FOT104-BINO in the making-3

鏡筒側のエンドアダプターを極短にすることで、44-18=26mmの光路短縮を達成しました。
前回ご説明したように、フランジでの短縮の16mmとで、合計42mmの短縮です。
2インチではなく、65mmにしたのは、次の写真で説明します。(当然、EMSには65Φバレルを装着します。)

 製作現場では、とかく予想外の困難に直面するものですが、一方で、予想外の幸運に恵まれることも少なくありません。何と、ドローチューブ内径が、65Φバレルがしっくりと入ることが分かったのです。
 極短のアダプタ―自体の65Φ内径部分は深さが8mmしかありませんが、奥のドローチューブの内径も65Φなので、極めて強固な接続が可能です。また、接続径が大きいということは、EMS全体が不用意に回転してしまうことを防ぐ効果が大です。(回転に対する固定が強い)

FOT104-BINO in the making-2

The flange cut short for securing the additional back-focus.
フランジを切除(内面ネジ切り)して、追加のバックフォーカスを確保。

違和感なく短縮できました。
結果的にさらに16mm稼げました。これから製作する最短の末端アダプターによって26mm短縮する予定なので、合計で42mmのバックフォーカスの追加確保が可能になります。

実測で148mmのバックフォーカスがオリジナルなので、190mmのバックフォーカスを確保したことになります。
 最終D=178mmの予定で、そのDで目幅60mmに必要なバックフォーカス=181mmなので、9mmの余裕(2インチスリーブ端面にピント位置がある場合)が確保できます。
 さらに、ショートタイプの2インチスリーブ(48mm)もあり、また、31.7アイピースであれば、EMS-UM用のアダプターもあるので、まず問題はないでしょう。

FOT104-BINO in the making-1

普通にバンドにアリガタをセットすると、D=184mm。これを出来る限り詰める必要がある。

MK105-BINOのEMS-UL(固定)を借用して撮影。
 この状態(MASUYAMA-32mm)で繰り出しを完全に縮退して無限遠に合焦。
D=178mmに詰めても目幅60mmだと33mmほどバックフォーカスが足りない。

 回転装置以降を全て撤去し、最短の2インチアダプターと換装すると26mm稼げる。
10mmの余裕を見ると、さらに20mmくらい詰めたいところ。

Sunspots of this morning (4/29) by SVBONY-MK105-BINO (through clouds)

風が強く、常に雲が前をよぎる。シーイングも最悪。
ただ、BINOで見ると、前をよぎる低層、高層の雲の距離感の醍醐味が凄い。これは月面でも同じ。
単体鏡筒+双眼装置では、この雲の距離感の醍醐味は味わえない。

雲の切れ間を捉えたけど、全体的に薄雲っていた。シーイングも悪い。

The last evening Moon by SVBONY-MK105-BINO

昼間に太陽が見られなかったので、月でリベンジと思って観察しました。
手持ちiPhoneによるワンショット(スタックなし)なので、クオリティーの低さは相変わらずです。(眼視のイメージを思い出すための備忘録/ PL56mm)

追尾のない架台なので、やはり拡大すると厳しいですね。前の国道をひっきりなしに走る車による振動も半端ないし。

以上、まだ空が明るい19時頃から開始し、20時には撤収しました。