The “Jig” most important thing ! /治具こそ命!

Now, I will show you one of the jigs I use on processing the EMS housings.

 物作りは、治具が命。 にもかかわらず、お客さんに評価されることはない。
悲しいかな、お客さんは出来た物にしか関心がない。
 しかし、物を作る人間は、治具こそ命。 治具が出来たら、その製品は出来たのも同じ。
(因みに、日本語の”治具”は英語の jig の当て字。)

Double screw for the fine focusing / 微動送りネジを二条にしてみた!

 M10の通常ネジだと、1回転で1.5mmの移動。ノブ径が大きいと、持ち替えずにノブを捻じれるのは半回転程度だから、1回(実際は半回転)回してたったの0.75mm。 ちょっと移動量が小さ過ぎる。
 そこで、2倍の移動量を得るために、二条ネジを加工してみた。これで、一回転で3mm進む。専用タップが届いたら、実際にサンプルのフォーカサーに組み込んでテストしてみよう。
(VERSION-11の一号機は納品済みですが、まさに試合後の反省練習をしています。)

Finders are set (15cmF5-BINO) / ファインダーをセットしてみました。

 レッド・ドットとレーザービームははめこみ合成です。
すでにご承知と思いますが、レッド・ドットは無限遠の虚像なので、視差が生じないのが最大のメリットです。窓枠を覗き込む必要はありません。ずっと離れて、両眼解放で見るのが正しい使い方です。そうすれば、夜空全体の中にBINOの向いている方向が赤い点で示されます。(つまり、正しく使えば、窓枠の視野制限はなくなります。)
 レーザーファインダーは、星まで串刺しです。一般客相手の観望会で、一番驚嘆の声を集めるのは、淡い星雲ではなく、このレーザービームです。^^; レリーズスイッチ付きで、これもXY調整機構付きなので、台座でアジャストする必要がありません。(レーザーは、瞬間的に点灯させれば十分ですので、節度ある使い方をしてください。)
 運搬用取っ手の天面はフラットですが、裏側は円筒面、つまり断面が半月状で、疑似アリガタとして利用できます。(幅の調整は、アリミゾ側の工夫で対処。)

 このドットファインダーは、透過率がほぼ100%であること、また、明るさ調整が無段階で、OFFまで連続的に絞れる点が特筆すべきで、他の類似品にはあまり無い特長です。たとえば、クリック式の4段階調整では、一番暗くした状態でも最高の夜空の下では眩しすぎる物がほとんどです。

 因みに、このドットファインダーが両眼解放で使える方は、BINOのユーザーの資質が十分にあると言え、逆の場合は、BINOユーザーも落第です。

Weight-Caps completed / たかが蓋?、されど蓋!

The Center Mount System will be carefully set up with the perfect balance.
The “balance” means the total set up including the finder and other accessories.
On the other hand, the OTA from which the EMS and eyepiece and handles removed will be so top heavy that the carrier will feel awkward in handling. This “Weight-Cap” will drastically improve the unbalance in carrying.
 中軸架台システムでは、最終的にセットアップしたBINOのバランスを完璧に取るわけですが、ハンドル、EMS等を全て撤去した鏡筒単体は15cmクラスにもなると、かなりのトップヘビーになります。(対物側が重くなる。)
 移動時、保管時、またセットアップ初期段階だけの問題なので、完璧なバランスは不要ですが、やはり鏡筒単体時であっても、極端なアンバランスは持ちにくく、危険ですらあります。 そこで、アンバランスを緩和するために、このウェイト・キャップをご提案した次第です。(910g、ほぼEMS-UXL相当)
 さらに、このソリッドなキャップは、接眼部の微動ノブの突起部を収納時に守る意味もあります。これで、収納時に気を使わなくて済みます。
 一般に、キャップを大事にされる方は少ない印象があります。ポリキャップ等、数年後には大方の皆さん、紛失されます。 このソリッドなキャップなら、無くされることもないでしょう。^^;

 実際にBINOに触るまでは、この”ウェイトキャップ”の意義も実感が湧かないだろうな?と思います。それどころか、”なぜ鏡筒の単体着脱方式”にしたか?という中軸架台システムの根本的な部分でさえ、理解されていないことが多いのに気付き、ショックを受けたことがあります。
 口径12cm程度以上の一体構造のBINOは、EMS式、市販の双眼望遠鏡によらず、次第に稼働率が下がるという顕著な傾向があるのです。穏便な言い方をしましたが、ずばり言うと、全く出動しなくなるケースが極めて多いということ。
 カタログの重量スペックだけを見て、「自分なら簡単に運べる。」と思った力自慢の”アナタ”!、BINOの重さや大きさを舐めていますよ! それはなぜか? 重いからか? 大きいからか?  いや、そんな単純なものではありません。 成人男性なら、10㎏や15kgのダンベルでも平気で持てるでしょう?
 まず、BINOはデリケートな光学機器だということ。ダンベルのように無遠慮に持てるわけがありません。
 また、一体構造だと、重心が体から結構遠ざかります。
 また、その躯体の大きさから、持ち運ぶ人から見て死角になる範囲が広く、本体の腹側のベース部は見えません。
 つまり、大型の一体型の双眼望遠鏡というのは、非常に運用困難な代物なのです。
 そこで、大型のBINOが、小型のBINOのような軽便さで運用できる方法はないものか?と追求した結果が、「中軸架台+鏡筒単体運用システム」なのです。 一体構造のBINOに憧れますか? 鏡筒単体運用だと、光軸の再現性を疑いますか? それらは単なる思い込み、妄想に過ぎません。