Another EMS-UXL SET completed / またドイツ向け完成

I don’t remember how many times I have uploaded the information of the EMS, but very few seem to understand my intentions on the specs.
The helicoid is connected at each end to the first and second EMS unit by three set-screws. When the set screws are fastened too tight the helicoid will become very heavy to turn, while the set screws too loose, the housings will tend to slip to turn. Do not doubt the original setting when you opened the package of the EMS.
And take the most care in handling the Helicoid because it is a very delicate mechanism. Never give  a hard impact and never try to lap even if you find the helicoid too tight to turn, You should understand it is the trade-off resulted in after the long period of try and errors and study. (I am planning to add the set screw from 3 to 5 so that the pressure will be more equal on around.)

↑ 英文でうまく伝わるかどうか??
問題を提起すると情報が一人歩きするのが怖いですが、着荷早々に耳を疑うようなクレームが入ることがあるので、記載しておくことにします。
「ヘリコイドが渋い」とか、最悪なのは「ヘリコイドにガタがある」というクレームがたまに来ます。(腕に覚えのある古参マニアが多く、国別にはドイツが多いです。^^;)
直進ヘリコイドというのは、回転させないという課題上、3層構造になっていますが、内外径の制約(内径を最大限確保しながら、外径は大きくしたくたい)から、どうしても、各層は薄くならざるを得ません。接続は、ねじ込みが無難なのですが、組付けの作業性やロゴの位置の自由なセッティングを考慮すると、テーパフランジとセットビスの方法がはるかに便利です。しかし、セットビスを必要以上に強く締めると、ヘリコイドの該当層が微妙に変形するため、ヘリコイドの回転は不均等に渋くなります。逆にセットビスが緩いと、EMSのハウジングがスリップして回転しやすくなります。出荷段階では、当方で理想的な調整をしていますので、ヘリコイドがたとえ不均等に渋いことがあっても、そのまま受け入れてご使用いただきたいと思います。 最初からヘリコイドにトラブルを発症させる方は、どうやら、セットビスを自分で極端に増し締めした上で、乱暴にラッピングを長時間かけておられる傾向が見えます。その結果、ヘリコイド内部のネジが緩んでしまい、ガタの原因になることがあるようです。(ユーザーさんを叱るばかりでは進歩がないので、当方としても、セットビスを3個から5個に増やすことを検討しています。かなりの改善となりそうです。^^;)

ついでにEMSのXY調整のリミッターと(矢印の)原点位置についてご説明します。ノブの原点位置は、Yノブでは極力左右回転のストロークの中心に原点が来るように、またXノブでは、至近距離の観察も考慮して、左右ストロークの中央よりもほんの少し右回転(12時~1時くらいか)の方向に原点が来るように努力していますが、リミッターの構造原理上、上記を完璧に実現することが不可能です。リミッターの組み付けはある程度曖昧にならざるを得ず、光軸を初期調整後に矢印シールを貼って原点指標が決まります。(この段階では十分正確です。)
自分でBINOを仕上げる場合は、着荷したEMSのX-Yノブには一切手を触れずに、EMSを装着した後の鏡筒を一体として平行調整してください。
EMSのX-Yノブに触れて良いのは、その後です。腕に覚えがある方は、鏡筒単独で平行調整を完了してしまい、後でEMSを装着してチェックする傾向があります。それらの作業が複数の人間で分担されている場合は特に厄介になります。
久しぶりに苦言を呈しましたが、滅多にないトラブルに対する警鐘であり、忠実にマニュアルを守られるほとんどのユーザーさんには無関係ですので、ご安心くださいませ。 ただ、ヘリコイドは元来デリケートなメカニズムであること、強い衝撃や不必要なラッピングは避けるべきだということはご認識ください。