悪徳電話業者(2006年7/13日の日記より)

お爺ちゃんとお婆ちゃんが細々と経営している個人商店に高額なビジネスフォンシステムを言葉巧に売りつける。 契約者は、不必要な過剰装備の支払い総額が7年リースで80万、時には100万を越えるのに後になって気付いて驚く。
(零細商店や一般家庭であれば、ビジネスフォンでなくても部屋間の内線等、より安価な方法で類似の機能は十分に果たせるそうだ。)
特に悪質な業者は、Web上で名称が公開されているようだが、この業界には、表面上はまっとうな会社であっても “準悪徳”と言える会社が多く、むしろ業界ぐるみで悪徳に近い商売をしているようなので、ここに警告しておきたい。

昨今はパソコンの通信システムもからんで、さあISDNだ、ADSLだ、光通信だ、と新しいシステムの宣伝がかまびすしい。 3年前から契約しているADSLに至るまでにも、やれデジタル回線だ、今度はアナログ回線だ、とその度に高価なビジネス フォンシステムを買い換えさせられて来た。

2002年の春、ADSLを検討していた頃に、日本通信機器㈱鳥取営業所の若い営業マンであったM氏が提案を持って来た。  詳細は記憶しないが、何でも、「今利用している電話機能をキープしたまま、現状(当時)の3回線を2回線以下に減らして、ランニングコス トを下げる。」という、一見当方に好都合なふれ込みだった。詳細は省くが、例のごとく、結局はビジネスフォンシステム を丸ごと新規にリースすることになり、高額なリースで7年間拘束されることになった。

2002年5月に契約したそのリースは、月に\8,640を丸7年間支払う(初回はもっと高額)もので、リース満了月は、 2009年の4月というものだった。 若い営業マンが誠心誠意に見えたし、近所のマンションの住人で、「今後も個人的にずっと 私が責任を持ってメンテします。」とか、「ご近所なので、儲けは度外視して、格安の価格設定をさせていただきます。」 とか言う言葉にほだされて、また同情も手伝って依頼したのだったが、どたんばになって「あまりに値引きが過ぎるとのことで上司に 怒られた。」ということで、1割ほど上乗せ修正したのが上記リース金額だった。
さて、「ずっと私が面倒を見る。」と言っていた若い社員は、1年も経たないウチにさっさとケツを割ってその会社 を辞めていた。

4年ほど経った、1週間ほど前に、今度は同社の主任の肩書きを持つ、Fuku**** Hi***** と名乗る社員が、新たなbait(餌) を持ってやって来た。
今度は“ひかり電話”の勧誘だ。現行の電話の回線の基本料がほとんどタダ同然になるというのだ。 しかし、現在使用 している電話機はそれに対応しないとのこと、新たなビジネスフォンシステムのリース契約が必要となる。  そして、この度の魅力的?な餌は、「現在のリース契約で残っている3年分のリースをチャラにする。」というもの だった。 まあ、もともとタダのような原価の商品を法外な価格設定で売る商売だから、4年もリース料を取れば、儲けは 十分に出てお釣りも出ているわけだ。

さらに F 氏は、「現在利用しているプロバイダのSANNETは光に対応していないので、OCNに変えてください。」 と来た。当然、メールアドレスも変更しないといけないとのこと。
お人好し?の私も、これには眉に唾を付けた。  「それは困ったな。OCNの基本契約料、HPの無料掲載容量等、調べてくれ。」と言って一旦 F 氏を帰らせてから、 Webで調べてみたら、やはり F 氏の言った事はデタラメだった。 素人の無知に便乗した商法に首まで浸かって久しいと、 こんな見え透いた嘘も平気でつけるようになるのだろう。

その返事をするのに1週間近くも経った今日、F 氏は、手ぐすねを引いて待っていた私の元にノコノコとやって来た。

予想通りの答弁をする F 氏に私は言った。

「SANNETが光に対応していないと言ったことを、書面に書きなさい。どちらにしてもこのことはHP に掲載させていただく。 新規契約はもうなしだ。お帰りください。」

どんな商売にも、その商売特有で消費者に分からない旨みというものはあるもので、それらを全てあばくつもりは 毛頭ない。しかし、規制緩和の名のもとに、あらゆる既得権益が奪われて行く中で、電話機業界はまだまだ消費者の無知 に便乗した、度の過ぎた美味しい商売をしていることは事実のようだ。

業界全体が襟を正していただきたい。

あとがき

最近の日記では、他人の批判ばかりしているようで、また友達が減ったかな?とも思いますが、私を 理解してくださる方は、短い文章の背景を理解してくださると信じています。 でも、私を直接知らない方は 松本は気難しい、不遜な人間だな、と思われたかも分かりません。

私は今日まで誠心誠意生きて来たと自負しています。お客さんに接する時はもちろん、自分が客の立場になった 時には、それ以上に相手を思いやって来たつもりです。 この経営ポリシーは私の親の代からで、小さな店でしたが、 新聞や電気料(昔は集金さんが集めた)の集金さんに至るまで、わけへだてなく接し、皆お客さんになってくれていました。

だから、こちらが何かを買う立場になった時も、高飛車に出たことはありません。  しかし、こちらの誠意が裏切られた時、私はどうしても許せないのです。

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2020年4/3 追記:
あれから14年が経過したが、どうも、この電話機業界のみならず、通信事業者に至るまで、悪質な体質は全く改善されないようである。
この度の一連のQR決済事業者との契約に於いても、経済産業省の愚かな対応と相俟って、不親切極まらない対応に随分と振り回された。
気付くと、この問題のビジネスフォンシステムは今日現在まで再リースを継続していて、先日やっと解約手続きをして、今度は信頼が置ける個人の業者さんに新しい電話機を設置してもらうことになっている。
再リースの解約を決断する前に、”買取り”を業者に打診したのだが、「当契約は買取の選択肢はありません・・・」と来た。10年以上前に、「もう部品もありませんので、メンテ不可能です。」と、故障したら終わりの状態だったのに、延々とリース料を支払わされて来た。 その回答を聞いて、即、解約を決めた。 疲れた。