Nostalgic housing of two decades ago (Comparison with the Current Housing) / 大型ハウジングの新旧比較

It is a good chance to show you the comparison of the old and new larger-housing of the EMS when the old one returned for the reform.
The left one is for the FS102-BINO , now it is at my place, and the right one, in white, is the current larger-housing.

The old one, left TAKAHASHI-colored one made more than two decades ago,was molded in the sand by the traditional method, and the right white one was diecasted by the modern plant which is far more precise and thinner.

You will know by this movie how difficult it was to set the maximum sized mirror into the older housing.

リフォームで二十数年ぶりに里帰りしたEMSの第1ハウジングを現行の物と比べてみましょう。
現行の物は、ダイカスト(金型による高圧精密鋳造)により、理想的な形状とサイズで最小限の重量で最大限のミラーを、極力ミラー切削なしで収納できるようになっています。一方、初期型の大型ハウジングは、伝統的な木型→砂型工法によるアルミ鋳物なので、分厚く、非常に重くなっています。型抜き状態での形状も不正確なので、1個ずつ旋盤加工で端面(及び開口部内径)を修正していました。
古いハウジングでは、最大限のサイズのミラーを収納するのに、いかに苦労していたかを動画から読み取っていただけると思います。

ご参考までに、一般にダイカストの金型がなぜ高価(ン百万^^;)なのかをご説明します。私も当初は知らなかったのですが、ダイカストの型というのは、一般人が想像するような単なる鋳型ではないのです。これは、太陽観測用のHαフィルターと似ていますね。一般人は、フィルターと言えば、1枚の単純な平行ガラスを想像します。だから、その価格の意味は到底理解できないわけです。天文マニアなら、太陽用のHαフィルターが単なる1枚のガラス板ではないことを知っています。
さて、話をダイカストに戻しますが、ダイカストの型は型自体が溶けた金属を注入、排出するための複雑なピストン機構を含んでいるのです。立体的かつ中空の構造物を成形して、さらにその都度型を破壊せずに巧妙な抜き子機構で製品を排出しないといけません。だから、型全体はかなりの大きさの物であり、重量も100KGを超えるのが普通です。因みに、当方のEMSの標準ハウジングの型には、ピストンが入射口方向と射出口方向とそれらと立体的に直交する方向とで3つ装備されています。 その巨大な型は、さらに巨大なダイカスト屋さんの大きなプラントにモジュールとしてセットされるわけです。
 お分かりになりましたか? ^^