Askar 120 APO-BINO in the making -2

This is the first and the last Model of thermal radiation reducing version.
最初にして、最後?の熱放射抑制-Version (氷点下での結露抑制効果狙い)です。
(ヘリコイドも、在庫限りの超寒冷地仕様です。)

Another lot of Larger EMS-Housings ready to be painted !

EMS-UXLも、あと10セットくらいをめどに製作を中止する予定です。
 純粋な個人営業ですので、永久に続けることは出来ません。3年をめどに一般向け及び業者さん向けの販売は中止し、以後はリピーターさんや友人のアフターに限定する予定です。

松本の光学講座 2024;Take a Break!/Quiz / ちょっと息抜きのクイズ

 先日、9歳の天才少年が考えたクイズを、親御さんがFACEBOOKに投稿しておられた問題からの、応用問題を作ってみました。^^

いろんなアプローチがあると思いますが、出題者の意図は、上図の通りです。
”三角形の一つの角の外角=他の2つの角の和”; 近軸幾何光学で頻出するんです。

松本の光学講座 2024;Roundup/ 総まとめ

 上の図が、一般的な近軸結像公式です。すでに中学校で習っておられるはずですが、物点位置、像点位置に符号(±)を考慮した一般式になっています。レンズより左は(-)、右は(+)です。
一般的な近軸結像公式は、s (物点距離)、s’ (像点距離)、f (焦点距離)の3つのパラメーターの関係式で、その内の1つが分からない時に、その数値を求めることが出来ます。

 下の図は、距離の代わりに、光線の特定位置(この場合はレンズ上の光軸からの高さ)に於ける光線の角度(h/sで定義された角度)を使用します。もともと両者は同じ数式を変形したものであり、下の図の方法は、計算の効率を上げるのに有効です。
 h が加わることで、パラメーターが4つになったようで、混乱されるかも分かりませんが、hは、αを定義する時にすでに設定しているわけですから、心配無用です。途中で尺度を変更しない限り、初期値は任意の数値を設定すれば良いのです。この h が後で、凄い役割を発揮するのですが、実際に運用して見られたら分かります。

Cherry blossom viewing after several years! /久しぶりの花見

私は滅多に腰を据えた花見をしない。前回は何年前だったかも覚えていない。
「時間は作るものだ!」とよく言われるけど、いつも何かに追われている感じがして落ち着かないのは、どうやら自分の性格のようで、治りそうもない。
 今回は、義理の妹夫婦の勧めで、穴場(私は知らなかったので^^;)の花見スポットを案内してもらった。当家は鳥取城跡から徒歩5分で、花見と言えば、鳥取城跡しか知らなかったけど、この国府町の歴史的水道施設跡地は、静寂で秘境感もあって、すごく良かった。

戦前の欧風の施設が実にノスタルジックで良かった。

殿ダム周辺も途中下車しながら散策させてもらった。
 久しぶりに日常を離れて、良い空気を吸わせてもらった。
義妹夫妻に感謝!


松本の光学講座 2024;Take a Break!/Proposal of the Innovative Binoscope ! / ちょっと休憩 / 常識破りの 巨大BINO の提案!

 逆視のニュートン反射双眼が一般的なので、屈折式で逆視がいけないという法律はありません。^^;
屈折式の場合、2回反射で図の構成が実現し、裏像になりません。 また、倒立像でも、左右の眼が交代しているので、立体視も破綻しません。(遠近が逆にならない。)
 観察者が観察用ゴンドラに乗るか、フロアが水平回転軸と連動して回転するターンテーブルになっているか、そうした超巨大なシステムに適した方法かと思います。
 鏡筒の真下に広い空間がないと窮屈ですが、据え付け架台ならどうにでもなりますね。
 予算がふんだんに使える巨大BINOプランであれば、巨大なEMSを用意すれば済むことですが、この方法は、既存のパーツや技術が利用できる利点があります。
 一つ残念なのは、ミラーシステムの回転による目幅調整が出来ませんけどね。これは光学の原理の問題なので仕方ありません。

 2枚鏡システムをロンボイドプリズム(菱形プリズム)風に構成して直視で見る方法が一般的ですが、巨大なシステムでそれをやると、仰角の変化による見口の高さの変化が著しいのと、遠近感が逆転するのが致命的ですね。巨大BINOの圧倒的な利点ですからね、立体感は。
 180度俯視(逆視)の場合は、人間工学的に、見口の高さの変化に対応しやすいですからね。


松本の光学講座 2024;Your face in the 3-kinds of mirrors/ 3 種類の鏡で見たあなたの顔

右眼が効き目だと想定した図です。
逆に、効き目をミラーの合わせ線(稜線)が貫くため、効き目のチェックにもなります。
 左が、普段ご使用の通常の鏡です。
中央が直角2枚鏡、右がコーナーキューブです。
1回反射の左の鏡と、右の3回反射のコーナーキューブは、鏡全体を回転させてもあなたの顔は回転しません。中央の鏡(2回反射)は、鏡を視線の回りに回転させると、その2倍角であなたの顔が同方向に回転します。

松本の光学講座 2024;Amazing Mirror System/ Corner Cube/ 格好の教材、コーナーキューブ

x-y-z 座標の3平面を全部ミラーにしたらどうなるか?
入射光線ベクトル (a, b, c) は (-a, -b, -c)となって、180度元来た方向に折り返します。
 これの巨大なのを月面に据えて、地球から強力なレーザーを照射すれば、往復時間から距離が測れます。盾に使えば、レーザー攻撃を相手に返せます。
 立方体の角を切り取った構成になるので、これを”コーナーキューブ”と言います。

 まだ実例はないけど、双眼望遠鏡に適用できることを随分前にも提案しました。
2枚鏡(book型)の場合、自分の顔を写してミラーシステム全体を視線の回りに回転させると、像は2倍角で回転しますが、コーナーキューブは、全系を回転させても像は全く回転しません。奇数回(3回)反射なので裏像になりますが、逆にそれが功を奏すのです。

 2+3 がコーナーキューブになるわけですが、天頂ミラー+EMS(もしくはAMICIプリズム)で代用できるわけです。上の図では、3つ目の素子で2回反射するので、合計4回反射になります。
 反射回数は増えます(と言っても、通常の双眼鏡と同じですが)が、目幅シフトを稼ぎやすく、光路長が変化しない、回転による目幅調整が可能になるため、より巨大なシステムに適しています。
 EMSやAMICIのような光学的にデリケートな素子は小さく、眼の直近に配置でき、対物寄りのミラーは、通常の45度入射の一般的なミラーが転用できるため、コスト的に非常に有利になります。
 さらに、重いアイピースによる重心のアップが、90度対空型での懸念材料になっていましたが、このシステムはアイピースによる重心移動を緩和もしくはキャンセルする効果もあります。

松本の光学講座 2024;復習8 How to estimate the principal points /主点位置の推定方法

 主点の意味を理解したり、その位置を推定するのには、平行平板の振る舞いを見るのが有効です。
一番上が平行平板を通る光線です。前面と後面が全て平行なので、入射光線は食い違いながらも平行に射出します。赤い点が物側主点、青い点が像側主点になるのは、全て共通です。
 次に平凸(凸平)レンズを考えてみます。前面の頂点の接平面と後面は平行なので、上の平行平板と同様に考察できます。
 最後に、メニスカスレンズを考えてみます。
  どこかに平行平板が隠れていないか?ということです。1-C1 と 2-C2が平行になるような光線が必ずあるはずで、それを図示したのが、一番下の図です。(C1,C2はそれぞれ、前面、後面の球心です。)1-C1 と 2-C2が平行ということは、1と2の接平面同士も平行ということになり、平行平板と全く同じように光線が振舞うことが明らかです。


 赤い線と青い線は、それぞれ、物側主面と像側主面であり、物側主面に高さhに向けて入射する光線は、像側主面の同じ高さhから射出することが分かっています。
 この2面のことを、「横倍率=+1 の共役面」と言います。倍率というと、どうしても、実際の物と像の結像を類推してしまうと思いますが、単凸レンズによる物と像が同じ大きさになる場合は、倍率=1ではなく、-1(倒立)になり、横倍率=+1 倍になる主面同士の関係とは異なります。
 厳密には、図は節点(角倍率=+1となる共役点)の説明なのですが、空気中のレンズでは、主点と節点が同じになるので、節点でご説明した次第です。