鳥取県の山内さんが2度目の投稿をしてくださいました

yamauchi4

yamauchi5

 昨年の月刊天文10月号にSCHWARZ120Sの予告広告が掲載されてから1年が経ちました。

 2000年の夏、この眼で、双眼でほんとの星を見てみたいと松本工房を訪ね、8cmEMS-Binoを手に入れ夜空を散策し、その美しさに驚嘆するとともにEMSに惚れこみました。

 同じ年の秋にSCHWARZ120S鏡筒の予告広告が掲載されると、私はまた直ぐに、松本さんに120S双眼の新たな予約を入れたのです。

 天文の知識はまだ乏しい私ですが、機材の良し悪しはわかります、完成するまでの間、愛称チビーノ(8cm EMS-BINO)で観望要領を教わり、より観望し易いように松本さんに設定を変更して貰いながら待ちました。

 2001年(今年)の6月中旬、待望のナビーノ(スパーナビ搭載 シュワルツ120S-BINO)が完成しました、基本的な操作要領はチビーノとなんら変わるところはありません。私の観望セオリーは、美しい星野をそのまま観てみたい、という眼視派です、それも両目で、という素人の欲張りです、そのためアイピースも、あえて高倍率を求めず、お奨めのWV-40、32、25(以上、笠井トレーディング);20と広角系を選択しました、これも独自に判断することなく松本さんのアドバイスによるものです。

 更に、私の年代になると視力も衰えてきますので、40、32mmに関しては覗きやすい巨大な2インチにしました。 600mmF5の120Sには、40mmは過剰瞳径だとおっしゃる方もありますが、十分に使用するメリットがありますので、承知で使用しています。
 過剰瞳だと、アイポイントが微妙にずれても、あるいは微動しても、私の瞳のフル口径が常に確実に射出瞳からの射出光で満たされ、常に非常に明るい視野に満たされます。 明るい星や、惑星ではその光がアイピースから射出するのが見えるくらいで、選択に誤りはなかったと思います。

 さてその観えぐあいはというと経験の浅い私にとって的確に表現できませんが、眼視派で綺麗な星を綺麗なように見たい願望の私には、当てもなく散策する銀河をWV-40、32mmで観察するのは何ものにも代え難い感激です。

 私が過去に携わった深海艇の覗き窓から眺めたマリンスノーの深海を思い起こさせます、製作時に国際光機のスパーナビも搭載してもらいました、これは私にとって何よりのお師匠さんです、ろくに星の名前も知らないのですが、検索機能で星雲、星団、恒星名など一発で教えてくれます。

 さらに、アイピースを25mm,20mm,12.5mm,5mmと取り替えて、星雲球状星団などは手が届くようなくらいです、私の家は山中の一軒家です、自宅の電気を一切消してしまえば後は星明りだけ、ただ、谷間ですので、天頂付近の観望が主体ですこの点もEMSの良さが更に加味されます、あごを上げて首筋が疲れることもなく天頂が眺められます。先日も3夜続いて絶好の観望日和となり、M11、13、22、31,33、42、45 h-xなどの美しさに驚嘆しました。

 特にM-45(すばる)を2インチWV-40 で眺めたすごさは息を呑むほどです、錯覚かも知れませんが、個々の星々の遠近が判るような気がします、ベテランの方にはそりゃー錯覚だとおしゃるでしょうがニューカマーにとっては感激の一言につきます、つぎにM-42(オリオン大星雲)を12.5mmで眺めました、殆んど視野一杯にひろがった巨大な星雲に圧倒されました、本によると、鳥が大きく羽を広げた形と表現されていますが、なぜか私は夜空を飛ぶ巨大な蛸を想像しました、永年海を生活の場にしてきたせいでしょうか。

 今までのアクロマートの見え方の常識を覆したシュワルツ120S鏡筒も、やはりアクロマートなりの限界は持っています、惑星等の明るい対象に高倍率をかければ、色収差の存在に気付きます。 しかしそれを知ったうえで、使用目的を見失わずに費用対効果を考えれば、補って余りある感動を眼視派に与えてくれると思っています。
 これを正立双眼とし、長時間疲れもなく観望できる喜びは使った者にしか分からないでしょう。

 チビーノのレポートのとき、小3の孫娘と今年の夏休みを観望すると書きました、この夏孫娘がやってきました、ナビーノ、チビーノ共にファインダーには1:1のクイックファインダーを取り付けてありますが、孫は火星を導入するときに両目を開いて自然な姿勢で 「爺ちゃん、入ったよ」 といってました、赤い火星を観てどうしてこの星は赤いのかと疑問を持ったようで、すかりチビーノを自分の物と思っています、このように何の経験もない子供でも簡単に自然な形で星が見れるのが嬉しいことです、ちなみに8x50のファインダーも正立にしています。

 とりとめのないレポートですが、美しい星をゆっくり眺めたい派には、3脚の高さを調節しビンビールの空き箱を腰掛にしてのんびりスターウォッチングなさりたい方にとって、EMS式双眼は絶対のお奨め品と思います。
  私は、80mm、120mmと口径をアップして行きましたが、口径なりの楽しみ方があることも事実ながら、やはり、さらに大きな口径を望んでいます。80,120と来れば、今度は180以上が欲しいですが、笠井さんには、今度は200mmF5の開発を期待したいところです。
  私のナビーノは松本120S双眼望遠鏡の第1号機です。 200mmF5鏡筒の開発予定がわかれば、私は躊躇なく第1号機の予約をしたいと考えています、EMS式双眼望遠鏡は、それほど人間の生理に適い、見る者を飽きさせることのない天体正立双眼望遠鏡です。

山内 満喜男


管理者のコメント;

 山内さんは、深海6500の操縦士として、世界最深の潜航を達成された方で、MHKのドキュメントシリーズ ”プロジェクトX”でも紹介されておられますので、ご存じの方も多いと思います。

 山内さんは謙虚な方なので、いまだに初心者を自認しておられますが、今回のリポートから、すでにベテランの域に達しておられることが分かります。
  M42を巨大な蛸と表現される辺りに、機材の特徴とは別に、山内さんの澄んだ感性も強く伝わって来ます。
  山内さんのお孫さんとは、今年の夏のさじアストロパーク星祭りで山内さんと共にご一緒しましたが、小3とは信じ難いほどチビーノを自分用として使いこなしておられ、驚きました。  ファインダーを平行視線で左右解放で使用するのは、かなりの熟練を要するもので、長年のマニアでも出来ない方が多いものですが、お孫さんは、両眼解放でクイックファインダーを使用してすいすいと天体を導入しておられました。
 SCHWARZ鏡筒の出現は、私たちにアクロマート鏡筒の見え方の常識を覆させましたが、さらにSCHWARZ-S(F5)鏡筒の出現は、鏡筒のF値の常識をも修正を迫るものでした。
  各種口径のF5シリーズを見比べて類推しますと、150mmがまだアクロマートでの口径の限界に達しておらず、少なくともdeep-sky目的には、さらに大きな口径が期待できることが予測できます。