9/24にご紹介していた Finder-BINOをジンバルマウントに載せてみました。
目幅送り機構も多く製作しましたが、この究極までシンプルな目幅半固定方式、10倍前後以下のFINDER-BINOには、おおいに、”あり” の方法ですね。
Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
9/24にご紹介していた Finder-BINOをジンバルマウントに載せてみました。
目幅送り機構も多く製作しましたが、この究極までシンプルな目幅半固定方式、10倍前後以下のFINDER-BINOには、おおいに、”あり” の方法ですね。
Very sorry to be late, and thank for waiting patiently!
私がいつ目をつぶっても困らないように、像回転の調整について、再度まとめてみました。
EMSの取り扱い業者さんや、10年、20年戦士のEMS-BINOユーザーの方には、理解しておいていただきたかった内容です。当サイトのサポートコーナーにも類似記事を掲載していますが、改めての投稿です。
例として取り上げた、Situation-1 は、右のEMSの対空角度が<90度の方向にずれていて、左のEMSのそれが>90度の方向にずれている状態です。左右のEMSの第2ユニットの接続角位置が、右は時計回りで、左も同量だけ時計回りにずれていると、像については、ユーザーさんは全くずれている自覚はありません。相対的な誤差が無いからです。図は極端に図示していますが、仮に、いつも見ている鉄塔が左右共1度同じ方向に傾斜していても、何らの支障もありませんから。
そうしたご相談を受けることは比較的多く、都度ご説明するのですが、「現状で像の(相対的な)倒れが無いのだから、接続角をいじれば、像が倒れてしまう。左右の像を平行にすると、接眼部がねじれる!」と、理解される方も少なくないようです。
古い手描きの説明イラストをご紹介します。↑
EMSの第2ユニットを90度対空から直視の状態まで回転させた時の像回転をご説明した図です。
図からお分かりのように、対空角度を90度→0度と回転させる間に、左右の像は互いに鏡対称的に外回りで180度回転します。(単純な倍角の線形関係ではありません。左右の第2ユニットも時計回り、反時計回りに回す。)
これが、左右のスリーブの平行を完璧にキープしたまま、左右の像の相対的な回転が修正できるという、特筆すべきEMSの特長を表しているのです。
再度、今回の実例に則してご説明しますと、
右のEMSは対空角度が<90度なので、第2ユニットを少し反時計回りに回す必要があります。
当然、像も同方向に回転しますから、一時的に相対的な像回転を生じます。
次に、左のEMSは対空角度が>90度なので、こちらも少し反時計回りに回す必要があります。
この時像は反時計回りに回転します。同じ方向に第2ユニットを回転させて修正するので、ねじれの修正をしても、相対的な像回転は防ぐことが出来るわけです。
目からウロコが落ちた!と思われたら、ご一報いただけると幸いです。^^
皆さまのお励ましのお陰で、持病と付き合いながらEMSを製作しておりますが、どちらにしても、個人事業故、そう長くは続けられません。特に、ロット(数量と投資額)が大きいパーツの再仕込みにつきましては、躊躇せざるを得ず、今後、パーツの在庫切れと同時に、一部製品の製作を休止せざるを得ない状況が出て来ると思います。 たとえば、標準のヘリコイドは後数台分で払底します。
まず、三脚がなぜ倒れやすいのか?について考えてみた。
図は三脚を真上から見たところ。ABCは三脚の石凸点が作る正三角形。
ユーザーさんの多くは、何となく、三角形ABCの外接円の安定性を期待してしまっているのではないだろうか?
残念ながら、三脚の宿命として、脚の股の中央については、内接円の範囲しか安定性が期待できないのです。この、期待と現実のギャップが、使用法の間違いや不注意を誘い、転倒してしまうのだと思う。因みに、内接円の半径は外接円のそれの半分、面積は1/4である。
一度倒した人は、運用方法を改めない限り、また二度、三度と倒す傾向がある。
一般的な斜めフォーク架台、昨今の強引にウェイトを廃除したフリクションに頼った力技の架台等、特に要注意だ。そのような使い方をしている方は、一度、架台を不幸な方向に向けて、どのくらいの外圧で転倒するのか、確かめておかれた方が良いと思う。
・・・で、今回ご提案したいのは、命綱と言うべき、三脚のスタビライザー。ほとんど追加工なしで出来る方法をご紹介します。^^
当初は自作を考えましたが、結局は、ほとんど市販パーツで構成できることが判明。
使用したのは、上の写真のパーツのみでした。
組み立てて見たところ。
三脚のスタビライザーとしての応用例!
赤い線からはみ出した部分がスタビライザーの効果!
(モデルに使用した475B三脚は、開き角が自由に設定できるため、こうしたスタビライザーは不要です。昨今の開きが小さいカーボン三脚等には福音となるかと。開かない、かつ軽い三脚は、倒れてくださいと言っているような物!)
左の位置調整用のアルカプレートは、有り合わせの物を応急的に付けましたが、ずっと短い物で良いです。(10㎝程度で十分でしょう。)
本来の鏡筒がパイプの前に取り付くのではなく、EMS-UXL+カメラレンズ+アイピースが全て手前側に取り付くので、メガネプレート部は前にシフトさせて重心調整する必要があるわけです。
最初のモデルは、送りネジが偶力を生じて、光軸が安定しないことが判明したため、偶力が発生しないように、送りネジを中央に移動しました。(写真は実験用リングなので、厚み形状が最終形と異なります。)
すでにEMS-UXLを通常のBINOで運用していれば、それを即利用しない手はありませんね。
物空間配置のヘリコイド目幅調整、面白いことに、ピント移動が生じません。(落ち着いてお考えいただけば理由は自明。)
本来、EMSのアイピースを挿入する部分に、倒立像の超広角望遠鏡(たとえばカメラレンズ+アイピース)をセットすれば、光軸調整と目幅調整の機構が完備した超広角で正立像の双眼鏡が完成するわけです。
まだ、ほとんど誰も注目しない。 それはそれで、醍醐味でもありますね。