

ハンドルロッドを保持してアリミゾ(ファインダー台座)で着脱する部品の加工が結構煩雑で、何とかシンプルに出来ないか?と模索して来ました。
問題は、基部の台形のアリガタ部分ですが、パイプ外面を六角面取り加工してから2分割する方法を考えました。
最初から六角棒を使用するのも良いですが、六角棒はサイズによって切り売りしてくれず、長尺物を買わされることも多く、また高価。 しかも中央に穴加工をしたい。 総合的に考えて、厚肉パイプを使用するのが良いと判断した次第。
Innovation of Astronomical Telescope
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。
Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
The clamping mechanism was changed from the chucking system to the stronger slit clamp.
クランプ機構を同軸チャックから、より強力なスリットクランプに変更しました。 同軸チャックはシンプルで理想的と思ったのですが、極端な加重に対してスリップする傾向が見られたことと、微動ノブとチャックの距離と暗がり(しかも手袋使用も考慮)での操作性に問題がありそうだったためです。(同軸チャックは、他の目的でまた威力を発揮するはずです。)
フランジ(鏡筒パイプ末端の白い部分)の後ろにフォーカサーが来るのが通常ですが、このフォーカサーは、フランジを合焦メカに取り込み、ドローチューブがローレットネジ付近の15mm程度だけを残して、全て鏡筒内に縮退します。ゼロ・プロファイル(Zero-Profile)というのは、そういう意味です。 それにより、鏡筒を切断することなく、所定のバックフォーカスを余裕で確保できました。
「暗がりで目盛りが見えるか?」と言われそうですが、まずは昼間に十分に使用して、微動ノブの回転とドローチューブの移動速度を感覚的に身に付けてください。(微動ノブ1回転=1.5mm) また、目盛りは手持ちのアイピースのピント位置の誤差を把握するのに便利で、誤差が分かれば、同焦点化の対策も立てやすくなります。
The EMS-UXL SET has just arrived at my client in China, and it is his first report of his fantastic project!
言語の壁を越えて、こうしたプロジェクトに挑戦されること、大いに敬意を表したいと思います。
今でも私はこの架台の主旨には、ベアリングは不要だと思っていますが、重箱の隅をつつくのが天文マニア、7~8台目の方が、台所用の計量器をBINOに押し付けて、水平回転の初動の負荷を360度に渡って表を作成して負荷のムラを指摘され、重い腰を上げて採用したのがスラストベアリング、その後、スラストベアリング仕様を標準としました。
ところが20台目くらいの方から、それでも水平回転が渋いというご指摘があり、ラジアルベアリングをさらに追加したのですが、結局はその方の場合は、要求がさらに上回り、最終的に返品になりました。ただ、その方以外は、スラスト、ラジアルのベアリング仕様で十分にご満足いただいています。(依頼、ラジアル、スラストベアリング内蔵が標準です。(価格据え置き)
もちろん、私もより良い製品を作ろうという向上心は常に持ってはいますが、総重量2.5kg程度の架台の主旨(遠征用に特化した超軽量コンパクト架台)やトレードオフをご理解いただいた上でご注文いただけると幸いです。
エンコーダの回転止めのセットスクリュー(芋ネジ)は、不必要に強く締めないでください。未だ事故は生じていませんが、樹脂製のエンコーダハウジングを破壊しない程度に締めてください。^^; その他、機械的な常識に添ってご使用ください。(率直な苦言を申しますと、一般に、天文マニアは批判力がある割に、機械音痴の方が多い印象がございます。)
またエンコーダアピンは折れやすいので、お取り扱いには十分にご注意ください。