BORG60N-BINO 続報 

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「トラベルBINOユーザーレポート、”続”」

改良によりトラベルBINOが完全な形になりましたので、ご報告します。

 昨秋、トラベルBINOが不完全な形ながらできあがったので、それを持ってメガネ のマツモトに伺いました。その時困っていた点を三つご相談しました。

①私の眼幅が58mmしかないので、EWV32などの2インチアイピースが使用できない。
②BORGの接眼部はスリーブ差し込み長が20mmしかなく、EMSスリーブが余る。
③WO UWAN16はスリーブが長く、EMSの保護フィルターに干渉する。

 松本氏はなんとその場ですべて解決してくださいました。特にEWV32を削って眼 幅58mm対応にしてくださったのには、驚きました。松本氏のクラフトマンシップ に感謝します。トラベルBINOにEWV32mmをつけると倍率10倍+実視界8.4度、その 迫力には圧倒されました。

 ただシステムが軽量なので、アイピース交換によるバランスの崩れが問題になり ます。バランスを調整するため、対物側に小さなバランスウェイトをつけました。 またアイピース側に二本ハンドルをつけたおかげで、取り回しがとても楽になり ました。

 その後、LMガイドを利用して眼幅調整装置をつけました。加工は知り合いの業者 に依頼しました。これで眼幅58-70mmに対応可能となり、トラベルBINOは完全な 形になりました。EWV32や三脚を含めた総重量は6.8kgです。カーボン三脚にす ればさらに軽量化できるでしょう。

 超軽量コンパクトを生かして、地方出張に何度か連れていきました。仕事の道具 と一緒でも、アタッシュケースの中に楽々収まります。また飛行機機内へ持ち込 みできるのも安心です。精密機械を預けるのは心配ですから。

 最後に松本氏ほか皆様、自作を助けて頂いて本当にありがとうございました。

                     杉本
管理者のコメント;

 杉本さん、トラベルBINOの完成、おめでとうございます。
 前回の鏡筒固定式から、高級なスライドガイドにリミッターまで装備された、本格的なBINOに 生まれ変わっておられるのが写真から分かりました。

 杉本さんのように、自作されたBINOをご持参いただき、実際に見せていただくのは、EMSの製作者としても大変 嬉しいことです。その節には遠路をお越しくださって、本当にありがとうございました。

 杉本さんが当方を訪問された際の3つの課題について、コメントします。

 ①の、EWV32㎜と目幅58㎜の関係ですが、実際には、無改造でも結構観察に耐えるものです。ですから、オウナーの 目幅が62㎜で、たまたま見せる友人等の目幅が58㎜だったような場合、ほとんど問題ないと言えます。同アイピースは 視軸のずれに寛大だということです。 ただ、オウナー自身の目幅が58㎜の場合は話が別で、やはり完璧に対応 出来るようにしておくのに越したことはありません。

 ②のEMSの2インチバレル長の問題についてご説明します。 標準のバレルの挿入長=30mm ですが、眼側の EMSユニットの防塵フィルター取り付け、及び2インチスリーブ接続用のリング(バレル)も、長さが12mmと短い だけで、ほぼ同じ2インチ仕様なのです。ということで、挿入制限が極端に短い場合、通常のバレルの代わりに、 この MATSUMOTO-EMS の刻印がある、フィルターリングを使用するわけです。もちろん、通常の2インチバレルを切断しても良いですが、その場合は、 切り口にまた遮光絞り取り付け用のネジ切りが必要になるので、少し加工が面倒です。

 ③もよくあるご要望で、日常的に対処しています。 EMSは最初から接眼部の汎用性を重視して設計していますので、 応用は変幻自在です。このケースでは、単純に2インチスリーブを使用することで解決すると同時に、2インチ アイピースの受け入れ態勢も整えました。つまり、①の対応と③が関連しているわけです。

 このトラベルBINOが杉本さんのお供をしていろんな所を旅することを想像しながら、このBINOがずっとお役に立てることを願っています。 続報、ありがとうございました。



150LD-BINO続報(2009年1月12日)

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150LDレポートNO.2です

  前回レポートの場所等へ行って、いくつかの天体を観望しました。それについてのレポート(続報)です。
1.見えた天体

 この夜は一角獣座の天の川がほのかに見えていました。シンチレーションは少し有りました。主な使用アイピース は32mmです

 ① NGC2024    オリオン三ツ星のアル二タク横の散光星雲は星雲を横切る暗黒帯がアル二タクの強い光に負けずによく見えて いました。

 ② NGC1973    M43の北にある三つの星の周りにほんのりと見えていました。

 ③ M81・82   同一視野に余裕を持って見えていました。M82は10mmでやや逸らし目で見ると暗い切れ目のようなものが見えま した。

 ④ M37   32mm単独で見るよりもバーローレンズ使用のほうが、よりはっきり見えました。

 ⑤ トラペジウム   前回のレポートで、5番目の星についての再確認です。   昨夜は大気が比較的落ち着いていたので少し倍率を上げて見ました。6mmアイピースでトラペジウムの短辺やや 外側に星が見えていました。ウィキペディアでは「30cmの口径で条件が良ければ5つ・・・」と書いてありますが、 15cmでも見えています。(見えているつもりになっている?)

 
2.口径を絞ったらどうなるか

 前回のレポートについてのコメントにアドバイスを頂きました。それを試してみました。

(1) 夜中に土星が上がってきたのでテストしました。10mmアイピース使用。色の収差に絞っての報告です。

① F6フル口径      収差により細くなった輪に少し赤い色がついていました。(高度が低いときは大気によるプリズム効果 が見られました。)

② F10 口径9cm      収差は殆ど消えて見えました。これであれば充分オーケーが出そうです。

③ F6でもF10でも光量は充分でした。

 (2) 夕方の金星・木星でテストしました。当日は寒気の影響でシンチレーションが強かったです。

① F8のときの木星の見えは「かなりいいかな」程度でした。

② F10に絞ると、充分に満足がいく見え味でした。像の明るさはF10でも充分でした。

 この日の空のコンディションでは、F8とF10の色に関する収差の違いより、シンチレーションの影響のほうが見 え方に影響を与えていたと思います。(小口径が有利)それと、こんな悪コンディションでも、両眼で像がコンポジ ットされて大変に見やすいことに改めて気づきました。

 金星は非常に輝いていてその分、色収差を感じやすくなります。F8よりF10の方が明らかに見え方は良くなり ました。

 色収差がある双眼望遠鏡で色々な天体を見たいときの方法として、「月や惑星は口径を絞る」という方法は有効で す。(シンチレーションが大きいときは、収差に関係なく絞った方が天体の見えが良くなるときがありますね。し かし、絞るとちょっと悔しいような・・・。)

(3) 昼間の鉄塔を見ました。

 ① F10(口径9cm)に絞る

  32mmやイーソス13mm(友人から拝借)で見ると色の収差は極わずかです。ペンタックスのアイピースと イーソスを見比べると、イーソスの方が1枚ベールを脱いだように抜けが良いです。(ペンタックスも勿論良いア イピースです)イーソス使用時には糸巻き型の歪曲が僅かに感じられました。

② F15(口径6cm)に絞る

  数値上の解像力は当然落ちているはずですが、特に気付きません。色の収差は見えません。

(4)口径の違いによる星の見え方

F6(15cm)とF10(9cm)で二重星団を見比べると、全く別物でした。自分で見てもはっきりと違いが分かり ましたが、妻に2つの場合の見え方の感想を求めると、F6では「星がいっぱい」だそうです。当たり前ですが改 めて15cmの口径の力が分かりました。

3.イーソスを使用しました

 先日、友人の「イーソス13mm」を150LDに取り付けて「月齢5」の月を見ました。 感動~~。凄いですね。月の近くまで行って見たら、このように見えるのでしょうね。 13mm単体でもショートバーローを装着しても視野の端まで像を崩さずにきっちりと見せてくれます。
 月の近くに恒 星が見えていましたが像が視野の端まで移動しても点像でした。(F10使用ですがF6でも結構いけますよ。)その様 な月の良像が視野いっぱいに広がって見えています。いつまでも見ていたい気持ちでした。こんなに良く見えたと いう実感は32mm使用以来です。(EWV32mmはコストパフォーマンスに優れていますね。)

 視野100度を見ると85度は「普通」という印象です。それほど広視野の感覚は言葉に出ないほどです。 当日は気温ー2度でした。アイポイントの関係で、レンズが眼の湿気で少し曇る時がありました。
「イーソス13mm」を使うと、像の抜けが良くなり色収差も少なく見えました。対物レンズの性能が一段アップした ような印象を受けます。褒めすぎのようですが、これは実感です。
 双眼望遠鏡の楽しみが更に増してきました。(いつでも見られるように格納箱を自作し、車に常時載せるようにし ています。) 

富山良兼

管理者のコメント;
 富山さんより、詳細な続報をいただきました。  口径と性能、コスト等の問題は、私たちマニアの永遠のジレンマですが、大口径屈折は口径を 絞る使い方もあるということを、富山さんが思い出させてくださったような気がします。

 私も若い頃に、友人の観測所で15cm屈折の口径をいろんな内径の真円の絞りで絞ったり、多角形の絞りで恒星の光条の 様子を観察したりしました。 その一連の実験の中で、ダハプリズムのダハの影響のシミュレーションのために、細い絹糸を口径の 中央に張ってみたところ、輝星に、糸と直交して著しい光条が視野を真っ二つに貫いて出たことが今でも印象に残っています。 目に見えないような細い糸でしたが、ダハの影響は一般的に言われる直角の精度以前の問題として、線の存在その物が回折像を乱す宿命 にあることを知りました。

 富山さん、早い続報をありがとうございました。 夏の天体を見られた頃に、またご報告いただけましたら 幸いです。