15cmF5-BINO(V-12) in the making -3

(左は試作品サンプル)

 M10ネジ(ISO)の標準ピッチ=1.5mmですが、二条ネジなので、同じピッチでリード(一回転で進む距離)は2倍の3mmになります。

 機械加工をやり始めて30年以上、加工の順序が極めて大切であり、加工時の掴み代の配慮も極めて重要だと学びました。たとえば、最終形状に近い形でネジ切りを完了してしまうと、ノブ部分のローレット加工時に、せっかく綺麗に加工したネジ部を遠慮しながらチャッキングしなければならなくなります。
 何度も悔しい思いに地団駄を踏んで、徐々に賢くなります。^^;

実は、ロッド式のフォーカサーは、2003年頃(20年前)にも作っていました。
 現在でもこの仕様で愛用していただいている方がいます。(当時の物は二条ネジではありませんでした。)

Sun-spots of this morning by MK105-BINO

今日はかなりの好シーイングだったけど。撮影技術(手段)の限界のようね。^^;(手持ちiPhone)

 それにしても、生きた活動面が見られる唯一の天体、太陽。これを見ない手はないね。^^

Improvement of MK105-BINO-2 / 鏡筒接眼部の改良

 速攻で組み立てたMK105-BINOには、もう一つ気になる所がありました。
 それは、鏡筒接眼部。有り合わせのパーツで臨時的な2”スリーブをセットしていたのですが、固定が弱く、不用意に接眼部全体がずるんと回転してしまうことがありました。BINOとしての性能評価は十分に出来たので、その最後の懸念部分を改良しました。
 純正の末端は、右↑のように、42mm,P=0.75のオスネジ。それに外径2インチのテーパーボスを作ってねじ込み、セットビスで完全固定。

 左鏡筒に2インチスリーブをセットしました。(標準スリーブ(58mm))を2分割して、材料を無駄なく加工しました。

左右鏡筒に2”スリーブをセットし、あとはEMSの装着を待つのみ。

EMS側のバレルも、ショートタイプ(12mm)にしておかないといけません。

完成です!

 MK105-BINO、この10年で一番、短期集中的に実際に使ってみたBINOと言えます。お陰で、初心者の方がどこで躓くかがよく分かり、本当に勉強になりました。

 普段は、製作に全神経を集中しているので、完成後にじっくりと使用してみたことはほとんどありませんでした。

 最近も、光軸調整装置の無い、ミニBINOを、EMS-BINOの20年戦士の方にお譲りしたら、意外にも光軸調整に難航されていました。追加説明をして、「解決して笑いが止まらないでしょう?」と私が言ったのに対し、(冗談半分で)「いえ、難しくて泣きそうです!」という意外な返事が返って仰天したことがありました。

 BINO使いは、スキーと酷似しています。(私はスキーの名人ではありませんが^^;) スキーが得意な者にとっては、雪面の凹凸なんて無いのと同じですが、そうでない人は、ちょっとした凸凹で転倒したり、木に激突したります。
 50年戦士の感覚で考えてはいけないのだなあ!ということを最近、特に痛感しています。