軸の問題を解決するものです。
XYミラーチルト機構も、一種のスプリングを利用した浮動機構で、ガチガチにミラーを固定したものではありません。 アイピースの交換や、鏡筒の個性、重量によるタワミ、観察者の視軸の個性、諸々に速やかに円満に対応できるためには、”柔”の発想が必須だったという基本、早い段階で分かって欲しいな!と思うわけです。
 上図の右上の状態になって、スライド台座メーカーや私にクレームを入れるのは、筋違い、というわけです。あなたの鏡筒のチョイスと、あなた固有の視軸の癖の結果なんですから。


The right Unit only of EMS-UMB

 EMS作りも晩年にさしかかり、危機感から敢えて無遠慮に申しますが、製作情報コーナーの記事の意義をよく理解していただきたい。
 まず、「投稿された記事が、自分がオーダーした物か?あるいは他人さんの物か?」感心があってしかるべきと思うんだけど、大方の皆さん、なぜか淡泊で、全く質問もなければ、感激のコンタクトもない、だから、送り先の住所も知らせて来ない。
 また、ネジ穴(バカ穴)1本の意義についても少しでも疑問があれば質問して欲しい。
それは、いずれご使用いただく上で、非常に栄養になるからです。漠然と見るだけでは、理解は進みません。ご質問いただけば、そこから会話が発展し、さらにご理解が深まる。

EMS-UM(旧-US)は、こうした工夫で、接続ロスを2㎜の最小限に抑えることに成功しています。
(勘合の仕組みのご説明のための写真でした。右仕様なので、ねじり角が逆でしたね。)