Counter brass weight and the shaft / 真鍮製カウンターウェイト(CAPRI 102ED-BINO)

This counter weight(1kg), made of brass, will cancel the top heavy of the CAPRI 102ED-BINO.I wish the user will keep the brass weight polished forever by the good maintenance.

CAPRI 102ED-BINO用のカウンターウェイト(1kg)です。 真鍮は磨くことでその美しさを維持します。(←人間みたい?^^;) リフォームで数年後に里帰りするBINOの真鍮ウェイトですが、ピカピカなのは皆無でした。^^;(みな惨めにどす黒く酸化していました。) 製作者としては、ユーザーさんもこの輝きを常にキープしていただきたいと思っています。

Bracket of the counter-weight for the Nexstar Mount / カウンターウェイト用ブラケット(Nexstar SEマウント)

The Capri-102ED-BINO proved to be too top heavy for the Nexstar Mount, but I can never give up at this stage. I thought up a bracket of the weight system that will be the minimum of the extra burden for the mount.

先日も申しましたように、CAPRI102ED-BINOは予想以上にトップヘビーのため、天頂観察時にEMSがNexstar架台のベースに干渉しないための対策が求められました。 あっさりと架台を変更する選択肢もありましたが、ここで諦めるのはもったいなく、架台に極力新たな負担とならないようなウェイトシステムを考案してみました。

それは、アリガタの手前端面に、コの字型のブラケットを介して、ウェイト軸をフォークアームの外側に配置するもので、BINO本体が垂直回転軸に及ぼすモーメント加重をいくらか緩和させることも狙いました。 観測現場での着脱の利便性を考慮し、M6のローレット付きネジ1本でしっかりと固定できるように工夫しました。(ネジは分解時にも脱落しない構造になっています。)

Televue 76-Bino in the planning / Televue 76-Bino、設計中

随分とお待たせしてしまっていますが、「待った甲斐があった・・」と思っていただけるような物がお作りできると思います。 基本的には、前回のFL71-BINOと類似の構造を採用する予定ですが、今回は合焦装置はヘリコイドではなく、FeatherTouch Focuser を使用します。 これもかなりコンパクトなBINOに仕上がる予定です。

A pair of the OTAs loaded!! / 鏡筒を載せてみました。

I have the pair of CAPRI102ED OTAs loaded on the Mount to find it very successful.The stabilizer shaft worked more fine than I had expected.

There are still some targets to clear, but I could at least make 10cm-BINO so light that it is loadable on the Nexstar Mount. I will be happy if you notice this feat rather than nitpicking the insignificant details.

鏡筒を載せてみました。 一部、ご心配いただいていたスタビライザーシャフト機構は、予想以上に有効で、鏡筒の方向調整は極めて楽に行え、固定の剛性も十分でした。(完璧なX-Y調整になっているのがその理由です。一般的な3方調整ネジですと、こうは行きません。このスタビライザー機構は今後も多方面で応用できそうです。)

ただ、Nexstarのフォーク長に対して10cmF7はやや長く、天頂まで向くためにはカウンターウェイトを準備する必要があるかも分かりません。 EMS+2インチアイピースをセットしてみて判断したいと思います。

しかし、ともかく、10cmEMS-BINOを何とかNexstarに搭載できるところまで軽量化できたわけですから、まずは枝葉末節のご懸念よりも、本筋での成功をご評価いただけましたら幸いです。

Low profiled gear cover for the Nexstar SE Mount / 特製フラット・ギヤカバー(Nexstar SE Mount)

I reported in my last report that removing the gear cover will drastically lessen the burden of the Mount.But you will hate the inner gear exposed in the aesthetic sence. Either do I.I made a flat cover in place of the original one.

ギヤカバーの撤去が架台の負担軽減に劇的な効果があることを前回のリポートでお示ししましたが、やはり内部のギヤが見えてしまうのは、気持ちの良いものではありません。

お約束通り、フラットなカバーを作りました。 こうした加工はCNCフライスの真骨頂で、切削加工そのものは朝飯前なのですが、最初だけはGコードのプログラミングが必要なのと、薄物ですので、周到な治具の準備と、切削手順を熟慮してかからないと、とんでもない回り道をさせられることになります。 詳細は省きますが、諸々解決して新たなギヤカバーが出来上がったわけです。(これよりアルマイトをします。 黒い樹脂プレートを加工することも検討しましたが、コストや加工性で樹脂が有利とは限りません。)

オリジナルのカバーは、さすがに世界有数の望遠鏡量産メーカーだけに、樹脂のダイカスト製です。型代に大きな投資が必要なわけですが、ダイカストは数量次第では、1個単価は限りなくタダに近くなります。^^; それがこの製品の破格な安さの理由ですが、零細企業にはマネの出来ないことです。 しかし、一般消費者は、容赦なく超大量生産品の価値基準で判断されるので、我々には厳しい時代です。(余分な”つぶやき”を挿入して失礼しました。^^; 逆に大手メーカーの真似が出来ない部分で存在意義を示さないといけないと思っています。)

How to set it on the Nexstar SE Mount / Nexstar マウントへの搭載方法

Do you think it too brittle for the dovetail to connect directly to the end of the frame?Absolutely No. It depends on by which way it is connected to the frame.A bit of the tenon will drastically enhance the connection regidity, and even handling by the dovetail does not show any sign of brittlenss.(See the right photo.)

アリガタをフレームのエッジに直付けすることに懸念をお持ちの向きもあるようなので、ご説明します。 結果は全く問題なしでした。 右の写真のように振り回してもビクともしません。 接続強度は、単純にネジの太さや本数や接合面の面積だけで決まるものではありません。ほんのわずか接合部を嵌合するようにしておくだけで、接続強度は飛躍的に増します。

中間部品を介入させればさらに安心ではありますが、その分、重心が遠くなり、モーメントが増すジレンマがあります。 それよりも、1mmでも重心をフォークアーム側に接近させることと、重量を1gでも軽くすることに徹しました。 装飾を兼ねたギヤカバーが邪魔なので外しました(中央の写真)。このカバーは樹脂製で、C8鏡筒の取り付けを前提に、鏡筒の丸さにマッチするように意図されているようです。 これを外さずにフレームを取り付けるには、20~30㎜ほどスペーサーをかませる必要があり、モーメントの増加が著しいため、外すことにしました。 代わりにフラットなギヤカバーを作らないといけません。

(以前にも書きましたが、Nexstar のフォークアームのアリミゾは面押しクランプです。  簡素な構造ですが、合理的に出来ていて、小さい力でしっかりとアリガタを把握します。)

Stabilizer and adjusting shafts are set / スタビライザーシャフトの原理

It might be more difficult to convince you of the mechanism rather than the development of itself.I will take some steps for you to understand the principle.

1: Think of your dining table that has four legs. You will agree that four points are more than enough to adjust the level of the table, knowing that tripod is the minimum requirement of getting the level.The element OTA of a binoscope can also be aligned by the adjustment of four screw tips as the top photo shows.

2: But apart from the dining table, binoscope should be aligned to the celestial object of the every altitude. So, the OTA must be hold tightly in the appropriate place for it not to fall down. Look at the central photo. A half of the band is enough for the purpose, isn’t it??Do you still insist on using a pair of the bands??

3: Look at the bottom photo. This is the assembled next-generation binoscopic mount!!

スタビライザー(兼調整機構)の原理をご説明します。

1: 上の写真をご覧ください。鏡筒バンドの内側半分(兼スライドプレート)に貫通固定された2本のシャフトの両端付近に、先端樹脂の調整ネジを配置します。 この上に鏡筒を載せれば、少なくとも、写真の水平置きの状態では完璧に鏡筒のアライメントが可能だということに、まずは納得していただけるでしょうか。 これは、あなたの家の食卓の水平が、4本の脚の調整で完璧に出せることと同じです。ただ、食卓はかなりの質量があって、常に水平な床に置かれる物なので、必ずしも床に固定する必要はありませんが、望遠鏡はそうは行きません。

2: 望遠鏡が落っこちないようにするには、4個の支点の中央付近を、バンドの半分で締め付けてやれば十分だと思いますが、いかがでしょう。(中央の写真)  これでもバンドがもう一つ要りますか?

3: 下の写真が組み立てた状態です。 このマウントに組み込んで調整された鏡筒の向きを、あなたはどんな魔法でずらすことが出来るのでしょう?  鏡筒は中央のバンドで強固に内側に引き寄せられていて、その力に抵抗するように4箇所の調整ネジが押しているわけですから、鏡筒の逃げ場はどこにもありません。

また、写真1に戻ってみていただきたいのですが、調整ネジの方向は、全て鏡筒の中心軸に向かっていて、さらに正確に90度離れて2個ずつのネジが配置されています。 これは、斜め軸のX-Y調整機構になっていることを意味します。 初期調整が非常に効率的に行える構造になっています。

(11月23日追記) 誤解される方が多いので、4点支持について補足します。「調整ネジで鏡筒に穴が開く・・・」というご指摘が多く、驚いています。^^; なかなかご理解いただけないだろうと思い、食卓テーブルまで引用したのですが、逆に誤解を助長したようです。 あくまで、鏡筒の把握の主役はバンドです。鏡筒はこのバンドを締めることで、確実に把握されます。ただ、バンドの幅(厚み)の15mmだけでは、鏡筒の方向の微調整が困難なため、バンドから離れた場所に支点を設け、そこに調整ネジを補助的に配置したものです。 この調整ネジがあっても、鏡筒は4点で支えるというよりも、あくまでバンドで保持するわけです。 お分かりいただけたでしょうか。 強力なバンド+(補助的に)4点支持ということです。

念のために補足しますと、1~3の上記ご説明の前に大きな前提があります。

まず、このアリガタアリミゾによる目幅調整装置ですが、これは、皆さんが普段お使いの、鏡筒を架台にセットする時のアリガタ、アリミゾとは使い方が異なります。 一般的な架台固定用のアリガタ、アリミゾは、暗がりでの着脱の利便性のため、あるいは規格の許容差を確保するために、遊びはかなり大きく取ってあり、クランプを締めて鏡筒等を架台に着脱するためのものです。 これに対し、私が目幅調整用に作っているアリガタ、アリミゾは、着脱用ではなく、入念なラッピングにより、高精度なスライド機構に特化した物です。(旋盤の刃物台やフライス盤のX-Yテーブル等、大きな力がかかり、かつ高精度で滑らかな動きを要求されるメカは、ほとんどこの同じアリガタ、アリミゾ方式を採用しています。) つまり、下の写真のメガネ型のプレートは常に一つの平面内でスライドするものであり、鏡筒がその面に垂直である限りは、2本の鏡筒は常に平行をキープすることになるわけです。 このことは、前回のイタリアンレッドのFL71-BINO斬新な構造の根拠にもなっていますので、それらの一連の開発意図をご理解いただければ幸いです。

(通常であれば、短焦点とは言え、10cmクラスのBINOはNexstar8SE-Mountには厳しい搭載加重です。 BORGのような特別に軽い鏡筒なら別ですが、軽めとは言え、CAPRI102ED-BINOを同架台に搭載するためには、常識破りの軽量化が必須だということです。それでも挑戦的なプロジェクトであることには変わりはなく、架台側のアリミゾ周りのカスタマイズも計画しています。 (重心を出来るだけフォークアーム側に近付けるため))

Direct cable for the SkyFi and the Nexstar SE Mount / SkyFiとネクスターマウントのダイレクトケーブル

待ちに待ったダイレクトケーブルが、海外に注文して2週間以上たった今日、やっと届きました。 (上から順に)写真1が SkyFi と NexstarSE のコントローラーをつないだところ。EnergizerXP8000 からの電源ケーブルと紛らわしいので、表題のケーブルに赤い矢印を付けました。

これだけ見れば、「それがどうしたの?」ということですが、標準のケーブルはどうなのかと言うと、写真3(一番下)を見てください。

まず、SkyFi には、無骨なRS232Cケーブルが附属しています。 そして、Nexstar側にも長大なRS232Cケーブルが附属しているので、それらを連結すればSkyFiが使えます。(標準、ダイレクト、どちらにしても接続ケーブルの Nexstar 側は、架台本体ではなく、コントローラーの底部に接続しますので、お間違いなく。 )PCへの接続等、汎用性を考慮したものだとは分かりますが、両者の接続用に、SouthernStars も、Celestron も、ダイレクトのケーブルを用意していないのです。 また友人の手を煩わせてケーブルを作るのか?と思いながら、webを検索してみましたら、英国のパーツメーカーがちゃんと用意してくれていました。(合掌しながら3つも注文してしまいました。^^; 中央の写真)

ということで、このケーブルにしたら、ずっとすっきりしました。 カールケーブルだとさらに cool なので、上記パーツメーカーに希望しておきました。

それにしても、この手のGoto架台と SkyFi 経由のSkySafari とのマッチングは、本当にスリリングです。天文マニアには、ずっと以前のGoTo架台に対するネガティブなステレオタイプをお持ちの方が多いのか、11月10日の記事に対する反響がほとんどないことに驚いています。 まあ、これはこの事にかぎらず、一旦浸透した固定観念を払拭するのは容易でないということなのだと思っています。

Nexstar 架台については、重箱の隅をつつくようなコメントも散見されますが、私がしばらく屋内シミュレートをした印象では、その価格に対して、その機能に何らの不満もないどころか、よくこの価格でこれだけの物が作れたものだ、という驚きしかありません。

ただ、Defort の設定で面食らったことが2点だけありました。  それは、Lunt35mmの裏像を確認していた時のことです。 まず、コントローラーの強制駆動の向きがちゃんと操作ボタンの通りに直感的に上下左右に動かせることを確認してから、太陽を導入。 像の向きを確認すべく、架台を上下に微駆動させたところ、裏像の動きと反対に太陽が動くではないですか。(強制駆動の速度は1~9の9段階で低速側の1~6だけが上下が逆転していました。)

「一見天頂プリズムに見えるこのブロッキングプリズムには、どんなからくりが仕組んであるのか?」と、一瞬真っ青になりましたが、落ち着いてよく調べてみましたら、何と、Nexstar は天頂プリズムの裏像補正を Defort にしていたのです。 直ちに設定を変更しましたが、大方の世の中では、未だにマツモトのEMSは存在していないことを改めて知り、苦笑しました。(大手メーカーほどその傾向が強いですね。) 長くなりましたが、先述のことにも通じる発見でした。

もう一つは、タブレットの画面を見ながら、(架台側で仮想の北極星で初期アライメントをした後)北極星のすぐ左の星をタップしてGotoをかけたところ、何と、逆方向に架台が暴走するではありませんか。 そして、延々と逆周りして、目的の星で止まりました。 「血迷ったか?^^;」と思いましたが、これもよく調べてみましたら、これは接続ケーブル類を巻き込んでしまわないための、”Cord Wrap” という機能が働いたもので、何とこれはDefortどころか、電源を入れる度に自動的にセットされるもので、これを避けるには、電源を入れるたびに”Cord Wrap” を”off”にしないといけません。 コードの巻き込みは、その都度ユーザーが判断すれば良いことで、大きなお世話なんですけどね。^^;

ただ、どちらも本体の機能の本質的な欠点ではなく、メーカーさんの考え方の問題なので、架台自体には不満はありません。

CAPRI102ED-BINO near completion / CAPRI102ED-BINO完成間近-1

This is the next generation binocular mount. The total weight of thsi binoscpe can be lighter than that of a pair of the metarial OTA with the bands and dovetails.

この段階を見ていただけば、追加重量がマイナスのBINOもあり得るということをご納得いただけるものと思います。市販鏡筒を使用してBINOを作るのに、追加重量がゼロより軽くなり得るわけです。

ちょっとくどく説明しますと、左の写真に写っているのはまさに鏡筒バンドです。通常は鏡筒バンドは前後1組(つまり2個)ずつ使用するのが基本ですから、この段階ですでにマイナス重量になっているわけです。

”作らずに作るBINO”がほぼ完成しました。メカが高度に複雑になるほど、ある意味製作者が意図しない使い方をされる危険性も孕むわけですから、作らないにこしたことはありません。^^;  もうヘリコイドのネジが緩んだとか、ぶつけたら光軸が狂ったとか、言わせません。^^

(同日追記)

たった今、メールをいただいたのですが、やはり誤解なさっているようなので、老婆心ながら、補足をさせていただきます。 このプレート状のパーツを前後1対で使用するのでは決してありません。それでしたら、従来の発想と大差ありません。

本当にこの1枚のプレートだけでBINOが実現するのです。 鏡筒の初期の方向調整は、写真の4つの穴に貫通して固定する4本のスタビライザーシャフトのそれぞれの末端にセットする、先端樹脂の合計8本のセットビスで行います。 スタビライザーシャフトは、外見ではほとんど目立ちませんので、あたかもメガネ型プレート1枚だけでBINOが構成されているように見えるはずです。

The core part of the CAPRI102ED-BINO-2 / CAPRI102ED-BINOの基礎構造の続き

Two plates in the core part, dovetail holder, will be trimmed into the inner halves of the bands.The clamp works very well to hold the plates very tight with small power. It almost means this project will surely be successful.

一番要の部分が完成しました。 昨日のアリミゾ部品にセットされた17S(ジュラルミン)製の2枚のプレート(左の写真で黄色いのは保護シート)は、それぞれが鏡筒バンドの内側の半分を構成します。 これより半円状に大きく刳り貫きます。

中央のクランプレバーは、左右のプレートを同時に強固に保持します。 これで、本プロジェクトの成功がほぼ確実になりました。 バンドの外側半分(2個)には、それぞれ架台セット用のアリガタと、目幅調整用の取っ手が取り付きます。(ファインダー台座も外半分のバンド部分にセットします。)

鏡筒には一切手を加えない、理想的にモデュール化された次世代型のBINO用マウントが誕生することになりそうです。