Carrying Handle of the Sliding Mount/ たかが取っ手、されど取っ手

 当初は、スライドマウントの基板から片持ち取っ手用の支柱を立てる予定でしたが、ご覧のように、干渉しない場所はほぼ皆無でした。ということで、架台取付用のアリガタしかないと判断した次第。アリガタを含めて、これまた、架台や鏡筒との干渉を回避する位置を探す必要があり、一筋縄には行きません。
 取っ手の天面がフラットなのも、傾斜センサー等の取付を考慮したもの。

Two sets of the EMS-UL(with IPD-Helicoid) in the making.

The standard(smaller) Helicoid has the 2″ tapered boss on the both ends. So, the housing should have three set screws on end.
The helicoid cannot be installed to the fixed type EMS by yourself later.

 標準ヘリコイドは、両端が2”のテーパーボス(オス)になっていて、ハウジング内に挿入して、ハウジングに事前にセットしてある3方のセットビスで固定する構造になっています。
 従いまして、固定タイプのEMSに対して、ご自分で追加購入したヘリコイドをセットすることは出来ませんのでご注意ください。
 鏡筒平行移動か、目幅ヘリコイドかについて、事前にしっかり検討していただく必要があります。

 なぜそうなったか?ですが、それは1㎜でも光路長を節約するという方針からです。目幅ヘリコイドの場合、縮退長をいかに短くするか、というのが極めて重要な課題でしたから。
 それがいかに功を奏しているかの実例をお話します。
 EMS-ULの固定タイプのハウジング間のスペーシング=14mmです。これは、構成する2枚のミラー同士が干渉しない、ぎりぎりの設定です。一方で、標準ヘリコイドの縮退長=22ですので、固定タイプに対する延長は、わずか22-14=8mmということです。
 これを、レゴブロックのように、ユーザー単位で安易にセットできるようにするには、接続環が加算され、膨大に無駄な光路長を消費することになります。

Planning a Universal Sliding Mount for IPD adjstment / 目幅調整用 汎用スライドマント製作中

調整域を十分に広く確保しているので、EMS-UMと-ULにそのまま対応できます。(アリミゾ固定位置を移動すれば制限なく設定できます。)

 BINOに要求される光軸の平行度は、最終的にはアイレンズから射出する主光線の平行度が問題になりますが、マウント自体、鏡筒へのアリガタの取付精度、鏡筒軸と光軸の精度等々で、それぞれ最善を尽くします。個々に必要以上に神経質になる必要はありませんが、分担をそれぞれが満たせば、最終調整もそれだけ楽になります。

 マウント自体は、調整しやすさよりも、調整後に動かないことの方が重要です。
(使用中の微調整はEMSのXYノブで出来るからです。)

EMS-UMB SET (Special Version) completed !

EMS-UMB in the framework of EMS-UL completed. Smaller IPD customized.

BINO用に関する限り、EMSのミラーサイズ(M,L,UXL)と光路長は関係ありません。
今回のEMS-UMBは、-ULの枠組みで組み立てたので、光路長は標準タイプの-ULと同じになります。