EMS-UL SET for FC100-BINO for Switzerland near completion !

The diameter of the filter flange is 60mm which will decide the minimum IPD. While the diameter of 2″ sleeve is 59mm. You can customize the smallest IPD just by trimming the arrowed part down to 59mm, and also by trimming the 2″ sleeve, you can finally get the minimum IPD of around 57mm.
標準から極端に外れた目幅の方は、ご依頼の当初にご報告ください。
60mm未満と78mm以上の方は、配慮が必要になります。

 一見簡単な加工ですが、工程が回り道になるので、心理的にはやっかいな加工です。以前は無料対応しておりましたが、最近は+¥5,000お願いしています。(2”スリーブのトリミングを含む。)

  また、勝手を申しますが、依頼者の方は、当サイトの工程を常に注視いただき、ご希望のOPTIONが実際に施工されているかどうかを、常にご確認いただきますと幸いです。

FC100-BINO in the making

 鏡筒パイプに穴を開けない前提ですと、最もシンプルに組めたフレーム構造だと思います。CRADLEがないので、軽量化はもとより、フォーク幅も標準のままで余裕です。

 専門家を自認する方ほど、鏡筒の平行調整に杞憂を持たれる傾向がありますが、ツボを心得ていれば、何も恐れるものはありません。 機械的精度は、もちろん環境が許す範囲で最善を尽くすのは当然ですが、一番大事なことは、製作者(あるいは使用者)が(初期調整の)オーバーとアンダーが識別できることです。 一般マニアなら、ピント調整を怖がる人はいません。それは、ピントのオーバーとアンダーが理解できているからです。初心者に合焦ノブを触らせると、びくびくして超スローでノブを回すので、ピントの山が全くつかめません。 光軸の初期調整も、平行に対してのずれ方向が把握できていてれば、よほど不適切なメカでない限り、理想状態にセットするのは極めて簡単なことです。

 光軸調整がピント調整よりも難しい要素があるとすれば、ピント調整はアンダー、ゼロ、オーバーと、一次元の調整なのに対して、光軸調整はX方向とY方向の二次元になることですが、ベクトルも成分に分解し、それぞれを処理すれば、一次元のスカラーの問題に帰結するわけで、恐れることはありません。 X方向に関して、鏡筒の筒先が平行に対して閉じているか、開いているかの2種類しかなく、上下のねじれもしかりです。調整に難航する方は、そうした分析ができずに、パニックになっているのです。

 FC100/FS102クラスのBINOだと、通常なら、HFフォークの幅を少し広げないと収まりませんが、耳軸プレートのセット方法に工夫をすることで、むしろ余裕が生じました。(後で、耳軸の下に3㎜のスペーサーを加工して挿入します。)
 この組み立てで、D=158mm。標準の目幅ヘリコイド付きEMS-ULで、目幅レンジ=60~76mmです。

 耳軸センターを上に一定量シフトさせているのがお分かりでしょうか?
この配慮が極めて重要で、それがないと、水平時と天頂時でバランスが大きく変化してしまいます。(この配慮は、架台のタイプによらず必要なことであり、他人事でなく、ご自身のこととして学習いただければ幸いです。)
 通常であれば、フォーク角度を標準の45度を→65度くらいに改造するのが私の流儀ですが、今回は口径が10cmと小口径(軽量)なことと、ハンドルを下部中央に配置するために、天頂時にピラーとハンドルの干渉を回避するため、45度のままご使用いただくことにしました。転倒にご注意ください。(特に子供はハンドルを持って引っ張る傾向があるので要注意!)

 VIXENのHF架台をBINO用に用いると、大抵、天頂付近で耳軸プレートが耳軸クランプノブと干渉します。メーカーさんは改善の姿勢は全く見られません。
 これはほんの一例ですが、メーカーの(不適切な設計の)尻拭いをするのも、仕事の一部です。