EMS-UMB for the single use in the making / 単体用EMS-UMB

年末の繁忙で納期が遅れ気味になっており、大変申し訳ございません。

 最新型(数年前より)のEMS-UM,ULは、最終形状(収納限界の形状とサイズ)のミラーを使用しており、写真のように、ミラー同士が接触寸前のセッティングとなっています。 従いまして、ユーザー様での左右勝手の組み替えは、ミラー同士が干渉する恐れがありますので、右勝手をご希望の場合には、必ずご注文時にご指定くださいますようお願いいたします。
 プリズムとの違いにつきまして、時々ご質問いただきますので、ここで改めてかいつまんでご説明いたします。
 プリズム、ミラー共にそれぞれの長所があるわけですが、プリズムの長所は、ガラス中の光路長が、その幾何学的な経路長の屈折率分の1になるという点があります。 ただし、EMSの場合は、ミラーのエッジをハウジングから突出させて使用でき、さらに2枚のミラーを空間的に交差させますので、上記による差はかなり相殺されることになります。
 また、倍幅のアミチプリズムを用意することによる、稜線外しの手法は、昔から行われて来たことですが、稜線を外して干渉を回避したとしても、ガラス中の光路による諸収差が不可避となります。主な収差は、色収差の発生ですが、プリズム双眼鏡では、全系でプリズムの色収差をキャンセルするように配慮するのが普通です。
 また、意外に知られていないのが、ガラス中の光路は球面収差も生じさせるということです。