77EDⅡ-BINO(自作)F2W経緯台(スカイツアー付)

2015年6月

【眼視にハマる】

 昨年頃から星見に双眼鏡をよく使うようになりました。C8EX+双眼装置(95倍)、 77EDⅡ+双眼装置(38倍)等、眼視に目覚めたと言いましょうか、きれいな星を観る のが楽しいんですね(^o^)
   双眼装置では低倍率で天の川をなめまわすこともできず、裏像でもあり、松本さん のEMSしかないと思った次第です。もちろん既成の双眼鏡の候補もあったのですが、 2インチのアイピースが使えないということで没となり ました。
 
2015年9月

【77EDⅡ-BINO 自作】

77EDⅡ-BINO を作るにあたり考慮したこと

・重量は6kg以下→軽い→稼働率UP!。
・15倍で天の川くだり。
・F2W経緯台(スカイツアー付)に搭載。
・F2W経緯台-簡単な脱着。
 
【EMS等の発注】

   上記をを考慮してEMS-ULセット(ヘリコイド付き)を発注しました。何日かしてEM S-ULセットを受け取りに鳥取に行き、鏡筒の平行の出し方、EMSの調整法等を 松本さんから教えていただいて帰りました。
 発注していたボーグの直径80mm-長さ150mmの鏡筒とヘリコイドMも届き、組み立てに入りました。
 
【組立手順】

1.F2W経緯台にビクセンのプレートホルダーを90度回転して取付(1/4ビス1本)。
2.アリガタに左鏡筒を載せ直角に固定(1/4ビス1本)。

3.160mmの間隔で右鏡筒を載せました。

4.鏡筒の平行度は松本さんから勧められた傾斜計を購入し、0.1度以内に収まるよう何度も調整し直しました。

5.EMS、左右を2インチアイピースホルダーSに固定。
  このアイピー スホルダーS【7508】は挿入端部内径の不要なネジ部が長く(その分、ローレット止めネジが想定位置よりも随分奥になる)、EMS固定しても安定が悪かったのですが、松本さんがその場で不要なメスネジ部を5mmほどと削って(削除して)くださいました。目の前で旋盤にセットして削って頂いた訳ですが、いやいやその早さ、技術の高さには感服した次第です。
  もちろんEMSの固定強度も増しグラグラもありません。松本さんその節はありがとうございました。

7.木製のハンドルも自作し取り付け、バランスを見ると思ったとおり取れていませ  んでした。松本さんとも改造の話しもお教えいただいたのですが、ここは私なりにバランスウエイト(ありあわせ)をアリガタの下に載せてみました。これが大当たりで見事にバランスしてしまいました。ただ、重いアイピースを載 せると手前が重  くなってしまいます。

6.EMSの調整を行いました。33mmアイピースをセットし山の木を導入し後、教わったとおりにアイピースから眼を離し、 上下、左右の調整を行いました。調整はあっという間に終わってしまいました。 銀ミラーも素晴らしいのですが、EMS調整の簡単さにも感激です!

7.コスモ工房さんに依頼していた特注アリガタが出来上がりましたので、組み付けました。 鏡筒を直角に1/4ビス2本で止めるようにしたものです。もちろん幅は160mmです。

8.組み立てが終わり重量を測定してみますと、アリガタから上の重量が当初の目標6kgより1kgも軽い5kg(アイピースなし)でした。 5kgってひょいと持てる重さなので、今でも取っ手の必要性をまったく感じません。
  また、アリガタを横配置にして鏡筒を載せただけの単純な構造なのですが、思っ  たより強度があるようでひずみ等はまったく感じません。

9.最初はEMSで自作など出来るのかなと思っていましたが、案ずるより産むが易しで、 当初の目標も達成でき、楽しみながら組むことが出来ました。
  将来的には対物レンズ口径のUP、ヘリコイドMをマイクロフォーカス接眼部に交換等を考えています。

  最後に松本さんをはじめUSER’S REPORTを書いてくださった皆様、コスモ工房様、 この場を借りましてお礼を申し上げます。
 
【ファーストライト】

 9月18日夜、いつも行く備前市八等寺にてファーストライトしてきました。  この日観望した星雲星団で特に綺麗だったもの

   15倍 ウイリアムオプティクス 33mm 72°アイレリーフ25mm
 二重星団(広視野の中に全体が見渡せ、ひときわ鮮やかで気持ちが良い)
 M31アンドロメダ大星雲(どこまでも広がっている様相で宇宙の不思議を感じる。
 また、伴星のM101、M32もしっかり見え、うっとりしてしまいます)  天の川を振り回していると、宇宙酔いしそうになりました(笑)
  24倍 ペンタックス XL20 20mm 65°アイレリーフ20mm
 二重星団(星に遠近がある ように感じました)
 NGC 457(ET)おどけた形がかわいい。
 ビックリ!網状星雲がノーフィルターで何とか見えました。  (見えない人もいました(笑)
  48倍 ペンタックス XL10.5 10.5mm 65°アイレリーフ20mm
 アレイ状星雲(ぽっかりと浮かんで見える)
 アルビレオ やっぱ美しい!
 M13球状星団の分離ができないのはちょっと残念!
 
10月2日

102倍 ペンタックス XW5 5mm 70°アイレリーフ20mm

 この日、特に美しかったものはアルビレオとM22でした。
 アルビレオは色がすばらしく際立って特に青はいままで見たこともない濃さのブルーでした。  まるで色付けしているみたいに・・・ん?ひょっとしてアイピースで色づけ?ってないですよね。
 M22はかなり低位置だったのですが、し っかりと分離しキラキラ光ってみえました。 でも、ちょっと暗いのが・・・
   NGC457(ET)は目の前にデーンと大きくきれいに見えました。
 M57ドーナツ星雲は中央が抜けていてちゃんとドーナツ状に見えました。感激!
 M13はザラザラ感はあるものの分離は何故か今一(^^;
 
10月3日

 まだ明るい時間帯にXW5 102倍で土星を見ることができました。さすがに低い位置 なのでゆらゆらが止まりません。でも土星の縞模様は見ることができました。もっと 高度が高ければカッシニも見えたと思います(^o^) 

岡山県 横田

筆者のサイト 星空・風景フォトギャラリー

Comment by Matsumoto/ 管理者のコメント;
Acknowledgment of Matsumoto;

 最近、国内の方も自作をされる方がまた増えて来たようで、嬉しく思います。 自作の方では珍しく、仕上ったEMSを当方で受け取りにお見えいただきました。

 ご訪問時には、丁度仕上っていたBINOでEMSのX-Y調整の練習をしていただきましたが、眼をアイポイントから 数十cm離して視軸を平行にロックするテクニックをすぐにマスターされたのが印象に残っています。
 横田さんは、この度EMSを採用されるまでは、やはりご自作の裏像(天頂ミラーによる1回反射)のBINOを愛用なさっていたとのことで、 EMSに改宗^^;してくださったことを嬉しく思っています。 単眼の場合は、裏像は像が鏡像になるということ(のみ)ですが、 双眼視では、正常な立体視が破綻するという深刻な副産物も甘んじることになります。 裏像(3回反射)のBINO(実際にヨーロッパで市販されている)の信者の中には、 「天体は無限遠なので、裏像はもとより、立体視も関係ない。」と強弁する方もいますが、山の稜線から出て来る(沈む)月や、月の前をよぎる 雲の迫力を知らないのでしょう。
 何度か観測してくださったようですが、こらから いろいろと体験されることと思います。 続報を楽しみにしております。 今回はタイムリーなリポートをくださり、 ありがとうございました。

77EDⅡ-BINO(自作)F2W経緯台(スカイツアー付)

2015年6月

【眼視にハマる】

 昨年頃から星見に双眼鏡をよく使うようになりました。C8EX+双眼装置(95倍)、 77EDⅡ+双眼装置(38倍)等、眼視に目覚めたと言いましょうか、きれいな星を観る のが楽しいんですね(^o^)
   双眼装置では低倍率で天の川をなめまわすこともできず、裏像でもあり、松本さん のEMSしかないと思った次第です。もちろん既成の双眼鏡の候補もあったのですが、 2インチのアイピースが使えないということで没となり ました。
 
2015年9月

【77EDⅡ-BINO 自作】

77EDⅡ-BINO を作るにあたり考慮したこと

・重量は6kg以下→軽い→稼働率UP!。
・15倍で天の川くだり。
・F2W経緯台(スカイツアー付)に搭載。
・F2W経緯台-簡単な脱着。
 
【EMS等の発注】

   上記をを考慮してEMS-ULセット(ヘリコイド付き)を発注しました。何日かしてEM S-ULセットを受け取りに鳥取に行き、鏡筒の平行の出し方、EMSの調整法等を 松本さんから教えていただいて帰りました。
 発注していたボーグの直径80mm-長さ150mmの鏡筒とヘリコイドMも届き、組み立てに入りました。
 
【組立手順】

1.F2W経緯台にビクセンのプレートホルダーを90度回転して取付(1/4ビス1本)。
2.アリガタに左鏡筒を載せ直角に固定(1/4ビス1本)。

3.160mmの間隔で右鏡筒を載せました。

4.鏡筒の平行度は松本さんから勧められた傾斜計を購入し、0.1度以内に収まるよう何度も調整し直しました。

5.EMS、左右を2インチアイピースホルダーSに固定。
  このアイピー スホルダーS【7508】は挿入端部内径の不要なネジ部が長く(その分、ローレット止めネジが想定位置よりも随分奥になる)、EMS固定しても安定が悪かったのですが、松本さんがその場で不要なメスネジ部を5mmほどと削って(削除して)くださいました。目の前で旋盤にセットして削って頂いた訳ですが、いやいやその早さ、技術の高さには感服した次第です。
  もちろんEMSの固定強度も増しグラグラもありません。松本さんその節はありがとうございました。

7.木製のハンドルも自作し取り付け、バランスを見ると思ったとおり取れていませ  んでした。松本さんとも改造の話しもお教えいただいたのですが、ここは私なりにバランスウエイト(ありあわせ)をアリガタの下に載せてみました。これが大当たりで見事にバランスしてしまいました。ただ、重いアイピースを載 せると手前が重  くなってしまいます。

6.EMSの調整を行いました。33mmアイピースをセットし山の木を導入し後、教わったとおりにアイピースから眼を離し、 上下、左右の調整を行いました。調整はあっという間に終わってしまいました。 銀ミラーも素晴らしいのですが、EMS調整の簡単さにも感激です!

7.コスモ工房さんに依頼していた特注アリガタが出来上がりましたので、組み付けました。 鏡筒を直角に1/4ビス2本で止めるようにしたものです。もちろん幅は160mmです。

8.組み立てが終わり重量を測定してみますと、アリガタから上の重量が当初の目標6kgより1kgも軽い5kg(アイピースなし)でした。 5kgってひょいと持てる重さなので、今でも取っ手の必要性をまったく感じません。
  また、アリガタを横配置にして鏡筒を載せただけの単純な構造なのですが、思っ  たより強度があるようでひずみ等はまったく感じません。

9.最初はEMSで自作など出来るのかなと思っていましたが、案ずるより産むが易しで、 当初の目標も達成でき、楽しみながら組むことが出来ました。
  将来的には対物レンズ口径のUP、ヘリコイドMをマイクロフォーカス接眼部に交換等を考えています。

  最後に松本さんをはじめUSER’S REPORTを書いてくださった皆様、コスモ工房様、 この場を借りましてお礼を申し上げます。
 
【ファーストライト】

 9月18日夜、いつも行く備前市八等寺にてファーストライトしてきました。  この日観望した星雲星団で特に綺麗だったもの

   15倍 ウイリアムオプティクス 33mm 72°アイレリーフ25mm
 二重星団(広視野の中に全体が見渡せ、ひときわ鮮やかで気持ちが良い)
 M31アンドロメダ大星雲(どこまでも広がっている様相で宇宙の不思議を感じる。
 また、伴星のM101、M32もしっかり見え、うっとりしてしまいます)  天の川を振り回していると、宇宙酔いしそうになりました(笑)
  24倍 ペンタックス XL20 20mm 65°アイレリーフ20mm
 二重星団(星に遠近がある ように感じました)
 NGC 457(ET)おどけた形がかわいい。
 ビックリ!網状星雲がノーフィルターで何とか見えました。  (見えない人もいました(笑)
  48倍 ペンタックス XL10.5 10.5mm 65°アイレリーフ20mm
 アレイ状星雲(ぽっかりと浮かんで見える)
 アルビレオ やっぱ美しい!
 M13球状星団の分離ができないのはちょっと残念!
 
10月2日

102倍 ペンタックス XW5 5mm 70°アイレリーフ20mm

 この日、特に美しかったものはアルビレオとM22でした。
 アルビレオは色がすばらしく際立って特に青はいままで見たこともない濃さのブルーでした。  まるで色付けしているみたいに・・・ん?ひょっとしてアイピースで色づけ?ってないですよね。
 M22はかなり低位置だったのですが、し っかりと分離しキラキラ光ってみえました。 でも、ちょっと暗いのが・・・
   NGC457(ET)は目の前にデーンと大きくきれいに見えました。
 M57ドーナツ星雲は中央が抜けていてちゃんとドーナツ状に見えました。感激!
 M13はザラザラ感はあるものの分離は何故か今一(^^;
 
10月3日

 まだ明るい時間帯にXW5 102倍で土星を見ることができました。さすがに低い位置 なのでゆらゆらが止まりません。でも土星の縞模様は見ることができました。もっと 高度が高ければカッシニも見えたと思います(^o^) 

岡山県 横田

筆者のサイト 星空・風景フォトギャラリー

Comment by Matsumoto /管理者のコメント;
Acknowledgment of Matsumoto;

 最近、国内の方も自作をされる方がまた増えて来たようで、嬉しく思います。 自作の方では珍しく、仕上ったEMSを当方で受け取りにお見えいただきました。

 ご訪問時には、丁度仕上っていたBINOでEMSのX-Y調整の練習をしていただきましたが、眼をアイポイントから 数十cm離して視軸を平行にロックするテクニックをすぐにマスターされたのが印象に残っています。
 横田さんは、この度EMSを採用されるまでは、やはりご自作の裏像(天頂ミラーによる1回反射)のBINOを愛用なさっていたとのことで、 EMSに改宗^^;してくださったことを嬉しく思っています。 単眼の場合は、裏像は像が鏡像になるということ(のみ)ですが、 双眼視では、正常な立体視が破綻するという深刻な副産物も甘んじることになります。 裏像(3回反射)のBINO(実際にヨーロッパで市販されている)の信者の中には、 「天体は無限遠なので、裏像はもとより、立体視も関係ない。」と強弁する方もいますが、山の稜線から出て来る(沈む)月や、月の前をよぎる 雲の迫力を知らないのでしょう。
 何度か観測してくださったようですが、こらから いろいろと体験されることと思います。 続報を楽しみにしております。 今回はタイムリーなリポートをくださり、 ありがとうございました。