
車なら、”自動車学校”というものがあり、検定試験に通った者しか運転できないのだけど、EMSには、EMS学校も検定試験もありません。自動車の場合は、使い方によっては他人を殺す凶器になるので、検定の制度が定着しているのでしょうが、EMSはどんな使い方をしても、他人を傷付けることはありませんからね。
納品したEMSが最終的にどう使われるのか? 見届けられないことの方が多いのは、実に歯がゆいものです。
MATSUMOTO-EMS Innovation of Astronomical Telescope 天体望遠鏡革命
正立ミラーシステム(EMS)を開発した松本龍郎のサイト。 たった2回の反射で天体望遠鏡の像を正立像にします。Tatsuro Matsumoto; Inventor of the EMS, Erecting Mirror System. EMS offers non reversed upright image with no additional undesirable abberations.
CNCフライスは随分と助けてくれますが、材料や工具の交換までは自動化されていないので、結構忙しい作業です。^^;
厚みのない目幅調整機構付きの初めてのEMS-UMLセットです。
一般的に、物作りは治具の段階で勝負が決まりますが、今回の特殊な目幅機構には、絶妙で意表を突く治具が功を奏しました。
このゼロプロファイル(zero-profile)の目幅機構が今後小口径BINOの定番になりそうです。
従来の目幅ヘリコイドでも小型BINOは実現可能なのですが、ヘリコイドというのは、完全に縮退させても、一定の厚みがあるため、どうしても鏡筒間隔を一定(具体的には160mmくらい)以上縮小することが出来ず、これがコンパクト化の制約になっていて、小型BINOにはスライド台座を用いるのが主流でした。 しかし、このスライド台座も、トータル重量に貢献してしまい、また外見上のシンプルさにもマイナスの要素でした。そうした従来のジレンマがこの度、一挙に解決したわけです。
鏡筒はこれ以上前にずらせませんので、カウンターウェイトの追加は想定していました。耳軸位置も前もって鏡筒中心よりも上になるようにしていましたが、重いアイピースだと、それでも足りないので、ウェイト軸を傾斜させることで対処しました。ウェイトシステムはセンターアーム架台にセットしており、鏡筒本体には制約はなく、収納運搬に不便をきたすことはありません。
通常のBINO では、対物側が重過ぎて苦労するのですが、ここまで鏡筒が短いと、逆に接眼側の方が重くなります。