モンゴルから来たO君

朝青龍が7場所連続優勝を始め、数々の記録を塗り替える快挙を遂げた。
また、琴欧州が大関昇進に王手をかけた。

琴欧州は、関取になった時、交通事故で働けなく なったお父さんに新車をプレゼントした。 引退が決まった佐渡ケ嶽親方(元横綱琴桜、鳥取県出身)は、 琴欧州のことを「わしらの時代の力士が大切にしていた心を持っている。」と激賞している。

さて、最近、相撲、モンゴル、鳥取、というキーワードにヒットした、ちょっとした体験をしたのでご紹介したい。

2か月ほど前、すこぶる巨漢の高校生が店に入って来た。やや日本語が不自由そうだったので、咄嗟の直感で韓国からの留学生 かと思い、「ハングゲソオショスムニカ?」(韓国から来られたの?)と片言の韓国語で対応したら、きょとんとして、「モンゴルです。」 とのことだった。

そのモンゴル青年は鳥取市の相撲の名門校である鳥取城北高校の相撲部3年生だった。同校相撲部は今年の岡山国体で優勝している。 (琴光喜関も、愛知県出身ながら同校に相撲留学していたので、鳥取のローカルニュースでは毎日取り組みが放映される。)

モンゴルから来た0君は、この年末年始の帰郷に、お父さんに双眼鏡を買って帰りたいということだった。  彼がお気に入りのNIKONの双眼鏡はちょっと予算オーバー、でもお父さんには出来るだけ良い物を買って帰りたい。 事情を知るや、私もこれは商売抜きで一肌脱ごうと思って破格のdiscountを提示したのだけども、それでも何度か来店し て迷っていた0君。

その後、偶然、友人(1年先輩)である同校の先生が久しぶりに見えた(教頭先生になっていた)ので、O君のことを話したら、 「O君はとっても良い子だ。僕も援助したい。」と私に1万円を託した。 ということで、本人負担は八千円ということになり、先日 O君は喜んでその双眼鏡を買って帰った。

その時、0君はモンゴルや家族のことを少し話してくれた。 軍人のお父さんの趣味はハンティング、広大な大草原で獲物を見つけるには 高性能な双眼鏡が威力を発揮する。 広大な国土に対し、モンゴルの人口はわずか280万人、そのうち160万人はO君と同じウランバートル に住んでいるとのこと。
「南の国境線付近の土(つち)を中国人が買い占めていて、政府は無策に傍観している。」と憤慨していた O君。
「土(つち)を買ってどうするんだ。 それって”LAND”のことじゃない?」 と聞いたら、そうだった。^^;

話してみると、3年間でつち^^;かった彼の日本語は、なかなかのものだった。 日本語と英語、そしてもちろんモンゴル語と 片言のロシア語を話すO君は日本の大学に進学するそうで、将来の夢は大統領になることだそうだ。 彼なら本当になるかも知れないと 思った。