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一定数の塗装済みハウジングが確保できましたので、しばらくは正常に作業が流れます。
工程のほぼ実況中継を数十年続けておりますが、漠然と眺めるのではなく、自分で作る視点で見ていただきますと、使用する段階で困らないかと存じます。ネジの1本に至るまで意味があります。
自問いただき、答えられない部分は、理解できていない部分です。ご質問いただきさえすれば即答いたします。
Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
無駄なことですが、ネット上のスペック表だけでは分からない部分が多く、最初のヘリコイドは没になりました。新たなヘリコイドはまだ届いていませんが、今度はうまく行くはず。
外径は同じで、オスネジがM52、今度ははるかに2”スリーブの接続加工が楽になります。
また、前回妥協したヘリコイドのストロークはわずか5㎜、今度発注しているのは、本体のストロークは14㎜あり、今回の全長制限のために、10㎜分のストロークを利用します。前回の2倍で、一応目的には十分と思います。
NIKONのNAV17mmの挿入長が58mmあるそうで、対応を考えてみましたが、そのまま対応すると、全長が長くなり過ぎるため、上記の妥協点としました。(同焦点リングを使いましょう。)EMS標準の58mm2”スリーブの挿入長 ≒ 41mmなので、6mmの延長です。
図の解説をしておきます。
水色が2”スリーブ、EMS用の2″スリーブを追加工します。黄色がM52-M52ヘリコイド、紫色は、接続用のアダプタ―(自前追加部品)。図は縮退状態。これより10㎜伸びます。
The first hurdle is the reform of the “2” through machining. I am happy to be quite successful !
まずは、問題なく2”スルーの追加工が出来るのか? 未知の問題が生じないか?
ということでしたが、これについては問題なく完了。
さらっと写真をUPすると、簡単に出来てしまったように見えると思いますが、結構難航しました。
まず、(これは事前に覚悟していましたが)内径完全スルーが目的のため、スリーブ内径を利用した勘合は禁じ手で、スリーブの外径も、然りです。
部材が薄く、有効なタップが切れないことから、写真の上パイプ(スリーブ)は、ヘリコイド側より、メガネ用の極小ネジ(M1.4)6本でスリーブ端面をヘリコイドに固定しました。ネジ止めも、オーバーハングの隙間から行うため、かなりの難作業となりました。
あれ、アイピースをセットするとヘリコイドが回らないぞ! 当然でした。左右で、ヘリコイド上と、ヘリコイド下のスリーブを用意し、段違いで干渉を回避させる予定でしたが、下のヘリコイド下は問題ないのですが、ヘリコイド上の方は、アイピーススリーブが上のパイプ(スリーブ)と下のパイプの両方をくぐっているわけで、バンド式と言えども、横からローレットネジを締めれば、下のスリーブの壁にもアイピースバレルが押し付けられることになり、ブレーキになって動かない道理でした。
まあ、冷静に考えれば当たり前ですね。下側のスリーブ内径を少し削ってクリアランスを確保することで解決しました。
ヘリコイド下のスリーブはまだ完成していませんが、すでに完成したヘリコイド上のスリーブを天地逆にして、ヘリコイド下のスリーブのイメージを撮影しました。
この使い方であれば、アイピースのバレルは上のパイプだけにセットされるため、上下のパイプの微妙なアライメントは気にしなくて済みます。
ということで、ヘリコイド上の方のスリーブの組付けには注意が必要だということを学んだ次第。
以上、2インチスルーのヘリコイドフォーカサーが実現可能なことは検証しましたが、継続モデルにするかどうかは、まだ確定していません。まずは、作業に習熟して、各工程が楽にこなせるようにならないと、その気になれませんね。^^; まあ、初めてでしたからね。次回からは少しは楽になるとは思いますが。
Since I had suffered leukemia, I have less appetite and my wife put a lot of thought into each meal.
Yesterday was a Valentine Version!
一昨年から深刻な病気(悪性リンパ腫と白血病)に罹患して、最近はめっきり食欲が落ち、家内がいろいろと工夫をしてくれます。 昨晩は”バレンタイン・バージョン”だそうで、お陰で完食できました。
幸い、同病気は、実は全く痛くも痒くもなく、ほぼ週一で輸血(赤血球と血小板)を受ける以外は、普通の生活が出来ていますのでご安心ください。 ただ、これと関連があるのかないのか?最近は最高血圧が90代と非常に低くなり、母が終生苦しんでいたメニエル病?のめまいの発作が定期的に襲うようになった方が何倍も辛いです。1時間も安静にしていれば大抵治るのですが、発作の最中は強度の船酔いと同じで本当に辛い。家族を巻き込み、申し訳なく、また感謝あるのみ。
候補のヘリコイドがやっと届きました。
最大の関心は、追加工で2”完全スルーが確保できるか?という点でしたが、それはクリヤーしていることを確認しました。
次は、外径は供給側も(恐らく消費者側も)頓着ないのか、スペック表に記載がなく、ネットの写真から按分して68mmΦくらいと試算していたのが、不幸に1mm大きかった。ただ、何とか妥協できる範囲。相手側の2”スリーブに穴を開けない前提で、段違いで使用して何とか最小目幅60mmが目指せる見積りでしたが、61mmくらいまで妥協しないといけません。
どうして2”スルーに拘るかと言うと、一つには、30mm~40mm クラスの視野環径が極めて大きい、正のアイピースに対応するためですが、それ以上に、重くて挿入長の長い2”アイピースをいかに低重心で接続するか?の方が重要かも分かりません。30mmX100度なんてアイピースは無いし、仮に出来ても、双眼では最初から目幅NGですからね。スリーブの有効内径は38mmもあれば十分だったんですが、2インチスルーのヘリコイドで、アイピースが深く挿入でき、全体としてlow-profileで治まることが大きいわけです。
2”スルーのヘリコイドの外径がどうしてもこのくらいになるのは、先日もご説明した通り、直進ヘリコイドの3層構造に宿命があります。その昔、各層を極薄にして、外径64mm程度の物がBORGから供給されていた時期がありましたが、剛性が低く、トラブルが目立ったものでした。
ということで、外径が69あるのは、むしろ、良心的な精度剛性の裏返しということでもあります。
実は、このヘリコイド式のアイフォーカサーは、すでに3年前に完成していましたが、この度、追加工の徹底した合理化を試み、準備を整えました。
追加工は1と5だけに限定し、後は市販のヘリコイドと変換リング類を組み合わせました。
目幅の外径制限から、内径が2”スルーにならないことは仕方ありません。
内径38mmということは、昨今の100度クラスの31.7兼用バレル仕様(20mm以下)にはお釣りがでる内径です。
ただ、どうしても内径2インチ・スルーに拘る方のために、これとは別の物を計画中です。
内径2”を確保すると、外径はどうしても67mmくらいになるため、短いヘリコイドを段差で使用して干渉を回避するものです。
40個分のハウジング、やっと塗装工程(外注)に送れます。
35年前、EMS作りを始めた頃は、父が塗装担当でした。焼き付け塗装の装置も自作でした。
この塗装(加工)前の元ハウジング、ほぼ一生分(数千個)を確保していましたが、もうすぐ払底します。3年は持つか?と思っておりましたが、最近の駆け込み注文で、もう1年分くらいしか残っていません。地元のダイカスト業者さんが廃業し、本来は私に所有権があったダイカスト型も、老朽化もあり、スクラップになったので、再開の手立てもありません。^^;
長い間お世話になりましたが、いよいよ廃業のカウントダウンが始まりました。
自由になった後は、より独創的な研究に没頭したいと思っております。(最後の貴重な在庫は、リピーターの方々のメンテのために確保しておきたいと思っています。)