What is the “light path” of EMS? / EMSの光路長とは?

For the benefit of the EMS-BINO planners, I will show the anatomy of the “light path” of the EMS-UL. The total light path of the EMS consists of three parts.

Path “A” is the distance from the bottom of the barrel to the first reflection point, that is 2 + 18 = 20mm.Path “B” is the distance from the first reflection point to the second one, that is 18+2+12+2+18 =52mm.Path “C” is the distance form the second relfection point to the top surface of the 2-inch sleeve, that is 18 + 2 + 58 = 78mm. So, the total light path is A + B + C = 20 + 52 + 78 =150mm.
*The light path of EMS-UL is shortened by 2mm on July 21,2017. Now, the correct light path of the standard EMS-UL is 148mm.(2018,11/05)

EMS-BINOを計画される方のために、EMSの光路長について、標準仕様のEMS-ULに則してご説明します。

総光路長は、図のA,B,Cに別れます。 Aはバレルの根元(ツバの前面)から第1反射点までの距離で、ツバの厚みとハウジング内の半光路長の和で、2+18=20㎜となります。は、第1~第2反射点間の距離で、18+2+12+2+18 =52mm、は、第2反射点から、2インチスリーブの天面までの距離で、18 + 2 + 58 = 78mmとなります。総光路長= A + B + C = 20 + 52 + 78 =150mm となるわけです。

ここで、BINOの規模(鏡筒中心間隔)によって、Bが異なるということがポイントです。まず、標準寸法のままの接続管で、目幅=60mmの時の鏡筒中心間隔”D”を計算してみましょう。Bは空間的に傾斜しているので、Bの目幅方向への射影Sを把握しないといけません。S=B/√2=52/√2≒36.8㎜ となります。 従って、その時の鏡筒間隔=36.8X2+60 =133.6㎜ ということになります。

この算出のメカニズムさえ理解できれば、鏡筒最大径がそれを越える場合に、どれだけBを延長すべきかが分かります。

2017年7/21以降、EMS-ULの光路長は2mm短縮して148mmになっています。(2018,11/05追記))

New Helicoid Optimized for Binoscopes! / BINO用ヘリコイド開発!!

before: Pentax Helicoid extension tubes
after: New Matsumoto Original Helicoid optimized for Binocular use

Helicoid tubes and IPD-Crayford tubes, each has its merit and I have chosen one of them in the cases.

The main problems of the commercial helicoid tubes for camera parts are the lack of enough rididity and the end shape that needs to be processed to connect to other telescopic parts.

Now, I have successfully developed this new helicoid perfectly speciallized for binoscopic use.I can definitly say that it is more rigid than any other commercial helicoid tubes planned for camera parts.This is designed for the heavy use of binoscope back that will hold EMS and heavy oculars at a time.Both ends are tapered boss that will fit into the 50.8mm standard sleeves. This means it is easily used reversible on left or right EMS for the ergonomical hand operations.

目幅調整用の伸縮管としては、ヘリコイドとクレイフォードがあり、それぞれに長所があります。 小型のBINOで伸縮管の最短長を特に短くしたい場合や、気密性を重視する場合はヘリコイドが適しますし、またユーザーさんの好みによっては、大きなBINOでもヘリコイドを使用することもあります。 つまり、ヘリコイドにも捨てがたい長所があるのですが、残念なことに市販の短いヘリコイドは主としてカメラ関係のパーツ用を前提としているので、BINO用のような大きなモーメント加重は想定してなく、つねに剛性に不安がありました。 さらに末端形状も不都合なことが多く、その都度接続リング等を加工しないといけませんでした。(最近は主にクレイフォード式を採用して来た理由。)

この度試作に成功したヘリコイドは、最短長=わずか22mm(ストローク16mm)で、両端が2インチのテーパーボス(末端だけに該当リングを取り付けているのではなく、構造部のエンドがその形状になってる。)で、リバーシブルに2インチ挿入部に取り付くように出来ています。外径72mmで無理のない壁厚を確保しており、剛性も万全です。 (2インチのテーパーボスはEMSハウジングに嵌入するため、実質最短長=22mm)

(左右のヘリコイドを上下逆に使用する(リバーシブル)意義は、以前にもここでご紹介しましたが、左右のヘリコイドを両手で同時にねじる際に、自然な左右対称的な動きで行えることにあります。 仮に左右のヘリコイドを同向きにセットしますと、左右のヘリコイドを左右の手で同方向に回転させないといけないので、よく間違えますし、動作に違和感を覚えるものです。製作者の作業性として、ヘリコイドの両端が共通形状になっていることは大きなメリットがあるわけです。)

最短長=22mmということで、今後はより小型のBINOにまで、鏡筒固定方式が適用できることになりました。

後日追記:このBINO用ヘリコイドは、左右で逆ネジを用意しましたので、左右で天地を逆にして取り付ける必要はなくなりました。(ご自分でBINOを分解された際には、左右を取り違えると、製作者の意図に反することになります。^^;)

APM-LZOS152-BINO

1 APM-LZOS双眼望遠鏡構想の経緯と製作経過

そもそも双眼望遠鏡を新調しようと思い立ったのは、メガネの マツモトさんのHPで紹介されている「横浜のKさん」のAPM/LZOS 130/F6-BINO- 新型EMSを拝見し、鏡筒のあまりの美しさとBINOのカッコ良さ に魅せられたからでした。

そこで、2010年3月26日に国際光器へ連絡を取り、「横 浜のKさん」のAPM/LZOS 130/F6-BINO-BINO1でのリクエストを 参考にさせていただきつつ、次の3つの条件を付して2010 年4月14日正式に発注しました。

(双眼望遠鏡にする為の条件)

1) 2台の焦点距離の差を1%以内で揃える事。
2) 2台の接眼部マイクロフォーカサーを左右対象に取付ける 事。
3) フードゴロマークを1本は右/1本は左に貼り双眼にした時 にどちらからでも見えるようにする事。

待つこと3ヶ月半、2010年7月26日に鏡筒入荷のお知ら せメールが来ました(^^) 早速、メガネのマツモトさんに連絡を取り、直接、国際光器から 鏡筒が送付される旨連絡させていただきました。

国際光器への鏡筒発注と同時並行で何度かメガネのマツモトさん とBINO製作の打ち合わせをさせていただいておりましたが、最 終的には主として次のような要望となりました。

(BINO製作にあたっての要望事項)

1) EMS-UXLセット(第2ミラーオーバーサイズ)プレミアム仕様
※ 低倍率用としてテレビュープルーセル55mmを使用 したいため。

2) フォーカサーのつまみの位置を縦にせず、横の位置で操作 できるようにする。

3) 架台は、より安定した新設計のフォークタイプとする。  これに十分な大きさのCRADLEをセットし、そのペースプレー トに2本の鏡筒を別々に着脱するアリミゾを設置する。

※ 鏡筒本体が12kg、鏡筒バンド2kg、合わせて14kg以 上になるため、安全に1本ずつ取り外しができ、且つ耐久性に優れた架台を希望 したい旨お伝えしたところ、新設計フォークタイプのご提案をいただいた。

4) 架台は、俯角30度~天頂まで向く特別仕様とする。   ※ 地上の風景についても観望可能なようにするため 。

5) スーパーナビゲーター自作キットのエンコーダーの組込

6) タカハシSE-Sピラー脚のネジピッチと東海キャスターのネ ジピッチが微妙に合わず殆ど入らないため、取り付け加工を施す。

しばらくBINO製作の順番待ちの状態が続きましたが、いよいよ 2010年10月20日APM(TMB)152-BINO計画がスタートしま した。 少しずつ出来上がっていくBINO、日々のHPの更新をワクワクし ながら拝見しておりました(^^)

2 APM-LZOS 152mm/F8 CNC-LW BINO 遂に完成!

そして、遂に2010年12月2日、APM-LZOS 152mm/F8 CNC-LW 3 枚玉スーパーEDアポクロマート EMS双眼望遠鏡 が完成しまし た! 手元へは、2010年12月6日無事に到着しました(^^)/~~~

荷物が到着して、まず驚いたのはAPM-LZOS鏡筒の入っている箱 の大きさでした。 50インチのプラズマの箱と同じ長さですが、幅の厚いこと・・ ・

早速、慎重に箱を開封し、ピラーから組み立て、次にピラー取 り付け部と新設計のフォーク(丈夫そうで且つ完成度の高い仕 上がりにちょっと興奮^^)を組み立てました。

そして、いよいよ鏡筒の取り出しです。

一瞬、意外とコンパクトかな?・・・と思ったのですが、フォ ークに固定(すごく簡単で楽でした)、フードを延ばして測って みると130cmオーバー、想像はある程度していましたが、いや はや巨大なこと・・・(>_<)

3 初観望

外は暗くなり、雨と靄でコンディションはダメダメですが、組 み上がって、まず約200m程先の街灯をイーソス17mmで覗いてみ ました。

テレビューNP-101双眼望遠鏡を里子に出してから早4ヶ月… う~ん、久しぶりの広視界に感動です。 バックフォーカスがどの位か気になって見てみると、約300m先 の民家の明かりで右8mm、左10mmの残り幅でした。 いずれ星の出ている時に無限遠に合わせてみようと思います。

現在の2インチアダプターは、かつてのテレビューNP-101双眼 望遠鏡の世代と異なり、ナグラータイプ4-12mmやイーソス10mm で本当にギリギリEMS保護フィルターに触れないように設計さ れていて、驚きでした。

今度は、ABBEⅡ16mm、10mm、6mm、4mmに、ツァイスABBEバロー を組み合わせ、約200m先の街灯の明かりを双眼で眺めてみまし た。

ABBEⅡ4mm×バロー2倍=600倍でもクリアで色収差はなく、クリ アなままの見え味でした。
感無量・・・(*^_^*)

かつて譲り受けた今は無きNP-101双眼望遠鏡と比較すると、質 感・機構・造りなど全てがグレードアップしているようで、と にかく感動しました。

4 地上風景の観望(昼間)

152mmの口径の威力は、やはり凄いです。

テレビューNP-101のときは108倍(ナグラータイプ6-5mm)にな ると昼間でもかなり暗くなりましたが、APM152では100倍(ナ グラータイプ4-12mm)でも十分な明るさがあり、なんと言って も像質がシャープです。

銀ミラーによる効果も大きいと思われますが、本当に素晴らし いです。

イーソス17mmとAPM-LZOS 152mm鏡筒との相性については、昼間 の観望では眼の位置を正確に合わせないと視野に一瞬、薄いオ レンジなどの色が現れます。 この点は、テレビューNP-101に装着した場合には一切見られな かったことなので、やはり同じメーカーのアイピースと望遠鏡 の相性が最も優れていると言うことなのでしょう。

因みにイーソス17mmでの最短観望距離は約10mでした。 約10mの距離を、70.6倍の倍率で、落葉低木の僅かに残ってい る赤く小さな実を眺めてみました。 当然、近すぎてEMSの光軸調整は必要ですが、何か不思議な感 じがしました(^^)

5 星空観望

12月は、なかなかよい天気に恵まれないのですが、寒さ対策 として消費電力1,000wの反射式電気ストーブで身体を暖めつつ 、部屋からのお気軽観望方式で、薄雲の向こうになんとか見え る星空を眺めて楽しんでいます(^^)

イーソス17mmによる無限遠(星空)は、その後、目幅をキッチ リ合わせて覗いてみると、バックフォーカスを7mmほど残して 何とか大丈夫でした。

ただし、新しく発売された ニコンNAV-17HW の場合、スリーブ の長さが58mmと非常に長い(通常は35mm程度)ため、無限遠に 焦点が合わないと予想されます。 今後もし、APM-LZOS鏡筒で双眼望遠鏡を計画される場合は、発 注の段階でAPM社に4cm程度鏡筒を切断してもらうよう予め要望 しておいた方が良いでしょう。

このイーソス17mm(71倍)でオリオン座大星雲を見てみました が、写真で見るように翼の広がりが見えました(私の目では色 は白くしか見えまっせんが…^^)。 また、木星もイーソス17mmで見てみたところ、縞模様がハッキ リと見え感激しました。

また、ABBEⅡ-10mm×ABBE2倍バローに換え240倍で見てみたと ころ、シーイングがよくなく、木星が煮えたぎって過剰倍率で したが、それでも凄く明るく見えました^^。

松本さん、このような大変素晴らしいBINOを製作して下さいまし て、誠にありがとうございましたm(_ _)m

2011年1月1日
林 孝之 (Hayashi Takayuki)
秋田県秋田市