FOT104-BINO in the making-10

鏡筒を1本ずつ中軸架台にセットするので、運搬用取っ手は必須ですね。
取っ手の天面がフラットなのにも重要な理由があります。

鏡筒バンドのヒンジ部や連結部にパーツを接続するのは厄介で、大抵は諦めるのではないでしょうか?
(No impossible in my dictionary)
これが、バンドの連結部に取っ手をセットする方法です。

FOT104-BINO in the making-9

先日投稿しました、左右のフードの長短の問題ですが、販売店さんで対応できないそうで、当方で短縮加工(切断、末端内ネジ切り)をすることになりました。

 こうした薄物(しかも一定の長さがある)の場合、治具等の下準備を怠ると作業能率が悪く、さらに大事故にもつながりかねません。写真は振れ止めですが、さらにチャック用のソリッドな治具も製作しました。

結果はご覧の通り、当たり前のことですが、左右シンメトリックになると気持ちが良いですね。

FOT104-BINO in the making-8

天頂対策のために、内側のノブを小さい物と交換します。
小ノブは、眼幅クレイフォードを作っていた頃(20年ほど前か?)に一定数特注確保していた物。
シャンクのないノブだったので、シャンクを加工して追加。

ノブ軸を下の定位置に戻したので、小ノブでも真天頂までは向かない。
さらにノブ軸を傾斜させる必要があるが、見かけやハンドル軸との干渉との兼ね合いを見る必要がある。まあ、ノブ軸配置は、ユーザーさんでどうにでも好きなように設定できるので、納品後に納得が行くまでトライしていただけば良い。

FOT104-BINO in the making-7

 ハンドルロッドと合焦ノブの干渉の懸念も解決し、このBINOもほぼ完成と思ったところで、とんでもないことが発覚!

当初は、スライド式フードなので、筒先の段差を気にしていなかったが、外してみてもご覧の通り。フード自体が左右で2㎝も違う!
 メーカーさん、こうした途中変更は本当に迷惑です。
 薄物の追加工は危険も伴うので、クライアントと相談して方針を決めたいと思います。
不幸中の幸いは、対物位置も左右同じで、焦点距離誤差もなかったこと。

FOT104-BINO in the making -6

 前々回ご説明した、4個のファインダー台座ですが、下の2個については、いくつかの追加工が必要です。アリミゾ内径の仕上げと、ストッパーのセットです。ストッパーは必須ではありませんが、あると安心かつセットが楽です。

 ファインダー台座(アリミゾ)は、上の2つがファインダー用で、下の2つがハンドル(兼ウェイト軸)用です。


 合焦ノブ軸は、当初、両サイドに90度に立てる配置をクライアントよりいただいていましたが、ハンドル兼ウェイト軸との干渉から、この配置がベストと分かりました。(90度位置も全く不可能ではないが、操作を邪魔する配置は避けた方が良い。)

FOT104-BINO in the making-5/ EMS-UL SET in the making

このBINOも私の頭の中ではほぼ完成です。
 65Φバレルについては、10年以上前からサイトで事情をご説明して来ました。
基本、どのEMSにも65Φバレルはセットできますが、条件によっては制限があります。
それは、65Φバレルのツバとヘリコイドが干渉する場合です。(その場合は干渉部を少し削らないといけない。)今回は、D=177mmで、ヘリコイドの下に12mmの延長管を配置するので、65Φバレルのツバとヘリコイドが干渉する心配はありません。

FOT104-BINO in the making-4

 アリガタのバンド接続部を3.5mm(当初は3mmの予定)段差加工して、D(鏡筒間隔)を合計7mm短縮。また、天頂時にバンドの角が水平回転ドラムと干渉するので、そこもトリミング。
 この段差加工の大きな副産物は、バンドとアリガタの直角度が強力に担保されること。

鏡筒間隔を184mmから177mmに短縮
(標準の接眼部アダプターは撤去しますが、見やすいので、付けたまま撮影。)

右手前バンドの1時半、4時半、左手前バンドの11時半、7時半の位置に、ファインダー台座用のネジ穴を施工。下側のファインダー台座は、ハンドル兼ウェイトユニット用。

天頂まで向くのは、バンド角のトリミングの成果。

 ファインダー用アリミゾ(台座)をセットしてみました。
マイノリティーに配慮する世の中になりつつあるけど、望遠鏡業界は遠いようね。
左利きへの配慮はどこのメーカーもほぼ皆無だ。 都度、追加工するのだけど、これまた気付いてくれるクライアントがほとんどないのも悲しい。(アリミゾ台座のクランプネジの話)