How to install the Altitude encoder/ 垂直回転軸用エンコーダの内蔵方法(EDT130-BINO)

It is far more difficult in the case of the altitude encoder installing in the limited space of the thin housing. 
 中軸式架台の垂直回転軸にエンコーダを内蔵するのは、簡単ではありませんでした。 写真左より、それぞれ仰角が0度(水平)、45°、90度(天頂)の状態ですが、エンコーダ本体は回転していません。従って、コードも引っ張られることはありません。 外のソケットとエンコーダを最短路でつなぐことに捉われていましたが、水平軸の時と同様、長めの コードで中間端子をハウジング内で接続する方が有利であると気付きました。(エンコーダ からのコードは、下の出口に急がず、一旦バックして、反対側でソケットからエンコーダ本体を迂回したコードと接続しています。)

Here comes a good sample for your study. / 像倒れの調整例

Here comes a good sample for your study.A pair of EMS set has arrived from my client today in ambulance with the complaint of the serious condition.

This trouble seemes to have occurred when he replaced the spacing tube of the EMS that connect two mirror units together.

He insisted that the right EMS is perfect because he checked the connection angle by the substitute of the right angle gauge, and only the image of the left EMS is extremely inclined.Is that really so? I will explain its real truth.

Let me firstly explain how the normal binoscope will show the edge-line of the bent paper put before the dew-shield. The occulars shoud be extracted in advance. As you expect, the edge of the paper should look straight at the sleeves.(The right photo)

格好の教材が舞い込んだので、ご紹介しない手はありません。   持ち込まれたユーザーの方の名前は出ませんので、ここで皆さんに紹介させていただくことを、皆さんの参考のためと、あなたの学習のためにお許しください。

EMSだけを求めてBINOを組み立てた方ですが、EMSのユニット間のスペーサーをご自身で交換された後に左の像の著しい傾斜が修正できなくなって、EMSを一式送って来られたものです。

主訴は『右のEMSは完璧で左のEMSの像だけが著しく傾斜し、傾斜を私の指示に従って?^^;修正すると、左のアイピースが明後日の方向を向いて、BINOにならない。 左のEMSの光軸が著しく狂っているに違いない。』 というものでした。

さて、実際はどうだったかを以下でご説明しますが、その前に、ノーマルなBINOではどう見えるのかをお示ししておきます。

サンプルに用いたBINOは、店内に置いている、初期(15年くらい前)の試作品の10cmBINOです。上左の写真のように、折った紙(ポスター等)を筒先に置き、口径の上半分を隠すと、アイピースを撤去した接眼部では、折った紙のエッジの線が上右の写真のように1本に貫いて見えます。 敢えてEMSの構成ユニットの固定ネジを左右のEMSとも緩めて対空角度を微調整しますと、その線が目尻が吊りあがった怒り目になったり、逆の泣き目になったりすることは、このサイトで何度かご説明して来た通りです。

Now, I will diagnose the emergency case.(I am sorry that the smaller binoscope sample here did not accept the larger spaned sick EMS pair at a time, and I will show you left and right unit alternatively.)

From the left, the first photo shows some inclination of the left image, but it was not so serious as the client insisted. The second photo shows the awful inclination of the right image. You see the right image is far more inclined than the left one. Each of the EMS was well collimated in spite of his complaint, “The left EMS only is seriously out of collimation.”

Checking the connection angle by the gauge, the right EMS proved to have the serious deviance from the right angle. Those facts eloquently explain the symptom of the two of the left photos. Now you will know the reason he had trapped into the labyrinth.

It is true that his right angle gauge was not perfect is one of the reason, but the core of the trouble is his attitude that he never doubted the right EMS and he adjusted the left EMS only. EMS shouled be always treated as a pair and should be targeted on attaining the relative parallel of the inclinations.

さて、送られて来たEMSセットは、実際はどんな状態だったかをお示しします。(写真は全て当方で調整する前の状態です。)サンプルに使用したBINOがEMS-Mのシステムだったため、スペーシングが大きい問題のEMSは左右同時にはセットできませんでしたが、調整済みのサンプルのEMSを片方だけ残して、問題のEMSの左右を交互にセットしてみました。

左の写真では、左のEMSは確かに少し時計回りに視野が回転しているものの、その隣の右のEMSの視野の回転の方が尋常ではありません。 それぞれのEMSを当方の直角面定規に当ててみましたら、案の定、右のEMSは対空角度で85~87度くらいに狂っていて、著しい時計回りの視野の回転と合致していました。

この方が直角面定規に代用された基準面の角度が実際には直角よりもかなり鋭角だったことが予想されますが、それは大した問題ではありません。 なぜなら、スタートラインとしてそこから調整をスタートされるのに、精度は問題にならないからです。

問題だったのは、代用品の直角面定規を鵜呑みにし、右のEMSの状態が完璧だと思い込み、EMSを左右セットとして相対的な調整をされず、左のEMSのみを調整されたことです。 その基本さえ守っていれば、右のEMSにも問題があったことに自然と気付かれたはずなのです。 少なくとも、左右の視野の相対的な倒れは、左右のアイピースの平行をキープしたままで解消できるのです。左右の視野の天方向をV傾向の上開きとΛ傾向の上閉じの双方向に連続的に調整できるので、その間に必ず存在する解に合わせることが出来るわけです。

補足:EMSの光軸はほとんど狂っていませんでした。 仮に狂っていたとしても、光軸とは独立的に視野の倒れが修正できることが、EMSの顕著な特長なのです。たとえ45°の像傾斜を修正しても、左右のアイピースの平行は完璧にキープできます。

(EMS-Mや標準スペーシングのEMS-Lのように、第1、第2ミラー間のエッジクリアランスが1㎜~2㎜程度以内と際どい場合は、EMSの構成ユニットの接続を不用意に緩めていきなり大きく回転させるのは、ミラーを損傷する危険があるのでご注意ください。 )

Preliminery assembly of the vertical unit— 2 / 垂直回転部(中軸)の仮組み立て–2

Inner half of the bands are set on the mount. The clamp of the altitude axis is processed.
 鏡筒バンド(内側)を取り付けてみました。 垂直回転軸(中軸)のクランプも施工(スリット加工)しました。 締め付けバンド式なので、フリクションが自在に調整でき、把握力も強力です。 この状態で、鏡筒の隙間=44mm(前モデルは45mm)となりました。(43mmの予定でしたが、鏡筒バンドの肉をあまり薄くしたくなかったので、ここまでとしました。 垂直回転軸機構(しかもエンコーダ内蔵)を間に挟んで、鏡筒隙間=44mmは善戦したと思いますが、いかがでしょう。

Preliminery assembly of the vertical unit / 垂直回転部(中軸)の仮組み立て

Just confirmed this plan will be quite successful.
 垂直回転部を仮組み立てしてみました。 各所の干渉回避や重心位置等の条件が 全て問題なくクリヤーできました。 今後の中軸式架台のコア部分として定番になりそうです。 (左から)4枚目の写真から、鏡筒のセット方法(方向)がお分かりになると思います。 伝統的な横軸のアリミゾ(&アリガタ)では、両手で抱えて重い鏡筒をアリミゾの下爪にひっかけた後、片手を離してクランプを操作しないといけない点が問題でした。 今回の方法ですと、 最後まで両手で鏡筒を持った手を離すことなくアリミゾにセットできます。 鏡筒はたとえノークランプで天頂に向けても転落しません。 やっと、新型の中軸式架台の成功を確信できました。 毎度のことですが、プランが出来てから 仮組み立てが完了するまでの間は、焦燥感に浸りながら成果なく時間が過ぎる、苦しい期間でした。

Grooving through the Alti-Axis/ 垂直回転軸の貫通溝

I’ve got over the most difficult machining of grooving through the altitude axis. This will allow the cords of encoder to get out of the bearing plate of the central axis, while rotating by 90 degrees.
 新型の中軸式架台で最も困難な(厄介な)加工を完了しました。 内蔵したエンコーダのコードを中軸受けの外に取り出すための貫通溝です。 軸受けプレートの穴はコードの束+αの幅で良いですが、軸ドラムの方は90度回転するので、 水平から垂直まで干渉しないように、長いスリット状の貫通溝を彫らないといけません。 しかも、前回ご紹介したサイドプレートとのからみがあるので、貫通溝の位置も重要です。